来週の株式相場に向けて=リターン・リバーサルの勢い続くか
週末24日の日経平均株価は前日比320円高と大幅続伸。一時2万6500円に乗せる場面もあった。この日の上昇に関しては、NYダウ先物が上昇し安心感が広がるなか「レバレッジ投信などに絡む買いヘッジの動きも入ったようだ」(市場関係者)という見方が出ていた。注目されるのは、23日の米5月製造業購買担当者景気指数などが市場予想を下回る結果となり「米長期金利が低下基調となってきた」(アナリスト)ことだ。米景気の減速は将来のスタグフレーション懸念を呼ぶが、目先的にはインフレ警戒感が後退することを前向きにとらえる動きとなっている。
特に、東京市場はリオープン(経済再開)に向けた動きや来月10日の参院選も視野に入れた経済活性化への期待も相場を押し上げた状況だ。先週には日経平均株価が2万5000円台後半に売られただけ、今週はハイテク株を中心に売られた銘柄を買い戻す「リターン・リバーサル」が活発化した。ただ、日経平均株価の2万7000円近辺には25日移動平均線や75日線が集まっており、上値では戻り売りも予想されるだけに、足もとの買い戻しがどこまで続くかが焦点だ。来週は29日が株主総会の集中日で30日は配当再投資の動きも予想されており、この需給面への影響も注目されている。
そんななか、政府は7月前半から全国を対象とした観光需要喚起策を実施する予定であり、日本航空<9201>やJR九州<9142>といった銘柄が堅調な値動きとなっている。マツキヨココカラ&カンパニー<3088>や鳥貴族ホールディングス<3193>、串カツ田中ホールディングス<3547>などの内需系銘柄の動向が関心を集めている。
来週は30日の米5月個人消費支出(PCEデフレーター)や7月1日の米6月ISM製造業景況指数が注目される。また、国内では1日に日銀短観が発表される。更に27日にイーディーピー<7794>とサンウェルズ<9229>が東証グロース市場に上場するなど、6社のIPOが予定されている。来週の日経平均株価の予想レンジは2万6100~2万6800円。(岡里英幸)