注目銘柄ダイジェスト(前場):WSCOPE、レノバ、ココペリなど
WSCOPE<6619>:1988円(+204円)
大幅続伸。連結子会社であるWCPが韓国取引所におけるコスダック市場への新規上場承認を取得したと発表している。上場日などの詳細は未定のもよう。WCPは現在、EV向けのリチウムイオン電池セパレーターフィルムの重要な製造拠点となっている。株式市場の方向性は織り込まれていたものの、承認取得の正式発表により、さらなる知名度の上昇、並びに、同社資産価値の上昇が期待される状況となっているようだ。
レノバ<9519>:2516円(+453円)
急伸。経済産業省と国土交通省が洋上風力発電に関する新たな公募ルール案をまとめたと伝わっている。複数の海域で同時に事業者を募る場合、特定の企業連合がすべて落札するのを防ぐ仕組みとする。運転開始時期が早い提案への評価なども高めていくようだ。直近では、三菱商事グループ連合が「低価格」を武器に複数の受注を獲得しており、同社など新興エネルギー企業には先行きへの懸念が強まる状況となっていた。
ユニデンHD<6815>:4090円(+90円)
続伸。米投資ファンドのコーンウォール・キャピタル傘下のバレンシアがTOBの実施を発表している。買付予定数の上限を設けず、非公開化を目的としている。TOB価格は4100円で、前日終値に対するプレミアムは2.5%の水準。TOB価格サヤ寄せを目指す動きが優勢となっている。会社側ではTOBに対して賛同意見を表明している。TOB期間は6月24日から8月8日まで。TOB完了後は上場廃止となる見込み。
塩野義薬<4507>:6697円(+289円)
大幅反発。前日は、新型コロナウイルス治療薬の継続審議が伝わったことで、業績寄与タイミングの遅れがネガティブ視される形となっていた。一方、本日は前日に発表した自社株買いの実施が好感され、切り返す動きとなっている。発行済み株式数の2.39%に当たる720万株、500億円を取得上限としており、取得期間は6月24日から12月30日まで。新財団に自己株処分を割り当てることによる希薄化に対応するようだ。
CYBOZU<4776>:902円(45円)
続伸。前日に22年12月期業績収益予想の下方修正を発表している。営業損益は従来予想の3.4億円の黒字から一転、3億円の赤字となる見通し。売上高はやや上振れとなるものの、現在の市場拡大を踏まえての広告宣伝費の増加が響くもよう。ただ、株価は大きく調整し、20年高値からは80%近い下落率ともなっていたことで、短期的な悪材料出尽くしと受けとめる動きが優勢に。なお、来期には広告宣伝費の増加が一巡ともしている。
キッズバイオ<4584>:280円(+12円)
続伸。加齢黄斑変性症の治療薬であるラニビズマブバイオシミラー(GBS-007)の原薬や製剤の受注増などに対応するため、計19億円の資金調達を実施すると発表している。みずほ銀行からの長期借入金10億円を運転資金とするほか、新株予約権付社債5億円と新株予約権4億円を発行して製造能力拡大のための設備増強資金に充てる。潜在株式数は新株予約権付社債が171万8213株、新株予約権が137万4600株。
ココペリ<4167>:770円(+99円)
急伸。15万株(1億円)を上限として自社株買いを実施すると発表している。発行済株式総数(自社株を除く)に対する割合は1.90%。取得期間は24日から7月29日まで。機動的な資本政策の遂行と資本効率の向上を通じて株主利益の向上を図ることが目的としている。同社株は4月6日に直近高値1707円を付けてから大きく下落しており、自律反発に期待する買いも入っているようだ。
マイクロ波化学<9227>:650円 -
公開価格(605円)を9.1%下回る550円で初値を付けた。会社設立は2007年8月15日。マイクロ波化学プロセスの研究開発やエンジニアリング、ライセンス事業を手掛ける。23年3月期の営業損益予想は0.67億円の黒字(前期実績は0.87億円の赤字)。マイクロ波は効率的なエネルギー伝達が可能で、化石資源に比べて大幅な二酸化炭素削減が可能という。化学企業との共同開発を推進し、黒字に転換する見通し。
《NH》