株価指数先物【寄り前コメント】 2万5000円水準での底堅さを見極め、3月期末意識からNTショートによるスプレッド狙いの動き

市況
2022年3月11日 8時04分

大阪6月限ナイトセッション

日経225先物 25060 -440 (-1.72%)

TOPIX先物 1781.5 -32.0 (-1.76%)

シカゴ日経平均先物 25060 -440

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

10日の米国市場はNYダウ S&P500ナスダックなど主要な株価指数が下落。トルコで開催されたロシアとウクライナの外相会談で即時停戦に向けて進展はなく、センチメントを冷やす結果となった。また、2月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る上昇だったため、インフレ警戒が改めて強まり、ハイテク株を中心に幅広い銘柄が売られた。S&P500業種別指数はエネルギー、小売、食品・生活必需品小売が上昇する一方で、テクノロジー・ハード・機器、家庭用品・パーソナル用品、半導体・同製造装置が下落。

シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、日中大阪比440円安の2万5060円で取引を終えた。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比20円安の2万5480円で始まり、開始直後につけた2万5500円を高値に調整が強まり、取引終盤にかけて一時2万4960円まで売られ、2万5060円 で取引を終えた。

日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まりそうだ。メジャーSQに絡んだ商いは売り越しとなろうが、前日の大幅上昇の反動も考慮した場合、2万5000円水準で清算値が決まることになりそうだ。チャート上では前日の上昇で上値抵抗線として意識されている5日移動平均線を突破し、ナイトセッションでは同線を支持線とする格好で下げ止まっている。ひとまず5日線が支持線として機能するかが注目されるところであり、SQ通過後の底堅さを見極めたい。

ただし、SQ通過で需給が軽くなるため、仕掛け的な動きは入りやすくなる。チェルノブイリ原発の電力供給が再開されたと報じられた一方で、同原発との連絡が途絶えたとの報道も伝えられるなか、引き続きウクライナ情勢に関連した報道に対してはアルゴリズムのトレードが発動しやすい点には注意する必要がありそうだ。

なお、VIX指数は30.23に低下した。これまでの下値切り上げのトレンドを割り込みつつあるため、リスク回避姿勢はそれほど強まらないと見られる。また、米国の2月のCPIは予想を上回る上昇とはなったが、来週開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利上げに対する見方は変わらないだろう。

ハイテク株の弱い値動きが上値の重荷となりそうだが、2万5000円水準での底堅さが意識される局面では押し目狙いのロングスタンス。また、3月期末に向けた配当志向の物色に向かいやすいと考えられ、NTショートによるスプレッド狙いの動きも入りやすいと見ておきたい。

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