話題株ピックアップ【夕刊】(1):WSCOPE、大阪チタ、飯野海
■ダブル・スコープ <6619> 1,335円 +195 円 (+17.1%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
ダブル・スコープ<6619>が上昇加速。きょうで4連騰となるが上げ幅も一気に拡大し、5月20日につけた年初来高値1215円を大幅にクリアし新値街道に突入している。時価は2019年7月以来約3年ぶりの高値圏に浮上した。同社はリチウムイオン蓄電池のセパレーター専業で生産拠点を韓国に置いている。ここEV関連市場の拡大が続くなか、基幹部品であるリチウムイオン電池の需要も旺盛で同社の収益環境に吹く追い風は強い。きょうは「(前日に)パナソニック ホールディングス<6752>の子会社が、高水準の引き合いを背景にEV電池生産を28年度に3~4倍に増やすと発表しており、これがWSCOPEの株価刺激材料ともなったようだ」(中堅証券ストラテジスト)としている。また、同社株は直近、貸株調達による外資系証券経由の空売り残が増加していたことで、その買い戻しも誘発しているもようだ。
■大阪チタ <5726> 2,214円 +301 円 (+15.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
大阪チタニウムテクノロジーズ<5726>が急騰したほか、東邦チタニウム<5727>も一時9.7%高と大きく水準を切り上げる展開にある。ロシアのウクライナ侵略に絡みチタン鉱石の需給が逼迫し、価格高騰を招いている。直近では、石原産業<4028>が5月30日に酸化チタンを7月から値上げすることを発表している。大阪チタや邦チタなどが製造するスポンジチタン価格も今後一段の上昇が予想され、収益上乗せの思惑が投資資金の攻勢を誘っている。
■飯野海運 <9119> 789円 +74 円 (+10.4%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
飯野海運<9119>が全体軟調地合いに逆行高。タンカーやばら積み船、ケミカル船などを運航するが、利益の原動力は飯野ビルの賃貸など不動産事業だ。不動産投資信託など日本の不動産関連市場への海外マネー流入が顕著となっているが、ここ最近の円安を背景に今後は都心の一等地などへの投資意欲を一段と喚起する公算が大きい。そうしたなか、膨大な土地含み益を持つ同社株への注目が高まっている。22年3月期営業利益は前の期比10%増の75億2400万円と2ケタ成長を達成。23年3月期は70億円見通しと減益を予想するが、昨年6月に竣工した日比谷フォートタワーの存在が注目されており、今期はこのフォートタワーの通年寄与が見込まれることで、収益見通しが上振れる可能性もある。
■松屋 <8237> 893円 +68 円 (+8.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率6位
百貨店株が高い。松屋<8237>やエイチ・ツー・オー リテイリング<8242>、三越伊勢丹ホールディングス<3099>は続伸で年初来高値を更新したほか、J.フロント リテイリング<3086>、高島屋<8233>も高い。1日の取引終了後、5社が発表した5月の既存店売上高(速報)は、前年同月比で軒並み急回復している。売上高の伸び率では、阪急阪神百貨店を展開するH2Oリテイが3.0倍、松屋が95.0%増、三越伊勢丹が64.3%増、Jフロント傘下の大丸と松坂屋合計で86.2%増、高島屋が63.3%増(国内百貨店子会社含む)だった。5月は前年の臨時休業の反動から客足が回復し購買意欲も高いという。商品別ではラグジュアリーブランドなど高額品が好調だったほか、ゴールデンウイーク中の帰省土産なども売り上げを伸ばした。
■内田洋行 <8057> 4,995円 +370 円 (+8.0%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位
内田洋行<8057>が急反発。1日の取引終了後、22年7月期の連結業績予想について、売上高を2100億円から2200億円(前期比24.4%減)へ、営業利益を53億円から63億円(同39.2%減)へ、純利益を32億5000万円から35億円(同43.2%減)へ上方修正したことが好感された。前年のGIGAスクール構想案件の影響の反動で、業績は前年同期を下回る見込みであるものの、第3四半期までにGIGAスクールの追加案件並びに周辺需要や、ICT支援員などの人材サービス事業の需要の獲得が好調に推移した。また、新型コロナウイルス感染症のオミクロン変異株の拡大の影響による停滞も一部ではみられたものの、民間市場の需要は着実に回復すると見込まれることも寄与する。同時に発表した第3四半期累計(21年7月21日~22年4月20日)決算は、売上高1560億5000万円(前年同期比34.0%減)、営業利益76億5100万円(同36.2%減)、純利益44億2500万円(同38.8%減)だった。
■フリュー <6238> 1,150円 +76 円 (+7.1%) 本日終値
フリュー<6238>が5連騰。SMBC日興証券が1日付で投資評価「1」、目標株価2000円で新規にカバレッジを開始しており、これが好材料視されたようだ。同証券では、国内市場シェア90%超のプリントシール機事業での安定的な収益創出に加えて、人気IPを活用したキャラクター製品が第2の収益の柱へと成長することで、今後5年の売上高成長率は年5.7%、連結営業利益成長率は同12.7%になると予想。中長期では、海外向け物販及び高価格帯ホビーの成長が増益ドライバーになると見込む。
■ワークマン <7564> 4,925円 +325 円 (+7.1%) 本日終値
ワークマン<7564>が3日ぶりに反発。1日の取引終了後に発表した5月度の月次売上高速報で、既存店売上高が前年同月比2.3%増と2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。大型連休に合わせて、キャンプギアやアスレシューズなどアウトドア・スポーツ関連商品が好調に推移した。また、気温の上昇に伴い、半袖Tシャツや夏物レディース衣料が売り上げを伸ばした。なお、全店売上高は同9.5%増だった。
■レーサム <8890> 1,140円 +66 円 (+6.2%) 本日終値
レーサム<8890>が大幅高。同社は富裕層などを対象に収益不動産を組成し販売する不動産流動化ビジネスを展開している。為替の円安進行などを背景に、海外マネーが不動産投資信託などをはじめ日本の不動産市場に流入するなか、同社のビジネスチャンスも広がっており、株価も年初から一貫して上昇基調を強めている。そうしたなか、同社は1日取引終了後に、株式公開買い付け(TOB)により、発行済み株式数21.57%相当の800万株、金額で78億2400万円を上限とする自社株買いを発表した(買い付け期間は今月2日から29日まで。買い付け価格は978円)。これを材料視する形で投資資金が攻勢をかけている。
■太陽誘電 <6976> 5,620円 +320 円 (+6.0%) 本日終値
太陽誘電<6976>が大幅反発。SMBC日興証券が1日付で投資評価を「2」から「1」とし、目標株価を6200円から7100円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券によると、短期業績は上海ロックダウンやウクライナ問題の影響など不透明感が強いものの、最終需要のクラッシュがなければ、同社の自動車用MLCC(積層セラミックコンデンサ)の成長率の高さに焦点があたると見込む。足もとのバリュエーションには割安感があり、中華スマートフォンや自動車市場が正常化に向かう過程ではバリュエーションの拡大が期待でき、投資妙味があるとしている。
■H2Oリテイ <8242> 1,035円 +52 円 (+5.3%) 本日終値
1日に発表した「5月百貨店事業売上高は3倍」が買い材料。
5月百貨店事業売上高は前年同月比3.0倍。
株探ニュース