株価指数先物 【週間展望】 ―期末特有の需給要因を下支え、押し目狙いのロングを想定
「期末特有の需給要因を下支え、押し目狙いのロングを想定」
今週の日経225先物は急ピッチのリバウンドで過熱感は警戒されるものの、期末の需給要因を下支えに堅調な相場展開が見込まれる。3月16日以降、陽線を重ねる形でリバウンド基調を強めているが、先週は祝日明けの22日に2万7000円を回復すると、23日には一気に75日移動平均線を突破し2万7860円(ナイトセッションを含む)まで急伸。24日に2万7350円までの調整を経て、25日には1月半ば以来となる2万8000円台を回復した。
ボリンジャーバンド日足では+2σ水準に到達したことで過熱感が警戒される水準ではあるが、バンドの拡大によって+2σの水準は切り上がりを見せている。また、週足では現在+1σのほか、26週、52週線水準までのリバウンドを見せてきているため、これら抵抗線をクリアしてくるようだと、2万8780円辺りに位置している+2σが次のターゲットになりそうだ。
また、先週のリバウンドで日経平均株価は13週線を突破し、26週線まで上昇してきており、52週線が位置する2万8420円辺りが意識されてくる。3月期末に伴う配当落ち分は日経平均株価が230~240円、TOPIXで22ポイント程度と見られているため、日経平均の配当落ち分を考慮した場合、一段のリバウンドによって2万8000円処が支持線として機能する可能性もある。
需給面では、今回の上昇はCTA(商品投資顧問)の買いとヘッジファンドによるカバーが中心だったと見られるが、今週は期末特有の需給要因が下支えとなる。配当再投資のタイミングはそれぞれだが、これまで配当落ち日かその前日が多い。足元の強いリバウンドによって条件は変わっているだろうが、概ね1兆円~1兆3000億円の配当再投資金額が先物市場に流入することになる。原材料コスト上昇などが企業収益を圧迫する可能性はあるものの、足元でも増額修正の動きが目立っているほか、国内企業の還元性向がグローバル対比で低いこともバッファーとなりそうだ。
また、期末には年金基金による株式比率調整に伴うグローバルでの買いが見込まれる。国内勢は期末に集中するが、海外勢は4月前半までリバランスが継続すると見られ、ショートは仕掛けづらい一方で、押し目狙いのロングが入りやすい。52週線突破からは年初につけた高値奪回を意識したセンチメントに向かう可能性もあるため、ショートカバーの動きは強まりやすいと見ておきたい。
今週は週末に米雇用統計の発表を控えているため、慎重姿勢が高まる可能性はある。ただし、最近では米連邦準備理事会(FRB)の高官から相次いでタカ派傾斜の発言が目立ってきていることから、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅を0.5%に拡大する可能性などは織り込んできているだろう。利上げやウクライナ情勢を巡る報道によって神経質になる局面もあろうが、基本的には押し目狙いのロングの動きを想定しておきたい。
なお、VIX指数は週末に20.81に低下した。2月9日の19.96以来の水準に下がってきたため、テクニカル的にはダブルボトム形成からの反転が意識されやすいが、同水準を下回ってくるようだと一段とリスク選好に傾きやすいと見られる。
また、先週のNT倍率は先物中心限月で一時14.25倍に上昇し、目先的な抵抗線として意識されていた75日線を突破する場面も見られたが、その後は14.21倍と抵抗線に跳ね返される格好だった。25日の米国市場ではナスダック指数が反落しており、指数インパクトの大きい値がさ株などが利食い先行で始まることでTOPIX型優位となる可能性はある。期末の株式比率の修正に伴う年金基金による買い需要などからも、いったんはNT倍率の調整はありそうだ。ただし、足元で強いリバウンドの動きを見せてきていることもあり、NTショートの巻き戻しからNTロングの動きが強まる可能性もあり、スプレッド狙いでは目先的には方向性を見極めたいところであろう。
3月第3週(3月14日-19日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では5週ぶりに買い越しており、買い越し額は2470億円(前週は3149億円の売り越し)だった。なお、現物は1955億円の売り越し(同9935億円の売り越し)と4週連続の売り越しであり、先物は4695億円の買い越し(同6785億円の買い越し)と2週連続で買い越している。個人は現物と先物の合算で5777億円の売り越しで、5週ぶりの売り越しだった。
経済スケジュールでは、28日に米国2月卸売在庫、29日に2月失業率、米国1月ケース・シラー住宅価格指数、米国3月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、30日に米国3月ADP雇用統計、31日に2月鉱工業生産、中国3月製造業購買担当者景気指数(PMI)、米国2月個人消費支出、米国3月シカゴ購買部協会景気指数、4月1日に日銀短観、中国3月財新製造業購買担当者景気指数(PMI)、米国3月雇用統計、米国3月ISM製造業景況指数などが予定されている。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
01月限 日経225 28266.57 TOPIX 1988.69
02月限 日経225 27835.60 TOPIX 1965.67
03月限 日経225 25457.94 TOPIX 1808.03
◆日経225先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
22/06 03月25日 27860 28140 27700 27910 +70
22/06 03月24日 27750 27930 27350 27840 -20
22/06 03月23日 27090 27860 27090 27860 +790
22/06 03月22日 26700 27120 26600 27070 +340
◇TOPIX先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
22/06 03月25日 1959.5 1976.5 1951.5 1963.0 +4.5
22/06 03月24日 1958.0 1966.0 1930.5 1958.5 -6.0
22/06 03月23日 1920.0 1964.5 1919.0 1964.5 +46.0
22/06 03月22日 1895.5 1919.0 1889.0 1918.5 +20.5
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日比
03月25日(06月限) 28045 +135
03月24日(06月限) 28095 +255
03月23日(06月限) 27385 -475
03月22日(06月限) 27450 +380
03月21日(06月限) 27060 +330
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
03月18日 2378億円 +317億円 1兆1545億円 +2178億円
03月11日 2060億円 +2018億円 9366億円 +4736億円
03月04日 42億円 -292億円 4630億円 +346億円
02月25日 334億円 -9億円 4283億円 -647億円
02月18日 344億円 -1482億円 4931億円 +805億円
02月10日 1826億円 +1471億円 4126億円 +603億円
02月04日 355億円 +316億円 3522億円 -84億円
01月28日 38億円 -16億円 3607億円 +59億円
01月21日 54億円 -31億円 3547億円 -597億円
01月14日 85億円 -287億円 4145億円 +528億円
01月07日 373億円 -346億円 3617億円 +316億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
03月23日 6628万株 +1万株 4億5867万株 +2855万株
03月22日 6626万株 -4万株 4億3011万株 +2558万株
03月18日 6631万株 +932万株 4億0453万株 +1843万株
03月17日 5698万株 -222万株 3億8609万株 +1276万株
03月16日 5921万株 +118万株 3億7332万株 +2642万株
03月15日 5803万株 -18万株 3億4689万株 +1396万株
03月14日 5821万株 -7万株 3億3293万株 -400万株
03月11日 5828万株 +4751万株 3億3693万株 +5578万株
03月10日 1076万株 -1756万株 2億8115万株 +7383万株
03月09日 2833万株 +1161万株 2億0731万株 +1729万株
03月08日 1672万株 +306万株 1億9002万株 +1154万株
03月07日 1365万株 +1182万株 1億7848万株 -603万株
■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
【2022年】
1月14日 701億円
1月25日 701億円
2月14日 701億円
3月07日 701億円
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