利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾 33社選出 ＜成長株特集＞

本特集では、4月下旬から5月中旬までの決算発表集中期間に随時配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。今回は5日に配信した時価総額1500億円以上の銘柄を対象とした「第1弾」に続き、5日時点の時価総額が500億円以上1500億円未満の銘柄を対象に、22年1-3月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。

下表では、本決算月にかかわらず、1-3月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している33社を選び出し、1-3月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。

上振れ率トップとなったのは、東京きらぼしフィナンシャルグループ <7173> [東証Ｐ]。22年1-3月期(第4四半期)の経常利益は115億円と過去最高だった直前の10-12月期実績を90.3％も上回って着地。メイン化取引の推進などによる貸出金増加を背景に利息収入が大幅に伸びた。また、関連会社の子会社による不動産売却に伴い、持ち分法投資利益65億円を計上したことも利益を大きく押し上げた。併せて発表した23年3月期の経常利益は前期比11.5％増の278億円と2期連続の最高益更新を見込み、配当は前期比30円増の105円に増配する方針だ。

2位に入ったのは電話を中心とする営業・マーケティング代行を展開するダイレクトマーケティングミックス <7354> [東証Ｐ]。1-3月期(第1四半期)の税引き前利益は前年同期比98.2％増の26.8億円に拡大して着地。主力の通信インフラからの業務受託が増加したほか、新型コロナウイルスワクチン接種予約関連業務が好調だった。第1四半期実績の通期計画49.6億円に対する進捗率は54.1％と高水準で業績上振れも視野に入る。

3位のオプテックスグループ <6914> [東証Ｐ]は屋外防犯用センサーが値上げ前の駆け込み需要もあり、米国や欧州で販売が大幅に増加したほか、半導体需要の拡大を背景に画像検査用LED照明やFA(ファクトリーオートメーション)関連センサーも大きく伸びた。また、昨年11月に買収したミツテックの業績も加わり、1-3月期(第1四半期)の経常利益は過去最高だった前年同期に比べて53.7％増の24.3億円に伸びて着地。上期計画の29億円に対する進捗率は83.8％に達しており、業績上振れが期待される。

4位にリスト入りした東京エレクトロン　デバイス <2760> [東証Ｐ]の1-3月期(第4四半期)は産業機械や車載向けなど幅広い分野で高水準な半導体製品の需要を取り込んだことに加え、顧客の商権拡大も寄与し、経常利益は過去最高だった前年同期に比べて51.9％増の30.5億円に伸びて着地。23年3月期の同利益は前期比16.2％増の85億円と2期連続の最高益更新を見込む。また、配当は前期比35円増の240円に増配する方針で、配当利回りは4％を超えている。

半導体関連ではこのほか、半導体ウエハー研磨材原料の超高純度コロイダルシリカで世界トップの扶桑化学工業 <4368> [東証Ｐ]が8位、半導体製造装置向け部品を手掛けるフェローテックホールディングス <6890> [東証Ｓ]が12位、ウエハー再生加工大手のＲＳ　Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｉｅｓ <3445> [東証Ｐ]が24位、半導体向け超純水製造装置に強みを持つオルガノ <6368> [東証Ｐ]が26位に入っている。このうち、オルガノは実に15年ぶりに四半期ベースの最高益を塗り替えた。

オルガノと同様に数年ぶりの最高益更新を遂げた銘柄に目を向けると、25位のユアサ商事 <8074> [東証Ｐ]がある。自動車関連や半導体関連産業向けを中心に主力の工作機械や切削工具・測定機器などの販売が好調で、1-3月期(第4四半期)は5年ぶりに過去最高益を更新した。併せて発表した23年3月期の4期ぶり最高益見通しや増配計画に加え、170万株(発行済み株式数の7.62％)または40億円を上限とする大規模な自社株買いも好感され、株価は約1年5ヵ月ぶりの高値圏に急浮上している。

また、32位に入ったエレマテック <2715> [東証Ｐ]はドライブレコーダーや中国向けゲーム機関連部材が好調だったほか、円安進行も追い風となり、1-3月期(第4四半期)は7年半ぶりの最高益更新を果たした。続く23年3月期は2期連続の最高益更新を計画し、配当は前期比7円増の60円に増配する方針を示した。株価は年初来高値圏を快走する展開が続いている。

┌─ 四半期 経常利益 ─┐　┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想

コード 銘柄名　 　　 上振れ率　1-3月　過去最高　上振れ率 今期予想 過去最高　 PER

<7173> 東京きらぼし　　　90.3　11501　　　6043　　　11.5　　27800　　24943　 3.1

<7354> Ｄｍミックス　　　85.8　 2685　　　1445　　　 6.9　　 4960　　 4642　23.4 *

<6914> オプテクスＧ　　　53.7　 2431　　　1582　　　18.9　　 6100　　 5130　16.2

<2760> 東エレデバ　　　　51.9　 3058　　　2013　　　16.2　　 8500　　 7318　 9.8

<9260> ウィズメタク　　　42.7　 3197　　　2241　　　24.1　　 9000　　 7250　 9.1

<3762> テクマト　　　　　36.0　 1314　　　 966　　　 6.8　　 3970　　 3718　26.6 *

<3993> パークシャ　　　　31.0　　511　　　 390　　　48.0　　　940　　　635　 271

<4368> 扶桑化学　　　　　26.8　 5047　　　3980　　　 1.2　　15700　　15509　13.0

<6516> 山洋電　　　　　　24.3　 3713　　　2988　　　 9.4　　12900　　11787　 7.1 *

<6099> エラン　　　　　　20.5　　917　　　 761　　　 7.2　　 3020　　 2818　31.4

<9757> 船井総研ＨＤ　　　19.9　 2089　　　1742　　　11.0　　 7150　　 6439　22.0

<6890> フェローテク　　　19.9　 7806　　　6508　　　 7.7　　28000　　25994　 7.5

<6200> インソース　　　　16.7　　893　　　 765　　　 7.6　　 2600　　 2416　55.2

<4481> ベース　　　　　　14.6　　932　　　 813　　　19.9　　 3602　　 3004　21.6

<7595> アルゴグラフ　　　13.7　 2153　　　1894　　　 2.5　　 7120　　 6944　14.6

<3636> 三菱総研　　　　　13.3　 7769　　　6858　　　 3.7　　 8700　　 8387　10.8

<3788> ＧＭＯ－ＧＳ　　　13.2　　558　　　 493　　　 2.1　　 1521　　 1490　76.4

<6652> ＩＤＥＣ　　　　　12.4　 2907　　　2586　　　 3.9　　10800　　10398　10.9

<7685> バイセル　　　　　11.8　　769　　　 688　　　32.5　　 3040　　 2295　34.6

<4848> フルキャスト　　　10.8　 2485　　　2242　　　 5.3　　 8030　　 7624　15.2

<2491> Ｖコマース　　　　 9.9　 2427　　　2208　　　 9.5　　 8700　　 7947　18.1

<2124> ジェイエイシ　　　 9.9　 2319　　　2110　　　 1.6　　 6185　　 6090　17.3

<4746> 東計電算　　　　　 9.7　 1411　　　1286　　　12.8　　 4744　　 4205　16.9

<3445> ＲＳテクノ　　　　 9.6　 2858　　　2607　　　 0.8　　 8900　　 8832　17.5

<8074> ユアサ商　　　　　 9.2　 5232　　　4791　　　 7.9　　14500　　13437　 7.9

<6368> オルガノ　　　　　 6.5　 4891　　　4593　　　 1.3　　11700　　11545　14.1

<6866> ＨＩＯＫＩ　　　　 5.9　 1876　　　1772　　　20.0　　 7200　　 5999　18.6

<6407> ＣＫＤ　　　　　　 5.2　 4807　　　4569　　　 2.5　　18500　　18043　10.1

<6544> Ｊエレベータ　　　 5.1　 1175　　　1118　　　11.2　　 4700　　 4225　46.6

<3076> あいＨＤ　　　　　 4.9　 2797　　　2667　　　 6.3　　10500　　 9879　11.4

<3034> クオールＨＤ　　　 4.2　 3022　　　2901　　　18.9　　12000　　10094　 7.8

<2715> エレマテック　　　 3.2　 2415　　　2340　　　10.0　　 8650　　 7867　 9.0

<8096> 兼松エレク　　　　 0.5　 5205　　　5177　　　 0.1　　12800　　12784　13.4

※ 2021年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。

※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。

株探ニュース