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先手必勝で日米株同時スタート、「大胆なようで手堅い」で勝利を掴む技

特集
2022年6月9日 10時05分

目指せ億トレ、頑張り投資家さんの稼ぎ技 wmさんの場合-第1回

登場する銘柄
日本リート<3296>、伊藤忠アドL<3493>、GLP<3281>、フロンテオ<2158>、アッヴィ<ABBV>、トロント-ドミニオン・バンク<TD>、ブリストル-マイヤーズ・スクイブ<BMY>、アルトリア・グループ<MO>、eMAXIS Slim 米国株式、楽天・全米株式インデックスファンド

編集・構成/真弓重孝(株探編集部)、文・イラスト/福島由恵(ライター)

【タイトル】wmさん(ハンドルネーム・男性・30代)のプロフィール:
普段は教師を務める兼業投資家。投資を始めたのはコロナ大暴落直後の2020年4月のルーキーながら、400万円の元手に相続や追加資金も入れて、運用資産は2年ほどで2500万円に膨らんでいる。小学生の頃からプレーしてきたサッカーで将来は生活していくことを目指し、投資では月々のキャッシュフローを生んでくれる対象をメーンに銘柄を選んできた。それが幸先よいスタートを切れた要因となった。

コロナデビュー後、2年で資産を2倍近くに拡大させたのが、今回登場のwmさんだ。

近畿地方で教師をしているwmさん(ハンドルネーム)は、2020年4月のコロナ大暴落から反発に向かい始めたタイミングで、「今がチャンス」と給与で貯めた400万円を元手に投資を開始。一時は資産を2900万円まで膨らませ、足元は2500万円ほどになっている。

その間、祖父から受け継いだ1000万円や月々の給与の半分近くを追加資金に投入しながら、元手を着実に膨らませてきた。

小学校の頃からサッカーを続け、大学時代は体育会、そして社会人リーグでも選手として活動後、今も指導者としてサッカーに関わるスポ根社会人の顔も持つ。現役時代は主にディフェンダーを務めていたというwmさんが、株式投資で取るフォーメーションはアメ株7割、日本株3割の配置だ。

投資初心者のwmさんが、日本株より情報が少ないアメ株に多くの資産を配分しているのは、ディフェンダーかつ指導者としてサッカーフィールドを見てきた経験が投影されている。その詳細を見ていこう。

好発進できたのは、「先制点」「キャッシュフロー」「日米同時スタート」

wmさんが初めて立った投資のフィールドで展開してきた主な戦術は、次の3つになる。それは

・先制点狙い

・キャッシュフロー(CF)重視

・日米同時キックオフ

――だ。

最初の先制点とは、リターンのこと。wmさんは投資を始めるなら、すぐにリターンを取ることが重要だと考えていた。

【タイトル】

サッカーのみならず得点を争うスポーツでは、先制点を取った方が有利とされる。心理面で余裕が生まれ、状況を冷静に判断しやすくなるからだ。「勝負事でありゲームでもある投資でも同じ」と考えていたwmさんは、証券口座を開き資金を入金して準備万端整っても、すぐに発注ボタンを押す行動には出なかった。

「いつ始めれば、先制点(リターン)を取りやすいのか」。それを吟味していた矢先に、あのコロナ禍が襲い掛かってきた。世界的に株価が大きく暴落するさまを見て、「これはいくらなんでも売られ過ぎではないか。今が始めるチャンス」と、2020年4月をキックオフのタイミングとした。

最初に購入したのが日本リート<3296>。中規模のオフィスを中心に、住宅、商業施設など幅広い物件の家賃収入や売却益で利益を上げるREIT(不動産投資信託)だ。

株式ではなくREITを選んだのは、継続的に視聴していたある専門家のYouTubeで、「今買うならREIT」と強い推しがあったこと。それを信ずるべきか自分なりに調べると、REITには継続して投資できる魅力が備わっていることに気づいたからだ。

それが戦術の2番目に挙げたキャッシュフロー。REITは収益の9割以上が分配金として株主に還元される仕組み。安定してインカムゲインが入ることは心の安定につながる。また高いインカムゲイン狙いの買いが入ることで、株価の下支えも期待できる。

REITはコロナ禍の影響で、一時的に不動産賃貸収入が凹むことはあっても、人の活動がまったくなくならない限りは、収入が途絶えることはない。そう整理して、狙う日本リートのチャートを見ると、直近高値から半値ほどまで売り込まれていた。

今からチャートを振り返れば、その後の反発も確認できるが、当時は大きく伸びた陰線を下から眺める状況だ。ここで、これまでなんどもサッカーで絶体絶命のピンチを冷静な判断で切り抜けた経験が生きる。下から高さのある滝を見上げるようなチャートを眺めながら「これ以上の下げは起こりにくいはずだ」と意を決し、勝負に出た。

■日本リート投資法人の週足チャート(19年7月~)

【タイトル】

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同

続いて購入したのが、同じREITの伊藤忠アドバンス・ロジスティクス<3493>とGLP<3281>の2銘柄になる。いずれも物流施設を投資先とする銘柄で、マネー誌で特集が組まれ、「安定感があるREIT」として紹介されていたことが買い意欲を高めた。

もちろん、記事はきっかけの1つ。コロナ禍のステイホームの流れで、人々が外出を控えてインターネットで買い物をする様子を見て、「在庫を置く倉庫の利用が活発化する」と自身でも納得できたことで購入を決断した。

これらの3銘柄は現在も保有中で、含み益も乗っており、ここぞとばかりに勝負に出た成果が出ている。株価(投資口価格)は一本調子の上昇ではないにせよ、一度も買い値を下回ることがなく、wmさんの心の安定をもたらす存在になっている。

アメ株でさらにチーム力を強化

REITとほぼ同時に購入したのが、アメ株だ。狙いは高配当株。最初に狙ったREITと同様、インカムゲインというCFを評価して、20年4月に投資に踏み切った。これが戦術の3番目になる。

投資ルーキーのwmさんが、日本株より情報量が少ないアメ株にいきなり手を出すのは危ういという見方もできる。しかし、wmさんにとっては、世界経済を牽引する米国で活躍するアメ株の方が、日本株より安定したキャッシュフローを確保しやすいと考えて参戦した。

狙ったのは、配当利回りが魅力的な銘柄だ。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ アメ株では、どの選手で攻めた?

 

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