クラボウ---22年3月期の売上高1,322.15億円、中期経営計画「Creation'21」の目標達成に注力

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2022年5月13日 12時38分

クラボウ<3106>は12日、2022年3月期連結決算を発表した。売上高が1,322.15億円、営業利益が75.28億円、経常利益が87.83億円、親会社株主に帰属する当期純利益が56.02億円となった。「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を当年度の期首から適用しており、2022年3月期に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、対前期増減率は記載していない。

2022年3月期は、新型コロナウイルス感染症の影響が引き続き大きく、原材料などの価格高騰やサプライチェーンの混乱による調達難などの要因も加わり、本格的な景気回復には至らなかった。こうした環境下において、同社グループは、ウィズコロナが常態化した市場のニーズに対応した営業活動や、社会課題の解決に資する商品・サービスの開発に注力するなど、中期経営計画「Creation'21」の目標達成に努めた。

セグメント別に見ると、繊維事業の売上高は446億円(前年同期は421億円)、営業損失は1.7億円(前年同期は18.2億円の損失)となった。糸は、国内やブラジルを中心とした海外子会社の受注が回復し、順調だった。テキスタイルは、ユニフォーム及びカジュアル向け素材が、前年度の新型コロナウイルス感染症拡大による大幅な受注の減少から回復傾向だった。繊維製品は、カジュアル衣料の受注増により回復傾向となった。また、製造・販売の両面において収益改善策を実施した。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は54億円減少している。

化成品事業の売上高は516億円(同485億円)、営業利益は29.7億円(同14億円)となった。軟質ウレタンは、自動車メーカーにおける車載向け半導体不足の影響を受けたが、前年度の新型コロナウイルス感染症拡大による大幅減産に伴う受注低迷からは回復した。機能樹脂製品は、好況な半導体業界の影響を受けて、半導体製造装置向け高機能樹脂加工品が好調に推移し、また自動車向け機能フィルムの販売が堅調だった。住宅用建材は、新規に開始した防熱工事の受注が順調に推移したが、景観材などの販売が低調だった。不織布は、自動車用フィルターが堅調だった。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は53億円減少している。

環境メカトロニクス事業の売上高は235億円(同186億円)、営業利益は27.7億円(同15.6億円)となった。エレクトロニクスは、好況な半導体業界の影響を受けて、液体成分濃度計及び基板検査装置が好調に推移し、子会社でも半導体洗浄装置の大型案件があった。また、前年度末に連結子会社となったセイキの業績も寄与した。エンジニアリングは、排ガス処理設備などが堅調に推移し、子会社でも大型プラント案件があった。バイオメディカルは、撹拌脱泡装置は順調に推移したが、新型コロナウイルス抗体検査試薬キットの販売が減少した。また、工作機械は、国内向けの販売は低調に推移したが、米国及び中国向けの販売が回復した。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は4億円増加し、営業利益は0.4億円増加している。

食品・サービス事業の売上高は84億円(同86億円)、営業利益は2.7億円(同2.7億円)となった。食品は、新型コロナウイルス感染症の影響長期化に伴う、内食需要の継続により成型スープの販売が好調だった。ホテル関連は、緊急事態宣言等による行動制限などの影響により、宿泊や宴会が引き続き低調だった。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は6億円減少している。

不動産事業について、不動産賃貸は賃貸事業の推進に注力したが、一部の賃貸物件の契約期間満了により、売上高は37億円(同40億円)、営業利益は27.4億円(同28.4億円)となった。

2023年3月期通期については、売上高が前期比9.7%増の1,450.00億円、営業利益が同7.0%減の70.00億円、経常利益が同13.5%減の76.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.4%減の53.00億円を見込んでいる。

《YM》

提供:フィスコ

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