話題株ピックアップ【夕刊】(2):日本製鉄、竹内製作所、任天堂

注目
2022年2月28日 15時17分

■日本製鉄 <5401>  2,108.5円  +69.5 円 (+3.4%)  本日終値

日本製鉄<5401>、ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>など大手をはじめ鉄鋼株への投資資金流入が顕著だ。主原料である鉄鉱石などの価格上昇のほか、エネルギー価格の値上がりで鉄鋼セクターもコスト高に見舞われているが、製品価格転嫁の動きがスムーズに進んでいることが株式市場ではポジティブ視されている。日本製鉄は前週22日にH形鋼の一般流通価格を2月契約分から1トン当たり3000円引き上げると発表、これは昨年11月に続く値上げであり、収益採算面でプラスに働くことを評価する買いが改めて流入している。また、PER3倍台、PBR0.6倍程度と株価指標面で超割安水準にあるほか、6.6%強の高配当利回りも魅力で配当取り狙いの買いも誘導している。

■竹内製作所 <6432>  2,565円  +66 円 (+2.6%)  本日終値

竹内製作所<6432>が反発。25日取引終了後に、米連結子会社が神戸製鋼所<5406>の関係会社である米コベルコ・コンストラクション・マシナリー社からサウスカロライナ州の建設機械工場を4月15日をメドに取得すると発表しており、これが好材料視された。竹内製作所は現在、クローラーローダーの全数を本社工場(長野県坂城町)で生産しているが、その9割以上を米国で販売していることから、米国生産を行うことでリードタイムを短縮し、より機動的な供給体制を構築することで、販売台数と市場シェアの拡大を図ることが目的。取得価額は3435万ドル(約39億5000万円)。竹内製作所では、同工場がフル稼働に至ると、クローラーローダーの生産能力は約4割増加する見込みで、将来的な追加投資により生産能力の更なる増強が可能としている。なお、22年2月期業績への影響は軽微としている。

■アルコニックス <3036>  1,402円  +35 円 (+2.6%)  本日終値

アルコニックス<3036>がしっかり。前週末25日の取引終了後、22年3月期の期末配当予想を24円から28円へ増額修正したことが好感された。年間配当は52円となり、前期実績に対しては10円の増配になる予定だ。

■ニップン <2001>  1,707円  +33 円 (+2.0%)  本日終値

ニップン<2001>が反発。前週末25日の取引終了後、22年3月期の期末配当予想を18円から20円に引き上げると発表したことが好感された。年間配当予想は38円(前期36円)となり、4期連続の増配となる予定だ。同時に発表した第3四半期累計(4~12月)連結決算は、売上高2417億7900万円(前年同期比12.0%増)、営業利益86億8600万円(同12.6%増)、純利益76億3400万円(同22.8%増)となった。冷凍食品類が家庭内での内食需要の高まりにより引き続き好調に推移したほか、業務用食品及び中食事業の需要が前年の低迷から想定以上に回復したことが牽引した。21年7月7日に発生したサイバー攻撃によるシステム障害に係る諸費用として特別損失を計上したものの、最終増益となった。なお、22年3月期通期業績予想は、売上高3200億円(前期比11.0%増)、営業利益111億円(同7.0%増)、純利益90億円(同4.2%増)の従来見通しを据え置いている。

■任天堂 <7974>  58,020円  +1,120 円 (+2.0%)  本日終値

任天堂<7974>が5日ぶりに反発。ポケモン公式YouTubeチャンネルで27日、「ポケットモンスター」シリーズの完全新作となる「ポケットモンスター スカーレット」「ポケットモンスター バイオレット」を22年冬、ニンテンドースイッチ向けに発売すると発表しており、これが好感された。

■洋缶HD <5901>  1,533円  +15 円 (+1.0%)  本日終値

東洋製罐グループホールディングス<5901>が7日ぶりに反発。午前10時5分、22年3月期の連結業績予想について、最終利益を290億円から390億円(前期比2.4倍)へ上方修正したことが好感された。同社は中期経営計画で21年度から25年度までに400億円規模の制作保有株式の売却を計画しているが、その一部として176億円の株式を売却したことに伴い、第4四半期に投資有価証券売却益155億円を特別利益として計上することが要因としている。なお、売上高8130億円(同8.6%増)、営業利益340億円(同27.5%増)は従来見通しを据え置いている。

■三井物産 <8031>  2,865.5円  -129 円 (-4.3%)  本日終値  東証1部 下落率8位

三井物産<8031>が大幅安。ロシアによるウクライナ侵攻を巡り、欧米が国際銀行間通信協会(SWIFT)からロシアの一部銀行の排除を表明するなど、各国による対ロシア制裁の動きが強まっている。こうしたなか、三井物はロシア国営ガス大手ガスプロムが主導するLNG(液化天然ガス)プロジェクト「サハリン2」に出資しており、今後の更なる経済制裁強化によって事業運営に悪影響が出るとの警戒感が高まっているようだ。同じく、同プロジェクトに出資する三菱商事<8058>も下落している。

■JT <2914>  2,120円  -79.5 円 (-3.6%)  本日終値

JT<2914>の下げが目立つ。前週末は6営業日ぶりに反発したもののわずかな上昇にとどまり、ここ急速に下落基調にある。同社はM&Aで海外たばこ事業を拡大中だが、ロシアとの結び付きが強く市場ではロシア関連の象徴株の1社とみなされている。最近のウクライナ情勢の緊迫化は同社のビジネス環境にネガティブな思惑を与えている。特に、ロシアの通貨ルーブルの急落に伴う為替デメリットが警戒されている。ただ、株価は2月中旬からきょうの安値までの10営業日で10%あまり水準を切り下げており、目先値ごろ感からの押し目買いも誘っている。

■近鉄GHD <9041>  3,455円  -15 円 (-0.4%)  本日終値

近鉄グループホールディングス<9041>が反落。25日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を7160億円から6920億円へ、営業損益を30億円の黒字から50億円の赤字へ下方修正したことが嫌気された。今年1月以降のオミクロン株による新型コロナウイルス感染症の急拡大により、鉄軌道部門で旅客収入が想定を下回っているほか、流通業で来店客数が減少し、ホテル部門でも稼働率が低下していることなどが要因としている。なお、近鉄エクスプレス<9375>の業績が堅調に推移し、持ち分法による投資利益の増加が見込まれることから、最終利益は340億円の従来見通しを据え置いている。同時に、未定としていた期末配当予想を25円にすると発表した。年間配当は25円となり、2期ぶりの復配となる予定だ。

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