絶好調の22年12月期【最高益】銘柄リスト〔第2弾〕 <成長株特集>

特集
2022年4月10日 19時30分

本特集では、今月から始まる3月期企業の本決算発表を前に、先行指標として注目される12月期決算企業の22年12月期にスポットライトを当てた。今回は時価総額400億円以上の銘柄を対象とした「絶好調の22年12月期【最高益】銘柄リスト〔第1弾〕」に続き、時価総額400億円未満の銘柄を対象に、22年12月期に経常利益が過去最高益を更新する見通しを示している企業をリストアップした。

株探集計によると、22年12月期の見通しを開示した東証上場430社のうち、経常利益ベースで増益または黒字転換を計画する企業は268社と全体の6割強だった。下表ではこのうち、第1弾を配信した7日時点で時価総額が80億円以上400億円未満の銘柄を対象に、22年12月期に経常利益が前期比5%以上増加し、かつ最高益更新を見込んでいる35社を選び出し、増益率が大きい順に記した。

増益率トップとなったのは、末期がん患者や難病患者のためのホスピス住宅を運営する日本ホスピスホールディングス <7061> [東証G]。22年12月期の経常利益は前期比82.3%増の7.6億円と2期連続で最高益を更新する見通しだ。ホスピス住宅の新規開設を増やすなか、既に安定稼働している施設や満床に至る過程にある施設からの収益が伸びる。今期は事業拡大の期と位置づけ、ホスピス住宅8施設(前期は6施設)の新規開設を計画している。

3位のフロンティア・マネジメント <7038> [東証P]は1月にセレブレインを子会社化した効果で経営コンサルティング事業に人事関連コンサルティングの機能が加わるほか、活況なM&A市場を背景にファイナンシャル・アドバイザリー事業が順調に拡大する計画だ。決算発表と併せて、経営人材の派遣を伴う投資事業を開始することを明らかにした。新設する子会社を通じて7月以降に事業を開始する予定で、来期からの収益貢献を見込んでいる。

続く4位に入ったブイキューブ <3681> [東証P]の今期業績は成長の柱となっているイベントDX事業が牽引する。製薬業界の小規模イベントは顧客の自前化で減少する一方、中・大規模の高付加価値案件の獲得を進めるほか、就職説明会やバーチャル株主総会など非製薬業界の案件が伸びる見通しだ。また、サードプレイス事業では、テレビCM効果などのマーケティング強化でテレワーク用ブース「テレキューブ」の設置販売が拡大する。

選出リストを業種別に見ると、企業の旺盛なIT投資意欲を追い風に業績を伸ばす「情報・通信業」が15社と全体の4割を占めた。全体相場が反転した3月中旬ごろから見直し買いが進む企業も多くみられ注目したい。

5位に入ったのは、人工知能(AI)を活用したビッグデータ分析やアルゴリズム開発を手掛けるALBERT <3906> [東証G]。今期はAI実装支援事業が提携先の国内リーディングカンパニーとの取引深耕による成長が続くほか、高水準なDX人材育成ニーズを背景にデータサイエンティスト育成事業も拡大し、経常利益は前期比51.0%増の6.5億円に伸びる見通しだ。

9位にリスト入りしたアートスパークホールディングス <3663> [東証S]の今期業績は経常利益が18.9億円(前期比33.5%増)と3期連続の最高益更新を計画し、配当は8円(前期比5円増)と大幅増配する方針だ。主力のイラスト制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT」でサブスクリプション契約の増勢が続くほか、自動車市場の回復に伴いHMIソリューションの需要増加を見込む。

12位のサイバーセキュリティクラウド <4493> [東証G]は企業へのサイバー攻撃被害が相次ぐなか、主力のWebセキュリティサービス「攻撃遮断くん」などのユーザー数が拡大し、売上高、経常利益ともに2ケタ増が続く。直近ではロシアによるウクライナ侵攻を受けてサイバー攻撃の警戒感が高まり、関連銘柄として注目を集めた。株価は2月下旬に急騰し、その後も強調展開が続いている。

このほか、ゲーム事業が好調なカヤック <3904> [東証G]、コミック配信サービス「まんが王国」を運営するビーグリー <3981> [東証P]、ソフト開発会社のアイ・エス・ビー <9702> [東証P]、業務システムのクラウドサービスを展開するサイバーリンクス <3683> [東証P]などの株価も足もとで動意づいている

13位のバリューHR <6078> [東証P]と17位のロードスターキャピタル <3482> [東証P]の株価は、ウクライナ情勢の悪化や米長期金利の上昇を背景に波乱展開が続く全体相場に逆行し、青空圏を舞う展開となっている。

バリューHRは健康経営の推進や働き方改革の高まりを背景に、健康保険組合や企業向けの健康管理・健診関連事業が拡大する見通しで、今期は2期連続の最高益更新を目指す。3月末の株主を対象とする1→2の株式分割実施を発表したことも好感され、株価は3月25日に上場来高値1517円をつけた。

一方、中規模オフィスビル投資を主力とするロードスターは、オフィス市況が好転するなか、バリューアップした好採算物件の売却が進み、今期は10期連続の最高益更新を計画する。株価は東証1部に市場変更(現在はプライム)した3月18日に急騰し、その後も上値追いの展開で6日に過去最高値1897円まで上値を伸ばしている。

┌─── 経常利益 ───┐   予想

コード 銘柄名    増益率 22年12月期 21年12月期  PER

<7061> 日本ホスピス  82.3     760     417  30.8

<4582> シンバイオ   74.8    1750    1001  18.6

<7038> フロンティM  55.6     800     514  23.9

<3681> ブイキューブ  54.2    1900    1232  16.6

<3906> ALBERT  51.0     657     435  57.1

<1429> 日本アクア   48.4    2121    1429  13.6

<2195> アミタHD   41.8     892     629  19.8

<7036> EMネットJ  37.4     599     436  29.4

<3663> アートSHD  33.5    1894    1419  22.3

<6653> 正興電     33.1    2050    1540  10.7

<6533> オーケストラ  30.6    1680    1286  29.9

<4493> サイバーセキ  30.3     387     297  89.2

<6078> バリューHR  26.6    1252     989  46.4

<4235> UFHD    26.2    1700    1347  26.1

<4058> トヨクモ    25.9     530     421  46.4

<9768> いであ     25.8    2650    2107  7.0

<3482> ロードスター  25.7    6696    5327  6.4

<4392> FIG     24.3     712     573  18.3

<3319> GDO     22.4    2100    1715  10.8

<7082> ジモティー   21.7     454     373  31.4

<6067> インパクト   21.4    2000    1648  16.7

<3901> Mラインズ   20.1    1525    1270  35.9

<3633> GMOペパボ  19.4    1156     968  14.3

<3904> カヤック    18.5    1500    1266  14.6

<3981> ビーグリー   17.8    1416    1202  14.2

<9145> ビイングHD  16.0    1400    1207  12.0

<4284> ソルクシーズ  15.8    1300    1123  11.5

<3649> ファインデ   15.6    1091     944  25.8

<4933> Ine     13.7    2650    2330  19.0

<6266> タツモ     12.8    2503    2218  11.8

<2986> LAホールデ  12.4    3200    2847  6.0

<4482> ウィルズ    10.6     575     520  39.9

<9702> アイエスビー   9.8    2130    1940  10.3

<3683> サイバーリン   9.2    1046     958  18.5

<7228> デイトナ     9.2    2061    1888  5.8

※経常利益の単位は百万円。2020年1月以降に上場した企業は除いた。

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