話題株ピックアップ【夕刊】(1):住友大阪、セルソース、イーレックス

注目
2022年4月20日 15時15分

■住友大阪セメント <5232>  4,045円  +630 円 (+18.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率トップ

住友大阪セメント<5232>が大幅に3日続伸、3カ月ぶりに年初来高値を更新した。19日に提出された大量保有報告書で旧村上ファンド系投資会社のシティインデックスイレブンスが大株主に浮上したことが注目されている。保有比率は5.08%となる。保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為などを行うこと」としている。アクティビスト(物言う株主)として知られる旧村上ファンド系の登場で住友大阪に思惑買いが流入した。

■東テク <9960>  2,468円  +247 円 (+11.1%)  本日終値  東証プライム 上昇率2位

東テク<9960>が急騰。19日の取引終了後、集計中の22年3月期連結業績について、営業利益が58億円から63億円(前の期比2.0%増)へ、純利益が41億円から46億円(同4.1%減)へ上振れて着地し、減益予想から一転して営業増益となったようだと発表しており、これが好感された。相対的に売り上げ規模が大きく利益率の低い商品販売事業の売上高が減少し、一方で工事事業は堅調に推移したことで、売上高は1110億円から1101億円(同0.4%増)へやや下振れたものの、利益は計画を上回ったとしている。また、利益の上振れに伴い、67円を予定していた期末配当予想を117円にするとあわせて発表した。年間配当は134円(前の期84円)になる。

■セルソース <4880>  3,380円  +270 円 (+8.7%)  本日終値

セルソース<4880>は急伸。同社は脂肪などから幹細胞を培養する再生医療事業を主力とするが、化粧品分野にも展開している。19日取引終了後、エクソソーム化粧品原料「セルソースExosome」を開発したことを発表。また、ユーチューバーのヒカルと共同開発した高機能美容クリーム「リザードビューティ クリーム」を発売することも併せて発表しており、これを材料視する投資資金が攻勢を誘った。株価はここ2週間ほど3000円台前半の狭いレンジでもみあいを続けていたが、きょうは満を持して上放れる形となった。

■ジャックス <8584>  3,410円  +270 円 (+8.6%)  本日終値  東証プライム 上昇率3位

ジャックス<8584>が続伸し年初来高値を更新。19日の取引終了後、集計中の22年3月期連結業績について、売上高が1635億円から1640億円(前の期比2.1%増)へ、営業利益が255億円から267億円(同63.5%増)へ、純利益が175億円から183億円(同55.4%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。国内事業のショッピングクレジット及び住宅ローン保証が堅調に推移したことに加えて、国内と海外関係子会社の貸倒関連費用及びその他販売管理費が減少したことが寄与した。また、業績の上振れに伴い、80円を予定していた期末配当を85円(年間160円)に引き上げた。同時に、25年3月期に経常利益365億円(22年3月期推定267億円)を目標とする中期経営計画を発表した。国内事業の収益基盤拡充や海外事業の収益基盤確立、国内・海外の成長を加速する経営基盤の強化、ESG経営の推進を柱としており、配当性向は30%を目安として安定的な利益還元を図るとしている。

■イーレックス <9517>  1,990円  +82 円 (+4.3%)  本日終値

イーレックス<9517>は急伸。19日の取引終了後、集計中の22年3月期連結業績について、売上高が2200億円から2250億円(前の期比58.6%増)へ、営業利益が90億円から120億円(同23.7%減)へ、純利益が79億5000万円から90億円(同43.2%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。天候の変動により電力需給の予測に差異が生じたことなどから、電力卸売りを含む電力販売量が増加したことが要因。また、卸電力取引における現物取引の割合が多かったことも利益を押し上げた。

■トヨタ自動車 <7203>  2,258.5円  +81.5 円 (+3.7%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>など大手自動車株に買いが先行。米長期金利の上昇が続くなか、外国為替市場では日米金利差を背景にドル買い・円売りの動きが加速、足もとで1ドル=129円台に入る円安を受けて輸出株セクターには為替差益に対する思惑が強まっている。特に為替感応度の高い自動車株については、前期想定為替レートのカイ離が大きく、今期業績については輸出採算の大幅向上が見込まれる状況にある。トヨタ、ホンダいずれも前期想定為替レートは通期ベースで1ドル=111円に設定されていた。今期は現状でそれよりも18円以上も円安に振れていることで、高水準の収益メリットが期待できる状況にある。ただし、サプライチェーンリスクによる自動車の生産台数減少に対する懸念は上値を押さえる要因となる。

■ローソン <2651>  4,785円  +165 円 (+3.6%)  本日終値

ローソン<2651>、エービーシー・マート<2670>、マツキヨココカラ&カンパニー<3088>、サンドラッグ<9989>、トレジャー・ファクトリー<3093>など小売関連株に買いが目立つ状況にある。前日の米国株市場では原油価格の上昇が一服したことを背景に消費関連セクターに投資資金が流れたが、東京市場でもその流れを引き継ぐ形で個人消費に絡む銘柄に物色の矛先が向いている。外国為替市場で円安が進行していることは、国内でもインフレ圧力が加わることでネガティブ材料となるが、信用買い残が乏しく株式需給面で荷もたれ感がないことや、円安に対応した景気刺激策への期待もあるようだ。直近、自民・公明両党はガソリン補助金の延長や上限引き上げを柱とする対策を主張しており、こうした動きがプラス材料として捉えられている。

■三菱UFJ <8306>  774.4円  +19.1 円 (+2.5%)  本日終値

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクが堅調なほか、地銀株も総じて上昇基調にある。米10年債利回りの上昇が止まらず、前日は2.9%台半ばまで上昇し3%台乗せも視野に入っている。米国事業を展開するメガバンクにとっては運用環境の改善期待が株価にポジティブに作用している。一方、国内の10年債利回りも直近は日銀が許容する上限である0.25%まで水準を切り上げており、長期金利上昇傾向は強く、地銀株にとっても追い風が意識される。現状では、日銀は0.25%で国債を無制限に買い入れる指値オペを実施する可能性が高いとみられているが、世界的な金融引き締めの動きが強まるなか為替も円安に歯止めがかからない状況となっており、早晩金融政策のスタンスに変化が出るのではないかという思惑も浮上している。

■ニコン <7731>  1,480円  +35 円 (+2.4%)  本日終値

ニコン<7731>が続伸。きょう付の日本経済新聞朝刊で、「旧世代の半導体製造装置への需要が高まっている」と報じられており、なかで同社が「24年度までに『i線』露光の新製品を投入することを決めた」とあることが好材料視されたようだ。記事によると、納期が延びている新品の代替需要に加えて、半導体の国産化を進める中国から成熟した技術の製品の引き合いが強まっていることを受けて、特需のような状況だという。同社は、従来主流だった「i線」などの露光形式で高い市場シェアを維持していたことから、こうした状況でメリットを受ける企業として関心が高まっている。

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