話題株ピックアップ【夕刊】(3):トヨタ、サイバー防衛関連、クロスキャト

注目
2022年3月1日 15時22分

■三菱UFJ <8306>  700.8円  -12 円 (-1.7%)  本日終値

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が軟調。ロシアに対する金融制裁の動きを受け、市場では同国向け投資の不良債権化リスクも意識され始めている。メガバンク各社の株価は、世界的な金利上昇思惑を背景としたバリュー株優位の地合いで2月中旬まで上昇傾向を強めていたが、ウクライナ情勢の悪化を背景にここ急速に勢いを失っている。そのなか、三菱UFJはメガバンクの中では相対的に下値抵抗力を発揮しているが、既に25日移動平均線を下回っている状況にある。

■トヨタ自動車 <7203>  2,133円  -5.5 円 (-0.3%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>は全般相場がリスクオンに傾くなか、やや売りに押される展開。同社は前日取引終了後、3月1日に国内14工場の稼働を全面的に停止することを発表した。同社が生産する自動車の部品を製造するサプライヤーがサイバー攻撃を受け、同社のシステムにも影響が出たことによる。あす以降、通常稼働に戻せるかは現時点では判明していない。部品を必要最小限にとどめることが可能な「かんばん方式」と呼ばれる生産管理システムが同社の強みだが、非常に多くのサプライヤーが同システムに連携していることで、セキュリティーレベルの脆弱な会社がサイバー攻撃を受けた際に影響が全体に波及しやすいリスクもある。なお、グループ会社の日野自動車<7205>やダイハツ工業も同日に国内工場の稼働を止めることを発表している。

■網屋 <4258>  1,342円  +300 円 (+28.8%) ストップ高   本日終値

網屋<4258>が急反騰。トヨタ自動車<7203>が取引先へのサイバー攻撃とみられるトラブルにより、国内全工場のきょうの操業を停止したことを受けて、サイバーセキュリティー関連への関心が高まっているが、コンピューターサーバーの操作ログを記録する「ALog」を展開する同社もその一環として物色されているもよう。また、2月28日には、「ALog」の新バージョンであるV8.5.0をリリースしたと発表しており、これも好材料視されたようだ。

■セキュアヴェイル <3042>  392円  +80 円 (+25.6%) ストップ高   本日終値

セキュアヴェイル<3042>が前日に続く大幅高で5連騰と上げ足に弾みがついているほか、FFRIセキュリティ<3692>も4連騰で75日移動平均線越えを果たし、このほかソリトンシステムズ<3040>、No.1<3562>、テリロジー<3356>、ラック<3857>、イー・ガーディアン<6050>、セグエグループ<3968>などサイバーセキュリティー関連株が軒並み上げ足を強めている。トヨタ自動車<7203>が前日取引終了後に部品調達先であるグループ会社がサイバー攻撃を受けたことに関連し、国内工場を全面的に停止することを発表した。日野自動車<7205>など傘下企業も併せて工場を停止する事態となっている。これを受けて、改めて製造現場におけるサイバーセキュリティーの重要性が認識される状況となり、関連銘柄に物色の矛先が向いている。

■ギフティ <4449>  996円  +150 円 (+17.7%) ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率2位

ギフティ<4449>が大幅に3日続伸。同社は2月28日、マレーシアの現地法人が同国ジュエリー専門チェーン「ラゾ ダイアモンド」に、eギフト販売システム「eGift System」を提供したことを明らかにしており、これが材料視されたようだ。同社は成長戦略の一環として海外におけるビジネスモデルの地理的な横展開を進めており、2018年10月にギフティ マレーシアを設立し、ASEANでのeギフトサービスの展開を開始。21年7月にはベトナムで、ギフティ マレーシアが現地企業と合弁会社を設立し本格営業を開始している。

■ホウスイ <1352>  1,030円  +150 円 (+17.1%) ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率3位

ホウスイ<1352>はストップ高。2月28日の取引終了後、中央魚類<8030>が同社に対して完全子会社化を目的にTOBを実施すると発表。TOB価格を1株1220円としており、これにサヤ寄せする格好となった。中央魚は、ホウスイとの連携強化を図ることで水産物流機能をより強固にしたい考え。買い付け予定数は375万5621株(下限96万4400株、上限設定なし)で、買い付け期間は3月1日から4月12日まで。なおTOB成立後、ホウスイは所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は2月28日付で監理銘柄(確認中)に指定している。

■クロスキャット <2307>  2,194円  +276 円 (+14.4%)  本日終値  東証1部 上昇率4位

クロスキャット<2307>の上げ足鮮烈。一時10%を超える急騰で4連騰となり初の2000円大台を突破、連日で上場来高値更新となった。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資需要を背景に金融機関を中心としたシステム受託開発案件が高水準となっているほか、行政のデジタル化推進に関連する官庁向け需要も獲得し業績は絶好調に推移している。前日取引終了後には、データベースの専門家集団であるインサイトテクノロジー(東京都渋谷区)と協業を開始することを発表、クロスキャットが強みとするDX推進フレームワークと、インサイト社のデータ統合ソリューションを組み合わせたデータ活用基盤の提供が可能になることで、顧客需要の更なる獲得に期待が高まった。

■アスカネット <2438>  1,435円  +169 円 (+13.4%)  本日終値

アスカネット<2438>が急伸。今朝のテレビ東京系情報番組「ニュースモーニングサテライト」の地域の奮闘する企業を取り上げる「輝く!ニッポンのキラ星」コーナーで、同社が取り上げられたことが好材料視された。新型コロナウイルスの感染拡大でモノに触れることへの意識が変わるなか、同社の非接触の技術である空中ディスプレーに注目が集まっていると紹介した。

■ブティックス <9272>  2,335円  +269 円 (+13.0%)  本日終値

ブティックス<9272>が急伸。2月28日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を20万株(発行済み株数の3.96%)、または3億円としており、取得期間は3月1日から12月31日まで。株主還元の一環として、また経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能にするためとしている。

■coly <4175>  2,173円  +213 円 (+10.9%)  本日終値

coly<4175>が3連騰。2月28日の取引終了後、オリジナルIPのVRゲームを中心に開発・提供を行うMyDearest(東京都中央区)が実施する第三者割当増資を引き受け、投資を実行したと発表しており、これが好感された。MyDearestは、「東京クロノス」「ALTDEUS:Beyond Chronos」などのVRゲームを手掛ける企業。今回の投資によりコリーは、MyDearestとの情報交換や連携によるVRゲームの開発、メタバースを見据えた事業シナジーを図るとしている。なお、23年1月期業績への影響は軽微としている。

●ストップ高銘柄

BBSec <4398>  1,530円  +300 円 (+24.4%) ストップ高   本日終値

サイバーセキ <4493>  2,133円  +400 円 (+23.1%) ストップ高   本日終値

ニューラルポケット <4056>  1,670円  +300 円 (+21.9%) ストップ高   本日終値

サーキュレーション <7379>  3,095円  +504 円 (+19.5%) ストップ高   本日終値

HENNGE <4475>  990円  +150 円 (+17.9%) ストップ高   本日終値

など、12銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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