今期活躍期待の【連続最高益】銘柄リスト〔第1弾〕34社選出 <成長株特集>

特集
2022年5月22日 19時30分

先週までに3月期決算企業の本決算発表がほぼ出そろった。本特集では、22年3月期に経常利益ベースで過去最高益を達成し、23年3月期も成長継続を見込んでいる連続最高益銘柄を探った。

下表では、今回は第1弾として時価総額3000億円以上の3月期決算企業を対象に、23年3月期に経常利益が連続で最高益を見込み、かつ同利益が前期と比べて5%以上伸びる見通しを示している34社を選び出し、「増益率が大きい」→「最高益の連続期数が多い」順に記した。

増益率トップとなったのは、小野薬品工業 <4528> [東証P]。23年3月期の税引き前利益は前期比39.0%増の1460億円に拡大し、4期連続で過去最高益を更新する見通しだ。主力のがん免疫薬「オプジーボ」が肺がんや胃がん、尿路上皮がん、原発不明がんなどでの使用が拡大するほか、ロイヤリティ収入も引き続き伸びる。業績好調に伴い、配当は前期比10円増の66円に増配する方針とした。不安定な相場が続くなか、業績成長を伴うディフェンシブ株として人気を集め、株価は16年8月以来、約5年9ヵ月ぶりの高値圏を快走する展開となっている。

2位に入ったオリンパス <7733> [東証P]の今期税引き前利益は前期比33.4%増の2000億円と2期連続の最高益更新を計画する。主力の内視鏡事業で消化器内視鏡システム「EVIS X1」の販売拡大を計画するほか、治療機器事業では注力分野の消化器科、泌尿器科、呼吸器科を中心に売上成長を見込む。また、科学事業の伸長に加え、固定資産譲渡益164億円を計上することも利益拡大につながる。

3位にリスト入りした半導体検査装置大手アドバンテスト <6857> [東証P]の今期業績は、売上高5100億円(前期比22.3%増)、税引き前利益1500億円(同28.9%増)といずれも3期連続で過去最高を更新する計画だ。半導体の需要拡大や高性能化を背景に受注が高水準で推移するなか、先端プロセス品や車載・産業機械・民生向けのSoC(システム・オン・チップ)半導体用試験装置を中心に販売が伸びる。また、為替の円安進行も追い風となる。

選出リストの上位にはアドテストを筆頭に半導体関連銘柄が多く入った。半導体製造装置大手のSCREENホールディングス <7735> [東証P]が6位、東京エレクトロン <8035> [東証P]が9位、半導体パッケージの総合メーカーである新光電気工業 <6967> [東証P]が15位にそれぞれリスト入りしている。また、12位に入った電子顕微鏡トップの日本電子 <6951> [東証P]は利益率の高い半導体向け電子ビーム描画装置の販売が好調だ。

10位の日本特殊陶業 <5334> [東証P]も半導体製造装置用部品の増勢が続く。また、自動車生産の回復を背景に新車組み付け用プラグや排ガスセンサーが持ち直す見込みだ。原材料高騰分の価格転嫁に加え、為替の円安効果も利益を押し上げる。好調な業績を踏まえ、配当は前期比36円増の138円に増配する方針を示した。配当利回りは5%台後半で推移する一方、予想PERは7.0倍と割安感が強く、見直し余地は大きいとみられる。

内需関連に目を移すと、SCSK <9719> [東証P]、オービック <4684> [東証P]、伊藤忠テクノソリューションズ <4739> [東証P]、野村総合研究所 <4307> [東証P]、NTTデータ <9613> [東証P]といったITサービス大手を中心に情報通信業の強さが目立つ。デジタルトランスフォーメーション(DX)など企業のIT投資ニーズは今期も活発な状況が続きそうだ。

このほか、22位のカプコン <9697> [東証P]は「モンスターハンターライズ」の超大型有料拡張コンテンツ「モンスターハンターライズ:サンブレイク」をはじめとした新作を投入するほか、「バイオハザード ヴィレッジ」「モンスターハンターストーリーズ2」といったリピートタイトルの販売を進め、今期の経常利益は前期比8.3%増の480億円と6期連続の最高益更新を狙う。決算が評価され、株価は19日に上場来高値まであと105円に迫る3695円まで駆け上がる場面があった。

 ┌─── 経常利益 ───┐  最高益  予想

コード 銘柄名     増益率 23年3月期 22年3月期 連続期数  PER

<4528> 小野薬     39.0  146000  105025    4  15.5 *

<7733> オリンパス   33.4  200000  149873    2  22.0 *

<6857> アドテスト   28.9  150000  116343    3  14.7 *

<3088> マツキヨココ  27.0   57000   44881    2  18.8

<3116> トヨタ紡織   25.5   81000   64529    2   7.3 *

<7735> スクリン    22.8   73000   59438    2  10.9

<6370> 栗田工     21.3   36500   30079    4  21.2 *

<6594> 日電産     20.4  206000  171145    2  28.9 *

<8035> 東エレク    19.0  716000  601724    3  17.4

<5334> 特殊陶     16.9   97800   83642    3   7.0 *

<8876> リログループ  16.3   23500   20198    2  20.8 *

<6951> 日電子     15.2   18800   16313    2  23.0

<9719> SCSK    13.2   54700   48315    3  17.6 *

<6869> シスメックス  12.7   72500   64346    2  33.3 *

<6967> 新光電工    12.1   85000   75820    2  11.2

<6971> 京セラ     10.6  220000  198947    2  16.5 *

<6473> ジェイテクト  10.4   48500   43934    3  13.5 *

<9962> ミスミG     9.7   57600   52500    2  19.8

<8354> ふくおかFG   9.1   83000   76086    2   7.3

<4684> オービック    9.0   65600   60174   11  36.1

<3774> IIJ      8.8   26300   24162    4  23.5 *

<9697> カプコン     8.3   48000   44330    6  21.8

<4739> CTC      8.0   56000   51875    7  19.1 *

<4307> 野村総研     8.0  113000  104671    2  25.8 *

<8802> 菱地所      6.8  271000  253710    2  14.7

<2127> 日本M&A    6.7   18000   16864   13  34.3

<7550> ゼンショHD   6.7   24673   23117    2  32.2

<9613> NTTデータ   6.6  230000  215849    2  20.7 *

<4091> 日本酸素HD   5.9   97000   91611    2  15.6 *

<4088> エアウォータ   5.9   68000   64230    2   9.0 *

<6988> 日東電      5.8  140000  132378    2  13.3 *

<8766> 東京海上     5.7  600000  567413    2  10.7

<8111> ゴルドウイン   5.5   21400   20285    2  21.5

<6367> ダイキン     5.3  345000  327496    2  25.3

※経常利益の単位は百万円。

※連続期数は同一会計基準における期数。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。

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