【植木靖男の相場展望】 ─近づく米国株底入れで次世代テーマ鮮明へ
「近づく米国株底入れで次世代テーマ鮮明へ」
●米国株の底打ちを待つ日本市場
日経平均株価はここ1カ月ほど2万7000円を上値の壁として、2万6000円と2万7000円の間でもみ合いを続けている。だが、ここへきて新たな展開が期待できそうである。
2万7000円を抜けないのは、米国株の底打ちを待っているかにみえる。
5月26日にNYダウは516ドル高と急騰。今後、相場の肝である5月17日の3万2654ドルを完全に抜けば、第一次上値抵抗線、第二次上値抵抗線を突破し、買い転換する。もちろん、過去の経験からして100%買い転換とは言い切れないが、NYダウの底打ちが確認されれば、日経平均株価も容易に2万7000円を突破することになろう。幸いなことに2万8000円前後までは戻り相場の肝となる水準は見当たらない。
筆者は米国株価はいったん自律反発に転じる頃合いとみているが、仮に5月末から6月にかけて想定通りの展開となった時、どのような業種なり銘柄群が浮上するとみればよいのか。
一言でいえば、グロース株も景気敏感株も大きく下げた銘柄は回復に入るとみられる。ちなみに、平成バブル崩壊後、自律反発となったときは、ピークの半値戻りが一つの目標となった。
したがって、当分はグロース株、景気敏感株、いずれも交互物色で半値戻りに向かうとみられる。
●反発相場の主役はIT企業から交代へ
問題はその後だ。おそらく次々と切り落とされ、残った銘柄群が次世代の主役となる。どのような銘柄なのであろうか。はっきりしていることは、これまで主役を果たしてきたIT企業関連でないことは確かであろう。
参考になるのは米銀大手バンク・オブ・アメリカが提示したテーマだ。それは 航空・防衛、原子力・再生エネルギー、貴金属・鉱物、燃料、農業である。果たしてどうか。
さて、当面の物色銘柄だが、まずはパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス <7532> [東証P]だ。総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」を運営する。2021年6月期まで32期連続で増収・営業増益中だ。信用取組がよい。チャートもここ数日久々の人気ぶりだ。
次は資生堂 <4911> [東証P]。5月以降、底値圏でのもみ合いも長い。いつ反発相場がスタートしてもおかしくない。「『メード・イン・ジャパン』の売れ筋商品が変化している。20年前に1ドル=130円を付けた2002年と21年の輸出額を比べると、化粧品が12倍になるなど日用品や食品の伸びが目立った」(5月26日付の日本経済新聞)という日本の看板商品を巡る報道も支援材料だ。
また、IHI <7013> [東証P]もおもしろそうだ。航空旅客の回復は業績に追い風という。三菱重工業 <7011> [東証P]など総合重工業として久々に値動きがよい。次世代の主役の一翼を担う可能性もあろう。過去多くの大相場において株価上昇で上位に顔を出してきた。注目したい。
2022年5月27日 記
株探ニュース