富田隆弥の【CHART CLUB】 「ナスダック調整は変化日の26週目を経過」
◆世界マーケットのカギを握るのが米国だが、その米国ではNYダウ、ナスダックともに下げ基調にあり、週足チャートは二段下げに突入している。NYダウの日足は5月12日安値の3万1228ドルまで下ヒゲを伸ばしたが、翌13日の上昇で「明けの明星」を描き、17日には3万2689ドルまで上昇した。だが、18日に前日比1164ドル安と今年最大の下げ幅を記録し、19日は12日安値の3万1228ドルを割り込んでしまった。「明けの明星」効果もあっという間に終わり、下げ基調が続いていることを確認した。
◆日経平均株価は、3月25日の戻り高値2万8338円から一進二退、日足チャートは下向きのチャネルを描いている。18日は4日続伸で一時2万7053円の高値をつけチャネル上限に差し掛かったが、19日は508円安の2万6402円で引け、チャネル突破はならなかった。ただ、この18日高値の2万7053円を抜くのならばチャネル突破となり、200日移動平均線(2万8000円近辺)を目指す可能性が出てくるのでマークしておきたい。
◆米国のナスダックは、昨年11月22日に最高値1万6212ポイントをつけ、5月12日の安値1万1108ポイントまで31.4%下げている。厳しい相場になっているが、ただ高値から26週(変化日=基本数値)を経過し、二段下げのN波1万0989ポイントに迫り、RCI(順位相関指数)は日足、週足とも底値圏に到達するなど、テクニカル的にはいつ反発してもおかしくない。17日の戻り高値1万1988ポイントを上抜く「1万2000ポイント」を目先好転の兆しポイントとしてマークしておきたい。
◆チャートの好転を確認するまでは買い方は苦しく、売りの出やすい地合いであるから「流れに逆らうな」が基本だ。とはいえ、様子見姿勢が長引くことで「そろそろ何か買いたい」との意欲も湧いてくる。動く場合は、まず小口の打診買いで、ダメならすぐやめるという機敏な対応を前提にして臨みたい。
(5月20日 記、毎週土曜日に更新)
株探ニュース