来週の株式相場に向けて=不安定な相場継続、イベント一巡で戻り試す
6月第3週の日経平均株価は前週末に比べ1861円(6.7%)安と今年最大の下げ幅を記録した。先週末10日に発表された米5月消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことから、米連邦公開市場委員会(FOMC)に対する警戒感が台頭。実際、FOMCでは、既定路線とみられていた0.5%の利上げ幅が0.75%で決まった。
この間、NYダウは連日の急落を演じた。ただ、FOMCを経てNYダウはいったん反発に転じるかとみられたが、そこへ16日にスイス国立銀行が予想外ともいえる利上げに踏み切った。
スイスの利上げは、世界的な金融引き締めによる景気減速に向けた警戒感を巻き起こした。加えて、超低金利政策を続ける日銀の政策の持続性にも疑問が投げかけられた。「CPIショック」で始まった今週はその火の粉が欧州、そして日本へと降りかかった格好だ。このなか当面の相場はいったん反発があっても、上値では戻り売りが出る展開が続きそうだ。とはいえ、金融政策決定会合が続く中銀ウィークは終わり、いったんは重要経済指標の発表がなくなる端境期に入る。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が22日に米上院銀行委員会で証言を行う予定だが、FOMCほどの影響はないとみられる。参院選も近づくなか、来週はイベント一巡後の戻りを試す展開が期待される。依然として相場の上値は重そうだが、経済再開に絡み鳥貴族ホールディングス<3193>やヨシックスホールディングス<3221>のような居酒屋や飲食関連株などは注目されよう。
来週は、20日が米国市場は新しい祝日であるジューンティーンスの振り替え休日で休場。21日に米5月中古住宅販売件数、23日に米1~3月期経常収支、24日に米5月新築住宅販売件数が発表される。国内では24日に5月消費者物価指数(CPI)が発表される。
また、6月IPOが本格化する。20日にヤマイチ・ユニハイムエステート<2984>が新規上場するほか、23日にはジャパンワランティサポート<7386>、坪田ラボ<4890>、ホームポジション<2999>の3社が登場する。マイクロ波化学<9227>が24日に株式公開する。来週の日経平均株価の予想レンジは2万5600~2万6400円前後。(岡里英幸)