株価指数先物 【週間展望】 ―期末特有の需給要因を下支え、押し目狙いのロングを想定

市況
2022年3月27日 17時00分

「期末特有の需給要因を下支え、押し目狙いのロングを想定」

今週の日経225先物は急ピッチのリバウンドで過熱感は警戒されるものの、期末の需給要因を下支えに堅調な相場展開が見込まれる。3月16日以降、陽線を重ねる形でリバウンド基調を強めているが、先週は祝日明けの22日に2万7000円を回復すると、23日には一気に75日移動平均線を突破し2万7860円(ナイトセッションを含む)まで急伸。24日に2万7350円までの調整を経て、25日には1月半ば以来となる2万8000円台を回復した。

ボリンジャーバンド日足では+2σ水準に到達したことで過熱感が警戒される水準ではあるが、バンドの拡大によって+2σの水準は切り上がりを見せている。また、週足では現在+1σのほか、26週、52週線水準までのリバウンドを見せてきているため、これら抵抗線をクリアしてくるようだと、2万8780円辺りに位置している+2σが次のターゲットになりそうだ。

また、先週のリバウンドで日経平均株価は13週線を突破し、26週線まで上昇してきており、52週線が位置する2万8420円辺りが意識されてくる。3月期末に伴う配当落ち分は日経平均株価が230~240円、TOPIXで22ポイント程度と見られているため、日経平均の配当落ち分を考慮した場合、一段のリバウンドによって2万8000円処が支持線として機能する可能性もある。

需給面では、今回の上昇はCTA(商品投資顧問)の買いとヘッジファンドによるカバーが中心だったと見られるが、今週は期末特有の需給要因が下支えとなる。配当再投資のタイミングはそれぞれだが、これまで配当落ち日かその前日が多い。足元の強いリバウンドによって条件は変わっているだろうが、概ね1兆円~1兆3000億円の配当再投資金額が先物市場に流入することになる。原材料コスト上昇などが企業収益を圧迫する可能性はあるものの、足元でも増額修正の動きが目立っているほか、国内企業の還元性向がグローバル対比で低いこともバッファーとなりそうだ。

また、期末には年金基金による株式比率調整に伴うグローバルでの買いが見込まれる。国内勢は期末に集中するが、海外勢は4月前半までリバランスが継続すると見られ、ショートは仕掛けづらい一方で、押し目狙いのロングが入りやすい。52週線突破からは年初につけた高値奪回を意識したセンチメントに向かう可能性もあるため、ショートカバーの動きは強まりやすいと見ておきたい。

今週は週末に米雇用統計の発表を控えているため、慎重姿勢が高まる可能性はある。ただし、最近では米連邦準備理事会(FRB)の高官から相次いでタカ派傾斜の発言が目立ってきていることから、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅を0.5%に拡大する可能性などは織り込んできているだろう。利上げやウクライナ情勢を巡る報道によって神経質になる局面もあろうが、基本的には押し目狙いのロングの動きを想定しておきたい。

なお、VIX指数は週末に20.81に低下した。2月9日の19.96以来の水準に下がってきたため、テクニカル的にはダブルボトム形成からの反転が意識されやすいが、同水準を下回ってくるようだと一段とリスク選好に傾きやすいと見られる。

また、先週のNT倍率は先物中心限月で一時14.25倍に上昇し、目先的な抵抗線として意識されていた75日線を突破する場面も見られたが、その後は14.21倍と抵抗線に跳ね返される格好だった。25日の米国市場ではナスダック指数が反落しており、指数インパクトの大きい値がさ株などが利食い先行で始まることでTOPIX型優位となる可能性はある。期末の株式比率の修正に伴う年金基金による買い需要などからも、いったんはNT倍率の調整はありそうだ。ただし、足元で強いリバウンドの動きを見せてきていることもあり、NTショートの巻き戻しからNTロングの動きが強まる可能性もあり、スプレッド狙いでは目先的には方向性を見極めたいところであろう。

3月第3週(3月14日-19日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では5週ぶりに買い越しており、買い越し額は2470億円(前週は3149億円の売り越し)だった。なお、現物は1955億円の売り越し(同9935億円の売り越し)と4週連続の売り越しであり、先物は4695億円の買い越し(同6785億円の買い越し)と2週連続で買い越している。個人は現物と先物の合算で5777億円の売り越しで、5週ぶりの売り越しだった。

経済スケジュールでは、28日に米国2月卸売在庫、29日に2月失業率、米国1月ケース・シラー住宅価格指数、米国3月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、30日に米国3月ADP雇用統計、31日に2月鉱工業生産、中国3月製造業購買担当者景気指数(PMI)、米国2月個人消費支出、米国3月シカゴ購買部協会景気指数、4月1日に日銀短観、中国3月財新製造業購買担当者景気指数(PMI)、米国3月雇用統計、米国3月ISM製造業景況指数などが予定されている。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値

01月限 日経225 28266.57  TOPIX  1988.69

02月限 日経225 27835.60  TOPIX  1965.67

03月限 日経225 25457.94  TOPIX  1808.03

◆日経225先物(日足)

始値   高値   安値   清算値  前日比

22/06 03月25日  27860  28140  27700  27910  +70

22/06 03月24日  27750  27930  27350  27840  -20

22/06 03月23日  27090  27860  27090  27860  +790

22/06 03月22日  26700  27120  26600  27070  +340

◇TOPIX先物(日足)

始値   高値   安値   清算値  前日比

22/06 03月25日  1959.5  1976.5  1951.5  1963.0  +4.5

22/06 03月24日  1958.0  1966.0  1930.5  1958.5  -6.0

22/06 03月23日  1920.0  1964.5  1919.0  1964.5  +46.0

22/06 03月22日  1895.5  1919.0  1889.0  1918.5  +20.5

●シカゴ日経平均 円建て

清算値  前日比

03月25日(06月限)  28045  +135

03月24日(06月限)  28095  +255

03月23日(06月限)  27385  -475

03月22日(06月限)  27450  +380

03月21日(06月限)  27060  +330

※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)

  売り   前週末比   買い    前週末比

03月18日    2378億円  +317億円 1兆1545億円  +2178億円

03月11日    2060億円 +2018億円  9366億円  +4736億円

03月04日     42億円  -292億円  4630億円  +346億円

02月25日    334億円   -9億円  4283億円  -647億円

02月18日    344億円 -1482億円  4931億円  +805億円

02月10日    1826億円 +1471億円  4126億円  +603億円

02月04日    355億円  +316億円  3522億円  -84億円

01月28日     38億円  -16億円  3607億円  +59億円

01月21日     54億円  -31億円  3547億円  -597億円

01月14日     85億円  -287億円  4145億円  +528億円

01月07日    373億円  -346億円  3617億円  +316億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)

売り      前日比  買い       前日比

03月23日    6628万株    +1万株  4億5867万株   +2855万株

03月22日    6626万株    -4万株  4億3011万株   +2558万株

03月18日    6631万株   +932万株  4億0453万株   +1843万株

03月17日    5698万株   -222万株  3億8609万株   +1276万株

03月16日    5921万株   +118万株  3億7332万株   +2642万株

03月15日    5803万株    -18万株  3億4689万株   +1396万株

03月14日    5821万株    -7万株  3億3293万株   -400万株

03月11日    5828万株   +4751万株  3億3693万株   +5578万株

03月10日    1076万株   -1756万株  2億8115万株   +7383万株

03月09日    2833万株   +1161万株  2億0731万株   +1729万株

03月08日    1672万株   +306万株  1億9002万株   +1154万株

03月07日    1365万株   +1182万株  1億7848万株   -603万株

■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)

【2022年】

1月14日  701億円

1月25日  701億円

2月14日  701億円

3月07日  701億円

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