話題株ピックアップ【夕刊】(2):菱洋エレク、くら寿司、サイバー防衛関連

注目
2022年3月11日 15時17分

■菱洋エレクトロ <8068>  1,908円  -197 円 (-9.4%)  本日終値  東証1部 下落率3位

菱洋エレクトロ<8068>は大幅反落となり、昨年来安値を更新。同社は10日取引終了後、23年1月期連結業績予想について、売上高1000億円(前期比10.8%減)、営業利益23億円(同1.9%増)、純利益15億3000万円(同18.3%減)、年間配当予想100円(前期は120円)と開示したが、減配の見通しが嫌気されたようだ。22年1月期の連結営業利益は22億5800万円(前の期比78.2%増)だった。前期は新型コロナウイルス感染症による影響からの回復が幅広い分野でみられたほか、デジタル家電向け半導体ビジネスの拡大、半導体供給不足下における旺盛な需要の下支えなどがあった。今期は新型コロナの感染再拡大や、昨年来の半導体をはじめとする電子部品の供給不足、原材料価格高騰などによるサプライチェーン混乱の長期化といった懸念が残っており、注視が必要な状況とした。

■くら寿司 <2695>  3,070円  -285 円 (-8.5%)  本日終値  東証1部 下落率9位

くら寿司<2695>が7日続落。ロシアによるウクライナ侵攻により欧米や日本などがロシアに対する経済制裁を強めるなか、ロシア産魚介類の輸入に対する懸念が強まっていることに加えて、欧州に対するロシアの飛行禁止措置などによって物流網の混乱が生じ、調達に支障が出るとの不安から売られたようだ。また、同社同様に回転寿司チェーンを展開するFOOD & LIFE COMPANIES<3563>や銚子丸<3075>なども売りが優勢となっている。

■ソフトバンクグループ <9984>  4,483円  -297 円 (-6.2%)  本日終値

ソフトバンクグループ<9984>が3日ぶり反落。5000円台を割り込んだ水準では自社株買いへの期待を背景に、個人投資家の信用取引を使った買いが観測されていたが、SQ通過後に上値の重さを嫌気した売りが目立つ。また、同社が出資する中国電子商取引最大手のアリババ集団<BABA>が前日の米国株市場で8%の急落をみせた。これは、米証券取引委員会(SEC)が、昨年成立した法律に伴う新たな規制を順守していないADR銘柄に対し、リストを公表するなど圧力を強めており、場合によっては上場廃止となるリスクもある。中国企業がそのリストに挙げられており、アリババはその連想で株価を大きく下げた。これがソフトバンクGにとってもネガティブ材料となっている。

■トヨタ自動車 <7203>  1,860.5円  -85 円 (-4.4%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>は3日ぶり反落。前日は全体相場が先物主導で急騰するなか、インデックス買いを交え5.4%高と大きく上値を伸ばし5日移動平均線を上回ったが、きょうはメジャーSQ算出に絡む売りと目先筋の利益確定売りに再び下値を探る展開となっている。米長期金利の上昇を背景にドル・円相場ではドルが買われる動きとなっており、足もと1ドル=116円台前半の推移と円安に振れていることは、輸出採算向上への期待から株価にはプラス材料となる。しかし、ウクライナ情勢が混迷を極めるなか、上値を買い進む動きは限定的だ。直近では、9日から10日にかけてサイバー攻撃の余波で再び2工場の生産ラインを停止したことが明らかとなり、これに伴う収益面への影響も警戒されている。

■スギホールディングス <7649>  6,230円  -270 円 (-4.2%)  本日終値

スギホールディングス<7649>が大幅反落し昨年来安値を更新。10日の取引終了後に発表した2月度の月次速報で、既存店売上高が前年同月比4.5%減と3カ月連続で前年実績を下回ったことが嫌気された。客数、客単価ともに前年割れとなった。

■パンパシHD <7532>  1,791円  -19 円 (-1.1%)  本日終値

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>が反落。10日の取引終了後に発表した2月度の月別販売高状況(速報)で、既存店売上高が前年同月比1.0%減と3カ月ぶりに前年実績を下回ったことが嫌気された。新型コロナウイルスのオミクロン株が急激に感染拡大したことで売り上げが失速した。中旬以降は改善に向かったものの、前半のビハインドを巻き返すには至らなかった。

■ダスキン <4665>  2,766円  -8 円 (-0.3%)  本日終値

ダスキン<4665>は全体相場の地合い悪のなか底堅い動き。同社は10日取引終了後、不動産管理会社向けの原状回復クラウドサービスを開発・運営するREMODELA(大阪市北区)に出資し、株式の一部を取得したと発表した。REMODELAは賃貸不動産の原状回復工事における受発注業務をオンライン化する 「REMODELA(リモデラ)」を運営しており、20年2月の運用開始以降、関西圏・首都圏において不動産会社などから300社超のユーザー登録を受けている。ダスキンでは今回の出資により、既存事業である清掃・衛生関連サービスの提供・協業を視野に入れるほか、将来的なシナジーが発揮できる領域において新たな価値創造を目指すとした。

■レッド <3350>  61円  +11 円 (+22.0%)  本日終値

レッド・プラネット・ジャパン<3350>が続伸。午後0時50分ごろ、「レッドプラネット名古屋錦」及び「レッドプラネット札幌すすきの中央」の閉館に伴うリース契約の解約について貸主からリース契約の解約通知を受領したと発表。これに伴い22年12月期第1四半期にリース債務の消滅などに伴う特別利益22億7000万円を計上する予定としたことが好材料視されたようだ。

■Gセキュリ <4417>  4,395円  +700 円 (+18.9%) ストップ高   本日終値

グローバルセキュリティエキスパート<4417>がストップ高に買われたほか、GRCS<9250>、サイバーセキュリティクラウド<4493>などが後場に入り動意。ウクライナ情勢緊迫化を背景に世界的にサイバー攻撃リスクが高まりをみせており、直近ではトヨタ自動車<7203>が部品調達先のサイバー攻撃被害により工場停止に追い込まれたことが大きな話題を集めた。こうしたなか東映アニメーション<4816>はこの日、ネットワークへの不正アクセスによるシステム障害発生に伴い、同社製作のテレビアニメ「ONE PIECE」など4作品の放映スケジュールに影響が及ぶことが判明したと発表。これを受けて、株式市場ではサイバーセキュリティー関連株の一角に再度物色の矛先が向かう展開となった。

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