話題株ピックアップ【夕刊】(2):F&LC、東エレク、ソフトバンクG
■F&LC <3563> 3,080円 -110 円 (-3.5%) 本日終値
FOOD & LIFE COMPANIES<3563>が反落。消費者庁が9日、同社傘下のあきんどスシローに対して景品表示法違反(おとり広告)を認定し、再発防止を求める措置命令を行ったと発表しており、利用者離れを懸念した売りが出たようだ。スシロー全店で21年9月から12月に実施したキャンペーンで、テレビCMやホームページなどで宣伝を行っている間、実際には多くの店舗で限定商品が提供されていない時期があったとしている。
■東京エレクトロン <8035> 55,660円 -1,850 円 (-3.2%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>、レーザーテック<6920>など半導体製造装置関連株が軟調。前日の米国株市場では10年債利回りが1カ月ぶりの水準まで上昇したことを受けハイテク系グロース株への売り圧力が強まり、半導体セクターでも株価を下げる銘柄が目立った。半導体製造装置世界トップのアプライド・マテリアルズ<AMAT>が4.6%安に売られ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の下げも顕著だった。これを受けて、東京市場でも半導体製造装置の主力銘柄に、目先利益確定の売りが優勢となっている。
■ソフトバンクグループ <9984> 5,545円 -114 円 (-2.0%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>は4日ぶりに下値を探る展開。同社株は5月下旬以降戻り足を強めていたが、目先利益確定を急ぐ動きが出ている。前日に行われたECB理事会の結果を受け、世界的に金融引き締めに対する警戒感が高まっており、米国でも10年債利回りの上昇を背景にハイテク株への売り圧力が強まった。そのなか、ナスダック総合株価指数は2.7%強の下落で主要株価3指数の中でも最も下落率が大きかった。ソフトバンクGは米ハイテク株に積極投資を行っている関係でナスダック市場との株価連動性が高く、足もと風向きが悪くなっている。また、前日は同社が出資する中国電子商取引大手のアリババ集団<BABA>が8%安と急落しておりこれを嫌気する売りが優勢となった。
■キャンドゥ <2698> 2,220円 -45 円 (-2.0%) 本日終値
キャンドゥ<2698>は安い。午後2時ごろに発表した5月度の月次売上高速報で、既存直営店売上高が前年同月比2.0%減となり、7カ月連続で前年実績を下回ったことが嫌気されている。なお、全社売上高は同2.5%増と2カ月連続で前年実績を上回った。
■エッジテクノロジー <4268> 1,339円 +221 円 (+19.8%) 本日終値
エッジテクノロジー<4268>が後場急伸。午後1時ごろに発表した23年4月期単独業績予想で売上高30億2500万円(前期比39.9%増)、営業利益3億1100万円(同48.2%増)、純利益2億300万円(同48.1%増)と大幅増益を見込むことが好感された。デジタルトランスフォーメーションの加速や日本政府が進める「Society 5.0」の促進などを受けて、同社のドメインであるAI関連市場の需要が増加傾向にあり、主力のAIソリューションサービスの伸長を見込む。なお、22年4月期決算は、売上高21億6200万円(前の期比47.4%増)、営業利益2億1000万円(同5.7倍)、純利益1億3700万円(同5.7倍)だった。
■ナ・デックス <7435> 745円 +100 円 (+15.5%) ストップ高 本日終値
ナ・デックス<7435>がストップ高。同社は電子部品やFA関連機器商社で、溶接制御機器などに強みを持っている。業績は好調な自動車向けが牽引する形で会社側想定を上回って推移しており、9日取引終了後に発表した22年4月期決算は営業利益が前の期比88%増の11億7600万円と急拡大、会社側計画の9億500万円から大幅に上振れて着地した。また、23年4月期は前期比30%増の15億2500万円と高水準の伸びを見込んでおり、これを好感する買いを呼び込んだ。なお、好業績を背景に株主還元も強化、前期年間配当は従来計画に12円増額となる33円を実施、今期は更に2円増配の35円を計画している。これにより配当利回りは5%前後に達し、インカムゲイン狙いの投資資金も誘導している。
■テックポイント・インク <6697> 1,126円 +150 円 (+15.4%) ストップ高 本日終値
テックポイント・インク<6697>はストップ高。9日の取引終了後、半導体製品2品が中国の電気自動車(EV)大手BYDの純正ドライブレコーダーに採用されたと発表しており、今後の業容拡大を期待した買いが膨らんだようだ。このドライブレコーダーは、BYDが販売する量産車の大半に搭載される予定にあるという。会社側では、年内に同製品をBYD向けで110万セット以上出荷することを目標にしている。
■ベイシス <4068> 3,510円 +310 円 (+9.7%) 本日終値
ベイシス<4068>が大幅高。同社は9日、エイターリンク(東京都千代田区)が開発・製造したワイヤレス給電システム「AirPlug」の設置プロジェクトを推進すると発表。これが材料視されたようだ。エイターリンク製のワイヤレス給電システムは、IoT機器に無線で電力を供給できるといった点で技術的な課題を解決したプロダクトとなるが、設置工事が煩雑・高コストとなることが普及の妨げになっていた。ベイシスは全国に広がる300社超のパートナーとの協力体制による全国対応と、自社開発のプロジェクト管理ツール「BLAS」などITを駆使する強みを生かし、低コストで効率的な設置を請け負うという。
■ダイオーズ <4653> 1,151円 +73 円 (+6.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
ダイオーズ<4653>が後場一段高で新値追い。同社はきょう正午に、23年3月期通期の連結業績予想を公表。営業利益の見通しを前期比43.8%増の16億5300万円としたことや、期末一括配当計画を前期比4円増配の19円としていることが好感されたようだ。売上高は同327億2900万円を見込む。日本部門のダイオーズジャパンは、事業所にコモデティ商品を届けるだけでなく、新規サービス・事業に一層注力する方針。また、米国では新型コロナウイルスの新規感染者数が低位安定化したことに伴い、顧客のオフィス内にいる従業員数が増加基調にあることから今後は更なる売り上げ回復が進むとみている。
■ハナツアーJ <6561> 1,627円 +100 円 (+6.6%) 本日終値
HANATOUR JAPAN<6561>が4日ぶり反発。同社は韓国旅行大手ハナツアー傘下で、インバウンド(訪日外国人)向けを専門とする旅行会社。きょうから外国人観光客の受け入れが再開されており、円安を追い風に今後インバウンド需要が回復に向かうことが見込まれる。株式市場では既にインバウンド関連株への物色は活発で、ハナツアーJも5月以降急速に株価水準を切り上げてきた。足もと急騰の反動で前日まで3日続落となっていたが、きょうはインバウンド再開初日ということもあり期待感の高まりから改めて物色が向かったようだ。
株探ニュース