富田隆弥の【CHART CLUB】 「日本を襲うトリプル安、様子見を継続」
◆新年度に入って株式市場が冴えない。「株式」だけでなく「円」や「債券」も冴えず、日本はトリプル安の様相を呈している。地政学的リスクの高まりに伴って原油や非鉄金属などの価格が高騰し、食料品や日用品の値上げも相次いでいる。新型コロナウイルス対策による上海のロックダウン(都市封鎖)で中国との物流が停滞するなか、日米金利差の拡大や貿易赤字の恒常化懸念などを背景に、「日本売り」が始まっている可能性は否定できない。
◆4月7日時点で日経平均株価は連日400円超安と続落。日足は75日移動平均線(2万7404円)を割り込み、25日線(2万6761円)に迫った。3月9日の安値2万4681円から3月25日の戻り高値2万8338円まで短期間に3657円も上げたので、ここは当然のスピ-ド調整であり、25日線をポイントに切り返す可能性はある。
◆ただし、厚い節目の200日線(2万8217円)と52週線(2万8332円)に頭を叩かれての調整入りは、チャート的には楽観できる状況ではない。昨年9月以降に形成した三角保ち合いを2022年に入って下放れており、3月25日にかけての上昇がアヤ戻しとなって節目で頭を叩かれたということは、この先「二段下げ」に向かう可能性が生じたということでもある。
◆カギを握る米国株だが、NYダウ、ナスダックともチャートは3月29日に戻り高値をつけて調整に転じている。週足は日経平均株価と同じく52週線にアヤ戻しの頭を叩かれている。
◆高値期日に底打ちして急騰した3月の動きは、昨年9月と酷似しており、そのときは高値から3週間で上げ幅を帳消しにしている。25日線を下値に反発して75日線を奪回できるのか、それとも25日線を割り込んでさらなる下値模索に向かうのか、もうしばらく様子を見るべきところだろう。
(4月7日 記、毎週土曜日に更新)
株探ニュース