話題株ピックアップ【昼刊】:大平金、ユーグレナ、トヨタ

注目
2022年3月24日 11時39分

■大平洋金属 <5541>  4,200円  +345 円 (+9.0%)  11:30現在  東証1部 上昇率4位

大平洋金属<5541>は全体下げ相場に抗し大幅高で6連騰。5日移動平均線からマドを開けて上放れ昨年来高値を更新した。日本製鉄系の合金大手でフェロニッケル製錬では世界トップクラスに位置する。LMEニッケル価格は3月上旬に、売り方による損失覚悟の大規模な買い戻し(ショートスクイーズ)により、1営業日で2倍以上に値上がりするパニック的な状況に陥ったが、現在は行き過ぎた価格形成が是正され落ち着きを取り戻している。しかし、実需は旺盛で先行き市況高が見込まれる状況に変わりはない。ニッケルは電気自動車(EV)用電池材料に使用され、世界的なEVシフトに合わせて需要は増勢基調にある。また、太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用した電力を蓄える蓄電池用でも使われることから、今後は中期的に需給が更にタイト化する可能性がある。大平金はこのニッケル価格との収益連動性が高いが、同社の22年3月期最終利益は前期比7.3倍の84億5500万円と急拡大見通しにある。また、23年3月期も伸び率こそ鈍化するものの増益基調は維持されるとの見方が強まっており、足もとで一段の上値を期待した買いを引き寄せている。

■ユーグレナ <2931>  806円  +37 円 (+4.8%)  11:30現在  東証1部 上昇率10位

ユーグレナ<2931>が続急伸。23日の取引終了後、商船三井ロジスティクス(東京都千代田区)がユーグレナの次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を用いたトラックの運行を開始すると発表しており、これが好材料視されている。サステオを導入するのは商船三井ロジスティクスのグループ会社であるハーモニートランスポート。関東地方1都6県で運行する輸出入航空・海上貨物の国内集荷・配送用トラックに使用するという。ここのところサステオの導入に関する発表が続いており、今後の広がりに期待が高まっているようだ。同日、微細藻類ユーグレナに含まれる特有成分パラミロンが、ユーグレナの免疫調節機能の主成分であることを確認したことも明らかにしている。

■トヨタ自動車 <7203>  2,187円  +50 円 (+2.3%)  11:30現在

トヨタ自動車<7203>は3日続伸。同社は23日取引終了後、8000万株(発行済み株式総数に対する割合0.58%)もしくは1000億円を上限とする自己株式の取得枠を設定すると発表した。取得期間は3月24日~5月10日。足もとの株価水準などを勘案し、これまで以上に機動的に実施することで、資本効率向上を図るためとした。

■INPEX <1605>  1,494円  +32 円 (+2.2%)  11:30現在

INPEX<1605>が5日続伸。株価は18年1月以来、4年2カ月ぶりとなる1500円台に乗せた。23日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の5月限が前日比5.66ドル(5.2%)高の1バレル=114.93ドルと急伸。カザフスタンとロシアをつなぐパイプライン経由の輸出が停止されたとの報道を受け、原油需給が一段と引き締まることが警戒された。この原油高が好感されINPEXに加え、石油資源開発<1662>など石油関連株には買いが先行している。

■イオン九州 <2653>  2,151円  +40 円 (+1.9%)  11:30現在

イオン九州<2653>は反発。同社は23日取引終了後、集計中の22年2月期の単独業績予想について、売上高を4800億円から4811億円(前期比38.2%増)へ、営業利益を34億円から56億円(同78.4%増)へ、純利益を15億円から26億円(同30.9%増)へ上方修正すると発表した。売上構成比の高い食品が好調に推移したことに加え、本社のスリム化や店舗後方業務の見直しなど生産性改善の効果が出た。また、期末に5年の記念配当を実施することで、年間配当予想も15円から20円(前期は普通配当10円と記念配当5円で合計15円)へ上方修正することも発表した。

■ヤマハ発動機 <7272>  2,651円  +35 円 (+1.3%)  11:30現在

ヤマハ発動機<7272>が高い。同社は23日取引終了後、株主還元と資本効率の向上を図るため、1100万株(発行済み株式総数に対する割合3.18%)もしくは200億円を上限とする自己株式の取得枠を設定すると発表した。取得期間は4月1日~6月23日。

■しまむら <8227>  10,960円  +120 円 (+1.1%)  11:30現在

しまむら<8227>が続伸している。24日の取引終了後に発表した3月度(2月21日~3月20日)の月次売上速報で、既存店売上高が前年同月比2.9%増と5カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されている。月度前半は全国的な冷え込みで春物の売れ行きが鈍くなったものの、月度後半は気温の上昇によりアウター衣料の春・初夏物が売り上げを伸ばしたほか、春の新生活需要により婦人・紳士のビジネス関連商品や肌着・靴下が好調に推移した。また、オケージョン需要の回復で、子供の入園・入学用品や婦人の入卒関連のスーツとアクセサリーの売り上げも前年実績を上回った。なお、全店売上高は同2.5%増だった。

■JR九州 <9142>  2,646円  +25 円 (+1.0%)  11:30現在

JR九州<9142>が続伸している。23日の取引終了後、25年3月期に営業収益4400億円(今期計画比32.2%増)、営業利益570億円(同21.1倍)を目指す中期経営計画を発表しており、これを好感する買いが入っている。主力の運輸サービス分野は鉄道運輸収入の回復と事業構造改革の完遂による業績改善を目指す。また、不動産・ホテル分野では既存施設の収益力向上と新長崎駅ビルなどの開業を通じて収益が拡大する計画だ。このほか、株主還元は配当下限(1株あたり93円)を設け、連結配当性向35%を目安に配当を行うほか、状況に応じて自社株買いを実施する方針としている。

■インソース <6200>  2,239円  +7 円 (+0.3%)  11:30現在

インソース<6200>が続伸している。23日の取引終了後、子会社のインソースマーケティングデザインと共同で、採用サイト制作サービス「採用アクセル」の販売を開始したと発表しており、これを好感する買いが入っている。「採用アクセル」は、自社が求める人材に選ばれるための採用サイトを制作するサービス。求職者が求める情報を抜け漏れなく掲載し、Webサイト制作を導入しやすいリーズナブルな価格でパッケージ化したという。提供価格はWebサイト制作費用を22万円、月額保守費用を9800円(いずれも税込み)に設定している。

■KNTCT <9726>  1,552円  -54 円 (-3.4%)  11:30現在

KNT-CTホールディングス<9726>は続落。同社は23日取引終了後、22年3月期連結業績予想について、売上高を1500億円から1400億円(前期比59.3%増)へ下方修正する一方で、営業損益を140億円の赤字から110億円の赤字(前期は270億8200万円の赤字)へ、純損益を130億円の赤字から95億円の赤字(同284億5600万円の赤字)へ上方修正すると発表した。赤字継続の見通しとなっており、これが嫌気されているようだ。まん延防止等重点措置が全国各地で再適用されたため、売上高は当初の予想に届かない見込みとなった。利益面では、新型コロナウイルスのPCR検査やワクチン接種の受付業務などの取り扱い増加により売上総利益率が改善したことに加え、人件費、事務所賃借料をはじめとする販管費全般の削減を徹底したこと、営業外収益で雇用調整助成金など助成金収入が増加したことにより、損失が改善される見込みになったとしている。

■久光製薬 <4530>  3,775円  -130 円 (-3.3%)  11:30現在

久光製薬<4530>は反落。同社は23日取引終了後、集計中の22年2月期連結業績予想について、売上高を1229億円から1200億円(前の期比4.8%増)へ、営業利益を107億円から93億円(同12.8%減)へ、純利益を99億円から93億円(同0.5%増)へ下方修正すると発表した。国内一般用医薬品において、新型コロナウイルス感染拡大に伴う活動制限などによる影響を引き続き受けたことにより、売上高は当初予想を下回る見通しとなった。また、輸送費高騰で物流費が増加したことに加え、「エコ&コンパクト」の新パッケージ採用による導入費用が増加したことなどにより、原価率が悪化。その結果、各利益も会社計画を下回る見通しになったとしている。

■ニトリホールディングス <9843>  16,110円  -375 円 (-2.3%)  11:30現在

ニトリホールディングス<9843>は反落している。24日の取引終了後に発表した3月度(2月21日~3月20日)の月次国内売上高で、既存店売上高が前年同月比3.6%減と2カ月連続で前年実績を下回ったことが嫌気されている。テレビCM効果や「春の家電キャンペーン」の実施により、ベッドルーム家具や新生活家電商品などの売り上げは計画に対して順調に推移したものの、まん延防止等重点措置や福島県沖を震源とする地震の影響などもあり、客数が同5.8%減と落ち込んだことが響いた。なお、全店売上高は同0.7%減だった。

■松井証券 <8628>  839円  -17 円 (-2.0%)  11:30現在

松井証券<8628>は10日ぶりに反落。23日の取引終了後、保有する不動産の売却に伴い、22年3月期に固定資産売却益の見込み額である12億5600万円を特別利益として計上すると発表したが、これを好材料視する動きは限定的のようだ。保有資産の有効活用を図るためという。なお、主力の証券業の業績は株式市場の動向により大きく左右されることから業績予想については引き続き非開示としている。

■三菱UFJ <8306>  799.5円  -7.1 円 (-0.9%)  11:30現在

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンク各社が揃って反落。ここ米長期金利の急上昇を背景に米国事業における運用環境の改善を手掛かり材料とする買いが続いていたが、目先は利益確定の売りが優勢となっている。前日の米国債券市場では米10年債が買われる展開となり、同利回りは取引終了時点で2.29%台に低下した。これを背景にJPモルガン<JPM>やゴールドマン・サックス<GS>など大手金融株が軒並み売られる展開となっており、東京市場にもこの流れが波及した。三菱UFJは前日まで10連騰で昨年来高値更新基調にあったが、きょうはこれまでの反動が出る形で800円台を割り込んでいる。

■東京エレクトロン <8035>  61,530円  -210 円 (-0.3%)  11:30現在

東京エレクトロン<8035>が6日ぶり反落。前日までの5営業日で合計8300円近く株価を切り上げていたことで、今日は全体下げ相場のなか利益確定の売りが出ている。しかし、押し目買い意欲も旺盛で下げ幅は200~400円程度にとどまっている。半導体関連企業は日米ともにハイテクセクターのグロース株に位置づけられ、米長期金利の上昇局面ではポジション調整の売り対象となっていた。ただ、実需の売り以外に、ヘッジファンド筋などの戦略的な空売りも高水準に入っていたとみられ、3月中旬を境にその買い戻しが一気に進んだ。同社株は半導体製造装置の国内トップだが、PERは20倍台前半でありそれほど割高感はない。世界的な半導体設備投資拡大の流れに変化はなく、中期的な収益成長期待が押し目買いを誘っている。

■リボミック <4591>  208円  +50 円 (+31.7%) ストップ高   11:30現在

リボミック<4591>が大量の買い注文で急動意。同社はリボ核酸(RNA)を使った分子ターゲット薬(アプタマー医薬)の開発を行う東京大学発の創薬ベンチャー。同社が米国で臨床を進める眼の難病「加齢黄斑変性症」の治療薬「RBM-007」は潜在的ニーズも大きく、今後の展開に期待が高まっている。そうしたなか、23日取引終了後に、滲出型加齢黄斑変性(wet AMD)を対象としたRBM-007の臨床試験の結果、治療歴のないwet AMDに対して視力および網膜組織構造の改善に有効と考えられることを発表、これが株価の刺激材料となっている。

●ストップ高銘柄

アララ <4015>  619円  +100 円 (+19.3%) ストップ高   11:30現在

など、2銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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