伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 4月10日版
日経平均株価は勢いの強い下げの流れを継続して2万6000円を目指す公算
1. NYダウは週明け後に下げが勢いづく公算か
図1は、本年の NYダウの日足です。NYダウは1月5日から2月24日まで下降の流れを作り、下値を切り下げています。
この下げは1月5日~24日と、2月9日~24日の2回の勢いの強い下げが組み合わさって、日柄と値幅の伴った下げ局面を作っています。
それぞれの下降の動きを見ていくと、1月5日以降は、13日まで小幅な陰線、下ヒゲの長い線、陽線が表れて徐々に下値を切り下げる格好になっていて、13日以降、一本調子に押し目になる地点まで下げています。
2月9日以降は、戻り高値をつけて価格が下げた後、すぐに反発して16日に一時的な反発の戻り高値をつけた後、陰線が連続して一気に2月24日の安値まで下げる展開となっています。
NYダウは価格が下げる際、短い日柄で一気に下げる動きになることが多くなっています。
比較的長く下げの流れを継続する場合、下降の初期段階でジグザグに推移した後、下げが勢いづき、大陰線が連続して数日で一気に押し目になる地点付近まで下げる展開が目立ちます。
2018年以降の下げ場面で、似た展開になっているケースを見ると、ジグザグに推移した後、下降が勢いづく起点になる日までの日柄はだいたい5~14営業日で、6~8営業日程度がよく表れていました。
3月29日以降の下げは、4月8日までで9営業日を経過しています。最近のジグザグが上値、下値を切り下げる流れになるなら、上ヒゲの長い線をつけた4月8日の高値は、一時的な反発の終点になる可能性のある場所です。
一般的なチャートのパターンで見た場合、目先の価格が下げて、上値、下値を切り下げて下降の流れを明確にする場合、次の下げは勢いが強い動きになる可能性があります。
NYダウの過去の下げパターンや一般的なチャートのパターンを考慮すると、現在が下値を試す流れへ入っていて、下げ余地が十分にあるなら、4月11日以降に価格が下降を開始して、その下げは値幅の伴った陰線が連続する動きになると考えられます。
週明け後の価格が上昇するなら、目先は下げ余地が限られている可能性が出てきます。その場合、今後は一時的にせよ3月29日の高値3万5372ドルを超える展開を考えておく必要が出てきます。
図1 NYダウ日足