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米国株
2022年6月23日 17時00分
市況

明日の株式相場に向けて=「シンボルストック狩り」相場の行方

きょう(23日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比21円高の2万6171円と反発。注目されたパウエルFRB議長の米上院議会証言で売り材料が見当たらなかったことから、朝方は空売り筋の買い戻しが利いて日経平均はスルスルと上値を伸ばしたが、それが一巡すると買いが続かず値を消す展開となった。その後は狭いゾーンで、プラス圏とマイナス圏の往来に終始した。方向感が定まらないとはいえ、売りと買いがぶつかり合うような強弱観の対立もなく、日経平均は前日終値近辺を酩酊状態で彷徨(さまよ)った。

そうしたなか個別株に目を向けると、中小型株には勢いのある銘柄も少なくないが、主力大型株の一角が売り攻勢に晒されている。いわゆる業界の「シンボルストック狩り」的な動きが随所でみられる。最近では、半導体関連の象徴株として東京エレクトロン<8035>にマーケットの視線が集まっている。今月7日に主要半導体メーカーで構成されるWSTS(世界半導体市場統計)が22年の世界半導体市場について従来見通しを修正し6464億ドルとする予想を発表した。これは従来予想比7.5%の増額で、「半導体の旺盛な需要に全く翳りなし、という印象を投資家に与えた」(中堅証券ストラテジスト)という。

ところが皮肉なことに東エレクの株価動向をみると、この発表があった7日を起点に何と10日連続安で、一度の反発もないまま1万5000円以上も水準を切り下げた。率にして25%の暴落、まさに断崖絶壁を滑落したようなチャートを形成している。半導体セクターは、中国メーカーのダブルオーダーで積み上げられた受注が雲散霧消し、その影響が出始めていることへの警戒感がくすぶっている。

東エレクの株価は目先的には明らかに下げ過ぎに見える。おそらくこれは信用余力MAXで買い向かった個人投資家の共通認識であったと思われる。実際、東エレクにはきょうも突っ込み警戒感からの買い戻しや押し目買いの動きが観測されているのだが、なぜか上値が重い。もっとも、これは東エレクに限ったことではない。値がさハイテク株全般に売り爆弾が投下されたような状態となっている。FAセンサーのトップ企業であるキーエンス<6861>は年初に7万4000円近辺に位置していたが、半年間にわたってひたすら下値を切り下げる展開を余儀なくされ、前週末17日には4万4880円の年初来安値をつけた。今週はリバウンドに転じたが戻し切れず、きょうは4万6000円台前半で引けている。

そうこうしているうちに、年初から怒涛の上昇波を形成していた三菱重工業<7011>も変調が明らかとなってきた。きょうは再び売り直され今月20日の急落でつけた安値を下に抜けるなど、崩れ足が鮮明となりつつある。また、日本郵船<9101>、商船三井<9104>など海運大手もここにきて26週移動平均線を下回り、高配当利回りを拠りどころとした押し目買いが機能しなくなっている点は気がかりである。

一方、リオープン関連が国策テーマ的な位置づけで取り沙汰されるなか、個人消費周辺株には意外な上昇トレンドを形成している銘柄もある。特に製品の値上げの動きが出ると、株価が条件反射的に動意づく食品関連株に目ざとく資金が向かっている。そのなか、「サッポロホールディングス<2501>とキリンホールディングス<2503>、この2銘柄は異色の上げ足で目を引く」(ネット証券マーケットアナリスト)という声が聞かれた。両銘柄とも4月下旬にマドを開けて買われた後、典型的な踏み上げ相場の様相を呈している。

ポイントとなっているのは株式需給。サッポロホールディングス<2501>は直近データで信用倍率が0.06倍、日証金では逆日歩がついている。キリンホールディングス<2503>も売り長で同様に逆日歩銘柄である。株高材料となった値上げの動きはあくまで原料コスト高の転嫁であるはずだが、これを過剰評価と鼻で笑って空売りを仕掛けても今度は容易に下がらず、上昇相場の肥やしになってしまうというのが株の難しいところだ。

あすのスケジュールでは、5月の全国消費者物価指数(CPI)、5月の企業向けサービス価格指数のほか、3カ月物国庫短期証券の入札も予定されている。また、グロース市場にマイクロ波化学<9227>が新規上場する。海外では6月の独Ifo企業景況感指数、6月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)、5月の米新築住宅販売件数などにマーケットの関心が高い。なお、ニュージーランド市場は休場となる。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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