話題株ピックアップ【夕刊】(1):三菱重、リコー、郵船
■三菱重工業 <7011> 3,648円 +160 円 (+4.6%) 本日終値 東証1部 上昇率7位
三菱重工業<7011>が3日ぶりに反発し昨年来高値を更新した。SMBC日興証券が3日付で、投資評価を「2」から「1」とし、目標株価を3900円から5600円へ引き上げたことが好材料視された。同証券では、収益源であるAS(アフターサービス)について、特にGTCC(ガスタービンコンバインドサイクル)事業での成長が続いていると評価。23年3月期は底堅いASが利益を下支えすることに加え、IGCC(石炭ガス化複合発電)事業における追加費用の減少で250億円程度の増益要因が見込まれるという。また、民間航空機事業でB787の出荷機数の回復、民間エンジンについては北米を中心とした国内線を主体に市況回復基調が続き、航空関連事業全体で同200億円程度の増益を見込むとしている。
■リコー <7752> 1,019円 +39 円 (+4.0%) 本日終値
リコー<7752>が大幅続伸。3日に開催された会社説明会で、デジタルサービスの売上比率を26年3月期に60%超(22年3月期見込み39%)に引き上げる目標を示したことが好材料視された。デジタル人材の育成・獲得を進めるほか、180のシステムのクラウド移行を含む約7割の基幹システムの刷新、リコー式ジョブ型人事制度導入による社員の自律化の促進などを図るという。
■小松マテーレ <3580> 1,353円 +47 円 (+3.6%) 本日終値
小松マテーレ<3580>が反発。3日の取引終了後、昨年10月29日に発表した215万株(発行済み株数の5.1%)を上限とする自社株買いについて、取得価額の上限を25億円から30億円に引き上げたことが好材料視された。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するためとしており、取得期間は6月30日までを据え置いている。なお、この自社株買いに基づき3月2日までに116万1200株を13億9585万6900円で取得している。
■日本郵船 <9101> 11,900円 +170 円 (+1.5%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>など海運株は売り買い交錯も強調展開が続いている。郵船はきょうで7連騰となり、連日の昨年来高値更新となっている。ロシアのウクライナ侵攻でコモディティ価格の騰勢に拍車がかかっており、グローバル物流を担う海運市況の上昇にもつながるとの見方が投資資金を呼び込んでいる。配当利回りが際立って高く、3月期末を前にインカムゲインを狙った買いも株高を後押ししている。一部ではAIアルゴリズム取引による買いも影響しているとの見方も出ている。
■松田産業 <7456> 2,548円 +35 円 (+1.4%) 本日終値
松田産業<7456>が高い。電子デバイスのスクラップから貴金属を回収する貴金属リサイクルビジネスを主要業務としており、ここ金市況をはじめ非鉄市況の上昇が顕著となっていることで、同社の収益機会の拡大につながるとの思惑が買いを誘っている。業績はここ数期にわたって絶好調といってよく、営業利益は20年3月期の26%増益に続き、21年3月期は29%増益、更に22年3月期は52%増益の122億円を予想するなど急拡大が続く見通し。PER7倍台と指標面でも割安感が強く、水準訂正高を見込んだ投資資金の流入を誘っている。
■ハイデイ日高 <7611> 1,787円 +19 円 (+1.1%) 本日終値
ハイデイ日高<7611>が3日ぶりに反発。3日の取引終了後に発表した2月度の売上高速報で、既存店売上高は前年同月比10.2%増となり、3カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客単価は横ばいだったものの、客数が同10.2%増となったことが牽引した。なお、全店売上高は同12.3%増だった。
■日野自動車 <7205> 895円 -155 円 (-14.8%) 本日終値 東証1部 下落率トップ
日野自動車<7205>は急落し一気に昨年来安値を更新した。複数のメディアで、日野自がエンジンの排出ガスなどの数値について国に不正なデータを提出していたことが判明したと報じられており、これを嫌気した売りが向かったようだ。きょう夕方に同社が緊急記者会見を行う見通しにあることも伝わっている。
■レーザーテック <6920> 19,360円 -1,215 円 (-5.9%) 本日終値
レーザーテック<6920>、東京エレクトロン<8035>など半導体製造装置関連の主力銘柄に売りが先行している。ウクライナ情勢は混沌としており、直近行われたロシアとウクライナの停戦交渉でも大きな進展は見られず、前日の株式市場でも不安定な動きを強いられた。ハイテクセクターへの売り圧力が強く、半導体関連も軒並み軟調でフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は反落した。同指数は1月下旬を境に底入れ反転に転じたものの、今のところ戻りは限定的で25日移動平均線に上値を押さえられた状態が続いている。東京市場でも半導体関連株の戻り足は鈍い。特に同関連の主力株であるレーザーテックは高PERが嫌気され、年初から一貫した下落トレンドとなっている。
■ワールド <3612> 1,198円 -46 円 (-3.7%) 本日終値
ワールド<3612>は3日続落。同社は3日取引終了後、グループのファッション・コ・ラボが提供する店舗・EC統合型の物流構築・運営ソリューション、及びファッション・コ・ラボと日本ユニシス<8056>が協業で提供するEC基盤「Omni-Base for DIGITAL’ATELIER(オムニベース・フォー・デジタラトリエ)」がユナイテッドアローズ<7606>の新たなECシステムに採用されたと発表した。在庫分散による機会ロスや顧客への配送リードタイムの長期化といった課題解決などに対応する。あわせて発表した国内ベースの2月の既存店売上高は前年同月比15.1%減となり、4カ月ぶりに下回った。全店では同24.7%減だった。マーケット全体の地合いが悪化するなか、この材料に対する買いの反応は限定的となった。
■ロック・フィールド <2910> 1,504円 -51 円 (-3.3%) 本日終値
ロック・フィールド<2910>は反落。3日の取引終了後、22年4月期の連結業績予想について、売上高を456億6700万円から465億5600万円(前期比6.4%増)へ、営業利益を14億6300万円から18億2700万円(同64.9%増)へ、純利益を10億円から12億3500万円(同6.0%増)へ上方修正したが目先の材料出尽くし感から売られたようだ。新型コロナウイルス感染症の第5波の収束に伴い都心の百貨店を中心に来店客数が回復し、特に最盛期であるクリスマス・年末年始の売り上げが堅調に推移したことが牽引する。また、システムを活用した商品廃棄ロスの低減やスタッフの適正配置など、店舗での生産性向上の取り組みも寄与する。同時に発表した第3四半期累計(21年5月~22年1月)決算は、売上高359億7900万円(前年同期比9.2%増)、営業利益20億1500万円(同2.2倍)、純利益13億7100万円(同53.3%増)だった。
株探ニュース