株価指数先物 【週間展望】 ―日経225先物は押し目ではロングの動き、グローバル対比で相対的な底堅さが意識される可能性

市況
2022年5月22日 17時00分

「日経225先物は押し目ではロングの動き、グローバル対比で相対的な底堅さが意識される可能性」

今週の日経225先物は、高ボラティリティで値幅の出るマーケット環境下ではあるものの、グローバル対比では強さを見せてくると想定しておきたい。

先週の日経225先物は18日まで4営業日続伸し、13日の2万5540円(ナイトセッション)を安値に18日には2万7060円までリバウンドを見せた。19日には490円安と大幅に下落したが、週末20日には400円高となり、週間ベースでは反発した。一方、景気後退(リセッション)入りが警戒されている米国市場ではNYダウが8週連続で下落しており、1923年以来の長期下落となっている。

ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなどでは「リセッション懸念は行き過ぎ」といった見方をしているが、投資家はリスク資産を圧縮する動きをより強めているように見られる。その要因の一つに挙げられるのが、先週の小売り大手ウォルマート<WMT>やディスカウント大手のターゲット<TGT>といった、大型生活必需品銘柄と大型一般消費財銘柄が崩れたことだ。景気の低迷時に頼れると信じられていた銘柄だっただけに、予想外の業績悪化がセンチメントを冷ます格好となった。

また、 S&P500は12日に3858ポイントまで下げて、いったんはショートカバーが強まり、17日には4090ポイントを回復。ただし、その後は再び売り直され、20日には一時3810ポイントまで下げる局面も見られた。S&P500の下落については、EV(電気自動車)大手のテスラ<TSLA>が「S&P500 ESG指数」から除外されたことも要因とされるが、供給不足と原材料価格の高騰に直面するなかで先行き不透明感が強まっており、テスラの下落が他のグロース株の売りにも波及した格好だ。

なお、20日の米国市場はNYダウ、S&P500は売り一巡後に買い直され小幅に上昇。ナスダックは続落したものの小幅な下げであり、安値からは300ポイントほど下落幅を縮めていた。いずれも安値更新後に買い戻された格好である。また、20日はオプションの満期日だったこともあり、推計1兆9000億ドル(約240兆円)に上る既存のポジションから新たなポジションを構築するタイミングであった。そのため、週初はオプション満期日通過後の米国市場の動向が注目されることになりそうだ。

そうしたなか、東京市場は足元では2万6000円~2万7000円辺りで保ち合いを形成。テクニカル面では25日、75日移動平均線が位置する2万7000円水準で上値を抑えられる動きが見られるが、レンジ下限を下回る局面では押し目狙いのロングが目立った。日米金利差を狙った海外勢の資金流入に対する思惑も高まりやく、決算発表を通過したことで改めて業績を手掛かりに見直す動きも見られている。ソフトバンクグループ <9984> [東証P]は決算通過でショートカバーを強めており、抵抗線として意識されている25日、75日線を明確にクリアしてくるようだと、指数インパクトの大きいこともあり、市場参加者全般のセンチメント改善につながりそうだ。

20日のVIX指数は29.43と小幅に上昇した。一時32.91まで上昇したが、前日の高値水準で上値を抑えられていた。依然として75日線(26.74辺り)を上回って推移しているため楽観はできないが、30.00を下回る推移が続くようであれば、米国市場においても改めてショートカバーが意識されてくる可能性はあるだろう。

また、先週のNT倍率は先物中心限月で14.23倍に上昇して終えた。18日に14.32倍まで上げて1月下旬以来の水準をつけた後に、19日には14.19倍に低下。ただし、75日線が支持線として機能する格好で週末にはリバウンドを見せていた。日本株が相対的に底堅い動きを見せてくる中では、NTロングの動きが強まりやすいと見ておきたい。なお、米国では25日にエヌビディア<NVDA>の決算発表が予定されている。ゲーム向け半導体が減速との見方から足元で売られているだけに、決算がアク抜けにつながれば、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への支援材料になりそうだ。

5月第2週(5月9日-13日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりに売り越しており、売り越し額は7530億円(前週は1003億円の買い越し)だった。なお、現物は3534億円の売り越し(同514億円の買い越し)と7週ぶりの売り越しであり、先物は3996億円の売り越し(同488億円の買い越し)と2週ぶりに売り越している。個人は現物と先物の合算で3869億円の買い越しで、2週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で1973億円の買い越しとなり、3週連続の買い越しだった。この週は注目されていた米消費者物価指数(CPI)、中国景気鈍化懸念の再燃などで指数が振らされたほか、国内では個別銘柄の決算発表もピークを迎えていたことで、トヨタ自動車 <7203> [東証P]、NTT <9432> [東証P]をはじめ大型銘柄のザラ場決算もあったため、指数へのインパクトも少なくなかった。

経済スケジュールでは、24日に米国5月製造業購買担当者景気指数(PMI)、米国5月サービス部門PMI、米国5月リッチモンド連銀製造業指数、25日に3月景気動向指数改定値、米国4月耐久財受注、26日に米1-3月期 GDP改定値、27日に中国1-4月工業企業利益、米国4月卸売在庫、米国4月個人消費支出(PCE)、米国5月ミシガン大学消費者態度指数確報値などが予定されている。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値

01月限 日経225 28266.57  TOPIX  1988.69

02月限 日経225 27835.60  TOPIX  1965.67

03月限 日経225 25457.94  TOPIX  1808.03

04月限 日経225 27122.37  TOPIX  1904.02

05月限 日経225 25951.24  TOPIX  1838.12

◆日経225先物(日足)

始値   高値   安値   清算値  前日比

22/06 05月20日  26210  26770  26080  26770  +400

22/06 05月19日  26860  26930  26120  26370  -490

22/06 05月18日  26650  27060  26640  26860  +230

22/06 05月17日  26500  26710  26430  26630  +150

22/06 05月16日  26390  26870  26370  26480  +90

◇TOPIX先物(日足)

始値   高値   安値   清算値  前日比

22/06 05月20日  1847.0  1880.5  1835.5  1880.5  +22.5

22/06 05月19日  1881.5  1888.0  1837.5  1858.0  -23.5

22/06 05月18日  1865.0  1891.0  1864.5  1881.5  +18.5

22/06 05月17日  1860.0  1874.0  1857.5  1863.0  +4.0

22/06 05月16日  1863.0  1888.0  1858.5  1859.0  -3.0

●シカゴ日経平均 円建て

清算値  前日比

05月20日(06月限)  26715  -55

05月19日(06月限)  26370   0

05月18日(06月限)  26295  -565

05月17日(06月限)  26825  +195

05月16日(06月限)  26500  +20

※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)

  売り   前週末比   買い    前週末比

05月13日    2847億円  +105億円  7141億円  +161億円

05月06日    2741億円  -107億円  6979億円  -314億円

04月28日    2849億円  +246億円  7294億円  -342億円

04月22日    2603億円  +53億円  7636億円  -332億円

04月15日    2549億円  -298億円  7969億円  -873億円

04月08日    2848億円  -226億円  8842億円  -2056億円

04月01日    3074億円  +560億円 1兆0899億円  -2338億円

03月25日    2514億円  +136億円 1兆3237億円  +1692億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)

売り      前日比  買い       前日比

05月18日    8267万株   +869万株  2億5902万株   +327万株

05月17日    7398万株   -474万株  2億5575万株   -840万株

05月16日    7872万株   -116万株  2億6415万株   -194万株

05月13日    7989万株   -2460万株  2億6609万株   +656万株

05月12日  1億0450万株    -37万株  2億5953万株   -645万株

05月11日  1億0487万株   +305万株  2億6598万株   +336万株

05月10日  1億0182万株   +1370万株  2億6262万株   +256万株

05月09日    8812万株   +824万株  2億6006万株   +463万株

05月06日    7988万株   -375万株  2億5543万株   -130万株

05月02日    8363万株   -191万株  2億5673万株   -949万株

04月28日    8554万株   +1662万株  2億6622万株   +596万株

04月27日    6892万株   -919万株  2億6026万株   -1244万株

04月26日    7811万株    -38万株  2億7271万株   -539万株

04月25日    7850万株   +151万株  2億7810万株   -309万株

04月22日    7699万株    +26万株  2億8120万株   -1093万株

04月21日    7672万株    -68万株  2億9214万株   +457万株

04月20日    7741万株    +82万株  2億8756万株   +782万株

04月19日    7658万株    -57万株  2億7974万株   -310万株

04月18日    7716万株   +440万株  2億8285万株   -1008万株

■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)

【2022年】

1月14日  701億円

1月25日  701億円

2月14日  701億円

3月07日  701億円

4月07日  701億円

5月19日  701億円

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