話題株ピックアップ【夕刊】(3):レーザーテク、郵船、任天堂

注目
2022年5月11日 15時26分

■島精機製作所 <6222>  1,910円  +117 円 (+6.5%)  本日終値

10日に決算を発表。「今期経常は黒字浮上、5円増配へ」が好感された。

島精機製作所 <6222> [東証P] が5月10日大引け後(15:10)に決算を発表。22年3月期の連結経常損益は34億円の赤字(前の期は72.7億円の赤字)に赤字幅が縮小し、従来予想の46億円の赤字を上回って着地。23年3月期は16億円の黒字に浮上する見通しとなった。

⇒⇒島精機製作所の詳しい業績推移表を見る

■レーザーテック <6920>  18,125円  +995 円 (+5.8%)  本日終値

レーザーテック<6920>、SUMCO<3436>など半導体関連の一角が堅調。前日の米国株市場では主要株価指数が朝高後に値を消す展開を強いられたが、米10年債利回りが3%台を下回ったこともあってインテル<INTC>やアプライド・マテリアルズ<AMAT>など半導体関連株は総じて堅調な動きを示し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は2.5%高と4日ぶりに切り返しに転じた。東京市場でもここ半導体セクターへの売り圧力は強かったものの、きょうは目先筋の買い戻しで上値を指向する銘柄が多くなっている。

■CCT <4371>  4,740円  +250 円 (+5.6%)  本日終値

コアコンセプト・テクノロジー<4371>が後場急伸。正午ごろ、20年12月に取得した「高精度コンピュータ数」に関する特許を米国でも取得したと発表したことが好感された。今回取得した特許は、高精度コンピュータ番号を処理するために構成された情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関するもの。なお、同件が業績に与える影響は軽微としている。

■島津製作所 <7701>  4,555円  +235 円 (+5.4%)  本日終値

10日に決算を発表。「今期経常は4%増で3期連続最高益、前期配当を7円増額・今期は2円増配へ」が好感された。

島津製作所 <7701> [東証P] が5月10日大引け後(15:00)に決算を発表。22年3月期の連結経常利益は前の期比35.6%増の655億円に拡大し、23年3月期も前期比3.7%増の680億円に伸びを見込み、3期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。3期連続増収、増益になる。同時に、前期の年間配当を41円→48円(前の期は34円)に増額し、今期も前期比2円増の50円に増配する方針とした。

⇒⇒島津製作所の詳しい業績推移表を見る

■日本郵船 <9101>  9,770円  +500 円 (+5.4%)  本日終値

日本郵船<9101>が5%超高に買われたのをはじめ海運大手3社が揃って上昇、業種別騰落でも「海運」は33業種中で群を抜いて首位となった。米長期金利の上昇を契機に日米ともにバリュー株シフトの動きが強まっているが、超低PERで突出した高配当利回りの海運大手はその象徴として常に市場の注目が集まっている。22年3月期の大手3社の決算はコンテナ船市況の好調を背景に最終利益がいずれも過去最高を更新しただけでなく、郵船が1兆円を超えるなど各社ともその変化率の大きさが際立った。23年3月期はその反動で減益となる見通しだが、積極的な株主還元姿勢に変化はなく、それを評価する買いが断続的に流入している。

■リコー <7752>  1,042円  +52 円 (+5.3%)  本日終値

リコー<7752>が寄り付き大口の買い注文を集め、カイ気配スタートで異彩を放った。同社が10日取引終了後に発表した22年3月期決算は営業損益が400億5200万円(前の期は454億2900万円の赤字)と急回復をみせた。新型コロナウイルスの感染拡大による影響が一巡し、主力の事務機事業の収益改善が全体業績に反映された。更に23年3月期の営業利益は前期比2.2倍の900億円と大幅な伸びを見込んでいる。好業績を背景に今期年間配当は前期実績に対し8円増配となる34円を計画するほか、発行済み株式数7.5%相当の4800万株、金額ベースで300億円を上限に自社株買いを実施することも併せて発表(取得株は10月31日付で全消却)しており、これがポジティブサプライズとなっている。

■ベネッセHD <9783>  2,360円  +76 円 (+3.3%)  本日終値

ベネッセホールディングス<9783>は続伸。10日の取引終了後、集計中の22年3月期連結業績について、営業利益が175億円から201億6700万円(前の期比54.1%増)へ、純利益が収支均衡から10億6400万円(同65.9%減)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。売上高は一部の事業において新型コロナウイルス感染症の影響を受け4330億円から4319億4300万円(同1.0%増)へやや下振れた。ただ、各事業のコストの見直し及び学校向け教育事業の収益性の改善などが利益を押し上げた。また、為替相場の変動による為替差益を計上したことも寄与した。

■任天堂 <7974>  58,190円  +1,830 円 (+3.3%)  本日終値

任天堂<7974>が続伸。10日の取引終了後、9月30日を基準日として1株を10株に分割すると発表したことが好感された。投資単位を引き下げることで株式の流動性の向上及び投資家層の更なる拡大を図ることが目的としている。同時に23年3月期の連結業績予想を発表しており、売上高1兆6000億円(前期比5.6%減)、営業利益5000億円(同15.6%減)、純利益3400億円(同28.8%減)を見込むとした。主力ゲーム機「ニンテンドースイッチ」本体の販売台数を2100万台(前期比8.9%減)、ソフトウェアの販売本数を2億1000万本(同10.7%減)と予想している。想定為替レートは1ドル=115円(前期121円83銭)、1ユーロ=125円(同135円41銭)。配当予想は未定(前期2030円)としている。22年3月期決算は、売上高1兆6953億円(前の期比3.6%減)、営業利益5927億6000万円(同7.5%減)、純利益4776億9100万円(同0.6%減)だった。なお同時に、上限を100万株(発行済み株数の0.85%)、または563億6000万円とする自社株を11日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得すると発表。きょう午前10時30分には89万9500株を506億9582万円で取得したと発表している。

■MDV <3902>  957円  +24 円 (+2.6%)  本日終値

メディカル・データ・ビジョン<3902>が続伸。10日の取引終了後、ディー・エヌ・エー<2432>と業務提携契約を締結し、民間で国内最大規模となる1500万人超の保険者データベース(DB)を構築すると発表しており、これが好感された。ディーエヌエは、子会社DeSCヘルスケアが提供するヘルスケアエンターテインメントアプリ「kencom」が健保・自治体など約100団体480万人に利用されているほか、データホライゾン<3628>などと業務提携し、利活用可能な保険者DBは合計で808万人超(22年4月末)になる。今回の提携により、従来からある病院データに加えて今ある健保データに上乗せすることができるようになるほか、これまでになかった国民健康保険に加入する自営業者などのデータや75歳以上の人が加入する後期高齢者のデータが加わることになり、これまで以上に高齢者データの厚みが増すとしている。

■ショーボンド <1414>  5,540円  +130 円 (+2.4%)  本日終値

ショーボンドホールディングス<1414>が続伸。10日の取引終了後、22年6月期の連結業績予想について、営業利益を162億円から170億円(前期比8.1%増)へ、純利益を115億円から118億円(同4.1%増)へ上方修正し、あわせて58円を予定していた期末配当を60円50銭に引き上げると発表したことが好感された。工事の進捗が想定を若干下回る見通しとなったため、売上高は822億円から812億円(同1.4%増)へ下方修正したが、大型工事の設計変更による追加契約の獲得や工事原価の低減などにより売上総利益が増加するとしている。なお、年間配当予想は110円50銭となる予定だ。また、同時に第3四半期累計(21年7月~22年3月)決算を発表しており、売上高618億2200万円(前年同期比横ばい)、営業利益140億2600万円(同7.6%増)、純利益97億9800万円(同7.2%増)だった。

■コマニー <7945>  1,494円  +300 円 (+25.1%) ストップ高   本日終値

コマニー<7945>がストップ高。10日の取引終了後、MBOの一環として塚本幹雄会長や塚本健太社長、塚本直之常務が出資するコマツコーサンが同社株に対してTOBを実施すると発表しており、TOB価格2100円へサヤ寄せする格好となった。株式を非公開化することで機動的かつ柔軟な意思決定を可能とする経営体制を構築し、事業構造改革の実行やソリューション事業の拡大などを進めるのが狙い。買付予定数は821万3237株(下限516万7700株、上限設定なし)で、買付期間は5月11日から6月21日まで。TOB成立後、コマニーは所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、この発表を受けて東京証券取引所は同社株式を5月10日付で監理銘柄(確認中)に指定している。

■サコス <9641>  432円  +80 円 (+22.7%) ストップ高   本日終値

サコス<9641>がストップ高。親会社である西尾レントオール<9699>が10日の取引終了後、同社の完全子会社化を目指してTOBを実施すると発表しており、TOB価格の432円へサヤ寄せする格好となった。西尾レントは現在、サコス株式の86.13%を所有しているが、完全子会社化により一体経営を行うことで、レンタル事業に関する経営資源の相互活用や情報共有を通じた投資戦略の一元化を図るほか、グループ経営効率の最適化などを図るという。買付予定数は578万9278株(下限・上限設定なし)で、買付期間は5月11日から6月21日まで。なおTOB成立後、サコスは所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は5月10日付でサコス株式を監理銘柄(確認中)に指定している。

●ストップ高銘柄

さいか屋 <8254>  320円  +80 円 (+33.3%) ストップ高   本日終値

モダリス <4883>  398円  +80 円 (+25.2%) ストップ高   本日終値

BEENOS <3328>  1,675円  +300 円 (+21.8%) ストップ高   本日終値

など、10銘柄

●ストップ安銘柄

プレイド <4165>  737円  -300 円 (-28.9%) ストップ安   本日終値

大平洋金属 <5541>  2,500円  -700 円 (-21.9%) ストップ安   本日終値

フォースタートアップス <7089>  1,837円  -500 円 (-21.4%) ストップ安   本日終値

JDSC <4418>  727円  -116 円 (-13.8%) ストップ安   本日終値

など、4銘柄

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