話題株ピックアップ【夕刊】(2):トヨタ、太陽光発電関連、日本製鉄

注目
2022年3月9日 15時17分

■トヨタ自動車 <7203>  1,845.5円  +34.5 円 (+1.9%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>、SUBARU<7270>など自動車株が買い戻される展開。ウクライナ情勢が混迷の度合いを高めるなか、世界経済が失速する可能性があり自動車販売への影響も警戒されているが、目先的には大幅な株価調整で値ごろ感が生じている。悪材料が目立つなかも、週明けから外国為替市場で円安基調が強まっていることは、輸出採算向上につながる材料としてポジティブに働いている。各社ともにPERやPBR、配当利回りなどバリュー株の側面から時価近辺は下値リスクが限定的とみた買いを誘導している。

■パイロット <7846>  4,840円  +85 円 (+1.8%)  本日終値

パイロットコーポレーション<7846>は反発。きょうの寄り付き前に中期経営計画を発表しており、配当性向30%以上を目指す方針としたことから、株主還元への姿勢を評価した買いが入ったようだ。同社はボールペンを主力とする筆記具最大手で、資本業務提携など事業拡大に向けた更なる機能強化により24年12月期に連結売上高1180億円(21年12月期1030億5700万円)を目指すとしている。

■ウエストHD <1407>  4,575円  +55 円 (+1.2%)  本日終値

ウエストホールディングス<1407>、Abalance<3856>、テスホールディングス<5074>、フィット<1436>など太陽光発電関連の一角が軒並み高となった。原油高騰が続くなか、再生可能エネルギーの普及促進が見込まれるとの思惑に加え、市場では「オリックス<8591>が稼働済みの太陽光発電所の価値査定事業に参入するとの報道が関連株を刺激したようだ。いずれも底値圏から戻り足に転じており、チャート的にも追随買いが入りやすい」(中堅証券ストラテジスト)としている。

■ツルハホールディングス <3391>  9,270円  +90 円 (+1.0%)  本日終値

ツルハホールディングス<3391>が反発。8日の取引終了後、三井住友フィナンシャルグループ<8316>の提供するBank Payを中心としたキャッシュレス決済サービスの導入を決定したと発表しており、利便性向上による業績への貢献を期待した買いが入ったようだ。ツルハグループでは、グループ各社のポイントカードのデジタル会員証を搭載した各社公式アプリを19年11月にリリースし、現在までに累計570万ダウンロードの利用があるが、今回、独自の決済サービスを搭載することにより、グループアプリの「会員証コード」を提示することで、簡単かつスピーディーに支払いが行える決済サービスを目指すという。なお、サービス開始は22年度冬を目指している。

■長瀬産業 <8012>  1,666円  +14 円 (+0.9%)  本日終値

長瀬産業<8012>は4日ぶり反発。同社はきょう正午ごろ、動物由来成分で、有機溶媒のDMSO(ジメチルスルホキシド)を含まない細胞凍結保存液「NAGASE`s Cryopreservation Solution-1(ナガセ・クライオプリザベーション・ソリューション1」を開発したと発表した。9~11日に開催される「第8回再生医療EXPO大阪」にサンプルを参考出展し、4月から販売を開始する予定。同社が開発・処方検討を行い、国内で生産を行う。発売後は主に国内外の再生医療研究機関、クリニック、製薬メーカーの研究機関向けに展開するとした。

■日本製鉄 <5401>  1,988.5円  +16 円 (+0.8%)  本日終値

日本製鉄<5401>が4日ぶりに反発。きょう付の日本経済新聞朝刊で「自動車部品や産業機械などに使う特殊鋼棒鋼・線材の販売価格について、7月から1トン1万5千円以上引き上げる方針を決めた」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、鉄鉱石や原料炭に加えて、エネルギーの価格などの上昇を製品価格に転嫁するという。また、同報道を受けてジェイ エフ イー ホールディングス<5411>なども高い。

■日本郵政 <6178>  893.3円  +3.9 円 (+0.4%)  本日終値

日本郵政<6178>が7日ぶりに反発。8日の取引終了後に発表した自社株の取得状況が順調なことが好材料視されたようだ。同社は昨年10月6日に、上限を1億3300万株(発行済み株数の3.53%)、または1000億円とする自社株買いを発表したが、2月28日時点で8941万4200株を811億2657万円で取得したという。なお、取得期間は今年4月28日まで。

■大阪有機化学工業 <4187>  2,554円  +9 円 (+0.4%)  本日終値

大阪有機化学工業<4187>が堅調。同社は8日取引終了後、金沢工場(石川県白山市)において、半導体関連材料の新規研究・試作設備を増設することを決めたと発表した。設備投資額は約30億円で、23年5月の操業開始を予定。同社の電子材料事業はフォトレジスト市場の成長に伴い、適切なタイミングで設備投資を実行してきたことで順調に拡大しており、引き続き需要増加が見込まれる同分野の新規材料の研究開発を推進するため、新規投資を行うとした。

■三井化学 <4183>  2,651円  +4 円 (+0.2%)  本日終値

三井化学<4183>がしっかり。同社は8日、2月21日付で核酸API(原薬)の液相合成技術を保有するスタートアップ企業のナティアス(神戸市中央区)に出資し、業務提携を推進することで合意したと発表。今回の出資により、核酸APIを高品質かつ大量に製造可能とするナティアスの液相合成技術、独自の核酸中間体Blockmerと、三井化学が得意とする酵素技術、精密有機合成技術を最大限に活用し、早期に核酸原料・中間体製造事業及び核酸医薬CDMO事業を立ち上げるという。

■東京エレクトロン <8035>  51,740円  +10 円 (+0.0%)  本日終値

東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>などの半導体製造装置関連が高い。前日の米国株市場では主要株価指数が軟調ななかも半導体製造装置最大手のアプライド・マテリアルズ<AMAT>が4%高に買われたほか、エヌビディア<NVDA>やマイクロンテクノロジー<MU>なども堅調な値動きをみせ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も上昇した。これを受けて、東京市場でも半導体の主力株を買い戻す動きにつながった。

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