【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─市場再編の肝は「グロース」にあり!(訂正)

市況
2022年4月10日 9時30分

「市場再編の肝は『グロース』にあり!」

●インパクトに欠ける東証再編だが……

4月4日に何があったか覚えておられるだろうか? もちろん、覚えていますよね。東京証券取引所(東証)の市場再編があったのだ。

しかし、われわれは忘れっぽい。そして、市場も同様だ。いまでは再編が行われたことはほとんど話題にならなくなった。

再編が東京市場はもちろん、日本経済にも顕著な好転をもたらし、われわれ投資家もその恩恵を受けることが確実となるような画期的なものであったのなら、いまでも市場の関心事であり、話題にもなり続けていただろう。

しかし、残念ながらそれほどインパクトのある再編ではなかった。いや、率直に述べると、「再編」というほどのものではなく、「一部変更」といえる程度のものだった。

何しろ最上位の「プライム」市場の上場企業数は1839社、「スタンダード」市場が1466社、「グロース」市場が466社となっている(4日時点)。なお、これらにはそれぞれ経過措置企業が295社、209社、45社が含まれる。

現時点でのプライム上場社数1839を再編前の東証1部の上場企業数(2177社)と比べると、「わざわざ手間隙かけて再編するほどのことではなかったのでは?」という見方もできる。

●成長を名に冠する新市場は注目度大

では、再編にはまったく意味がなかったのかとなると、そうではない。私が見出した魅力がある。それは「グロース」という名称の市場が誕生したことだ。同市場にはマザーズやジャスダック銘柄の多くが移行しているのだが、何と言っても「グロース」という名称に意味がある。他市場が「プライム」「スタンダード」と置かれた状況を表現する用語であるのに対して、「グロース」は“成長”という特性を示唆している。

この点で、「グロース」銘柄は成長を予感させるし、経営者たちも自ずと成長を目指すと見てよい。このように「グロース」銘柄は投資魅力がある上に、銘柄数が他市場に比べて466社と少なく、銘柄を選びやすい点も好ましい。

注目銘柄だが、当然「グロース」銘柄の中から、まずはグローバルセキュリティエキスパート <4417> [東証G]を挙げたい。中小企業向けネットセキュリティ教育に強く、ネットの世界が日々複雑化し、対応が難しくなる一方であることを考えると、事業の拡大が見込める点に注目だ。

3Dプリンターによる試作品作製に強いJMC <5704> [東証G]も株価は高値圏ながら、EV(電気自動車)向け部品などの試作需要が伸びつつあり、株価はさらなる高値が見込める。

看護師やリハビリ職の訪問看護サービスに特化した事業を展開しているRecovery International <9214> [東証G]も、社会的なニーズの高さから、株価も期待が持てる。

競合が少ないというよりも、ニッチな分野で事業展開しているという点で異色中の異色と言えるのが、ステムセル研究所 <7096> [東証G]。細胞バンク事業に強く、臍帯血の保管などで独占的なシェアを誇る企業であり、株価の浅い押し目を見逃さないようにしたい。

最後にアズーム <3496> [東証G]を。月極駐車場紹介サイト「カーパーキング」を運営するとともに、オフィスなどの駐車場サブリース事業を展開。年々収益を伸ばし続けており、投資対象として魅力的だ。

2022年4月8日 記

株探ニュース

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