話題株ピックアップ【夕刊】(2):アサヒ、パソナG、SBG

注目
2022年5月26日 15時18分

■アサヒ <2502>  4,245円  +62 円 (+1.5%)  本日終値

アサヒグループホールディングス<2502>、キリンホールディングス<2503>、サッポロホールディングス<2501>などビール株が揃って上昇している。原料価格や輸送コストの上昇を受けビールや清涼飲料水の値上げの動きが顕在化してきた。25日、アサヒ傘下のアサヒ飲料はペットボトル入り清涼飲料水などを10月1日から値上げすることを発表した。これに先立ってサントリー食品インターナショナル<2587>が値上げを表明しており、業界全体が値上げで足並みを揃える方向となってきた。また、キリンHDも25日にビールや缶酎ハイなど酒類278品目を10月1日から値上げすることを発表しており、こうした各社の製品価格引き上げの動きが本格化することで、収益押し上げ効果につながるとの思惑が投資資金を誘導している。

■パソナグループ <2168>  1,991円  +26 円 (+1.3%)  本日終値

パソナグループ<2168>が高い。人材派遣大手でワクチン接種関連特需も加わり業績は引き続き好調に推移している。25日取引終了後に22年5月期の配当計画について従来計画の30円(前期実績も30円)から35円に増額することを発表、これが株価を刺激する格好となった。なお、同社の今期業績予想は営業利益段階で前期比10%増の220億円を見込んでいる。PER9倍と株価指標面から割安感があるほか、株価位置的にも時価は年初来安値近辺にあることで、値ごろ感からの買いも誘導されやすい。

■ソフトバンクグループ <9984>  5,164円  +62 円 (+1.2%)  本日終値

ソフトバンクグループ<9984>が3日ぶり反発。5000円台前半は強弱観が対立するなかも、今週は米ハイテク株安などを受け上値の重い展開を強いられていたが、きょうは押し目買いの動きが優勢となっている。前日の米国株市場ではハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が反発したことで、風向きは順風に変わっている。直近データで信用買い残が大幅に減少する一方、売り残が増加しており、株式需給面の改善もポジティブ材料。また、同社が出資する中国電子商取引大手アリババ集団<BABA>のADRの株価動向は、ここ再び下値模索の動きとなっているが下げ幅は限定的で、きょうの決算発表に市場の注目が集まっている。

■アバント <3836>  1,289円  +3 円 (+0.2%)  本日終値

アバント<3836>は続伸。午後1時ごろ、22年6月期の期末一括配当予想を12円から13円へ引き上げると発表しており、これを好感した買いが入った。きょうで創立25周年を迎えたことから、記念配当を実施するという。前期実績に対しては2円の増配となる予定だ。

■ディー・エヌ・エー <2432>  1,816円  -170 円 (-8.6%)  本日終値  東証プライム 下落率トップ

ディー・エヌ・エー<2432>が大幅安。25日の取引終了後、医療ICTベンチャーのアルム(東京都渋谷区)を子会社化すると発表。今後の展開が期待される一方、開示されているアルムの直近3年間の業績では最終赤字が続いており、連結業績への影響を懸念した売りが優勢となったようだ。子会社化においては第一段階としてアルムの第三者割当増資を引き受け、その後アルム代表取締役社長の坂野哲平氏が保有する株式を取得し、57.5%を握る子会社とする見通し。会社側では、24年3月期までにヘルスケア領域で大きく損益反転することを目指しており、今回の子会社化はこの目標に大きく資する取り組みとしている。

■レーザーテック <6920>  16,935円  -290 円 (-1.7%)  本日終値

レーザーテック<6920>、東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>など大手半導体製造装置メーカーの株価が総じて冴えない動きをみせている。前日の米国株市場ではハイテク系グロース株に買い戻される銘柄が目立ち、そのなかフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も2%近い上昇で切り返した。ただ、同日にエヌビディア<NVDA>が発表した決算では、5~7月期の業績見通しについて市場コンセンサスを下回る弱い予想を示したことで、同社株は時間外取引で売られており、これが東京市場の半導体関連株の上値を重くしている。

■カイゼン <4170>  482円  +80 円 (+19.9%) ストップ高   本日終値

Kaizen Platform<4170>が急騰。きょう午前に、KDDI<9433>と共同で、自治体向けに見やすく使いやすいウェブサイトに改善・構築するソリューションの提供を開始すると発表しており、これを好感する買いが入った。ウェブサイト改善の対応が追いついていない自治体に対し、クラウド化への迅速な対応と同時に、継続的にウェブアクセシビリティを維持・向上する体制を構築する。KDDIが全体設計とクラウド導入、同社はウェブサイトの分析・改善を担当するという。なお、同ソリューションは既に、国土交通省の「川の防災情報」ウェブサイトに一部導入されたとしている。

■ブロードE <4415>  956円  +150 円 (+18.6%) ストップ高   本日終値

ブロードエンタープライズ<4415>がストップ高。同社はきょう、不動産経営サポートや不動産管理サービスを提供するResior(京都市左京区)と業務提携したと発表しており、これが材料視されたようだ。業務提携の内容は、ResiorがブロードEのマンション向け高速インターネット「B-CUBIC」及びIoTインターフォンシステム「BRO-LOCK」を、管理する賃貸物件の所有者に紹介、導入提案を行うもの。具体的な実施内容については今後、物件ごとにそれぞれ個別で締結する契約書で詳細を定める予定だとしている。

■ULSグループ <3798>  3,400円  +395 円 (+13.1%)  本日終値

ULSグループ<3798>は急伸。25日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表しており、これが好材料視された。上限を20万株(発行済み株数の3.6%)、または6億円としており、取得期間は6月1日から7月31日まで。機動的な資本政策を行うためとしている。

■富士古河E&C <1775>  2,910円  +303 円 (+11.6%)  本日終値

富士古河E&C<1775>は3連騰。同社は富士電機系のプラント・空調工事会社だが、資材価格の上昇もITを活用した合理化で利益率を維持、足もとの業績に反映させている。25日取引終了後に発表した22年3月期決算は営業利益が前の期比10%増の65億9200万円と2ケタ伸長を達成。続く23年3月期は前期比微増の66億5000万円を見込んでいる。同社は株主還元に積極的な姿勢をみせており、前期は21年3月期実績から40円の大幅増配となる130円を実施する。これは従来計画に30円も上乗せされた。更に今期は20円増配の150円を計画、配当性向は30%に達する見通し。これを評価する形で投資資金が流入した。

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