今週の【早わかり株式市況】大幅続落、ロシアのウクライナ侵攻で世界同時株安

市況
2022年2月26日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は2週連続で大幅安、ウクライナ情勢の緊迫強まり波乱展開に

2.欧米とロシアの対立深刻化で週前半から東京市場は荒れ模様の地合い

3.週央は天皇誕生日で休場だったが、その間に米国株市場の下げが加速

4.祝日明け24日(木)は日経平均が続急落で1年3ヵ月ぶり安値、世界同時株安の様相

5.週末は先物を絡めた一気に買い戻され、日経平均は6日ぶりに急反騰

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比645円(2.38%)安の2万6476円と2週連続で下落した。

今週はロシアのウクライナ侵攻を巡り、株式市場は大きく振り回される展開を強いられた。日経平均は年初からの急落で一番底と見られた1月27日の安値を下に抜け、再び底値模索の動きとなったが、週末は買い戻しが入り大幅高に切り返した。

21日(月)はウクライナ情勢が緊迫化の度合いを強めているとの見方が広がるなか前週末の米株安を引き継ぎ、幅広い銘柄に売りが及んだ。ただ、日経平均は朝方に570円あまりの急落に見舞われたものの、米ロ首脳会談に関する報道を契機に先物主導で下げ渋る形となった。22日(火)は前日の米国株市場が休場だったが、欧米とロシアとの対立が深刻化するとの思惑で欧州株が全面安に。これを受け日経平均も大幅安。主力のハイテク値がさ株への売りが目立った。23日(水)は天皇誕生日の祝日で東京市場は休場だったが、その間に米国株市場が連日の急落に見舞われ、24日(木)は一段と市場心理が悪化した。日経平均は大きく下押し、フシ目の2万6000円台を割り込む展開に。ロシアがウクライナに軍事攻撃を開始したと伝わったことも下げを助長し1年3ヵ月ぶりの安値に沈んだ。日経平均は5営業日続落で、下げ幅はこの日の安値まで合計1700円近くに達した。そして25日(金)は満を持して6日ぶりに急反発。前日は世界同時株安の様相を呈すなか、ロシア株市場では主要株価指数が一時50%を超える記録的暴落をみせたが、米国株市場では朝安後に流れが変わり、後半にナスダック指数は急上昇した。東京市場でも先物を絡めた買い戻しが加速し、日経平均は500円を超える大幅高で今週の取引を終えた。

■来週のポイント

ロシアによるウクライナ侵攻が首都キエフに迫るなど本格化しているだけに、来週も底値を探る不安定な展開が続きそうだ。

重要イベントとしては、国内では28日朝に発表される1月鉱工業生産や3月2日朝に発表される10-12月期法人企業統計調査、4日朝に発表される1月の完全失業率と有効求人倍率が注目される。海外では1日に発表される中国2月製造業PMIと米国2月ISM製造業景況指数や3日に行われるパウエルFRB議長の上院銀行委員会での証言、4日発表の米国2月雇用統計に注視が必要だろう。

■日々の動き(2月21日~2月25日)

【↓】   2月21日(月)―― 3日続落、ウクライナ情勢の緊迫化で2万7000円割れ

日経平均 26910.87( -211.20)  売買高 9億3859万株 売買代金 2兆3068億円

【↓】   2月22日(火)―― 4日続落、欧米とロシアの対立深刻化で売り優勢

日経平均 26449.61( -461.26)  売買高11億3893万株 売買代金 2兆7093億円

【↓】   2月24日(木)―― 5日続落、ロシアのウクライナ侵攻で2万6000円割れ

日経平均 25970.82( -478.79)  売買高15億9412万株 売買代金 3兆6281億円

【↑】   2月25日(金)―― 6日ぶり反発、ハイテク株買い戻しで2万6000円台回復

日経平均 26476.50( +505.68)  売買高13億3899万株 売買代金 3兆1752億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、31業種が下落

(2)値下がり率トップはブリヂストン <5108> などゴム製品

(3)第一生命HD <8750> など保険、オリックス <8591> などその他金融、みずほFG <8411> など銀行といった金融株が売られた

(4)JAL <9201> など空運、JR東日本 <9020> など陸運は大幅安、商船三井 <9104> など海運も軟調

(5)JT <2914> など食品、菱地所 <8802> など不動産、大和ハウス <1925> など建設といった内需株は総じてさえない

(6)トヨタ <7203> など自動車、ダイキン <6367> など機械、日立 <6501> など電機といった輸出株も安い

(7)INPEX <1605> など鉱業は上昇

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)

1(1) メタバース

2(2) 半導体

3(18) 防衛 ── ウクライナ情勢の緊張度合い高まる

4(11) 海運

5(3) 総合商社

※カッコは前週の順位

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