話題株ピックアップ【夕刊】(2):日電硝、三菱UFJ、免疫生物研
■日本電気硝子 <5214> 2,759円 +30 円 (+1.1%) 本日終値
日本電気硝子<5214>、リョービ<5851>、キヤノン<7751>、など12月決算期企業の高配当利回り銘柄で、6月中間期配当を実施する銘柄の一角に買いが向かった。きょうは、6月の権利付き最終売買日で、中間配当の権利を取るためにはきょうまでに当該株を買う必要がある。インカムゲイン狙いの駆け込み買いが入っているもようだ。なお、日電硝の年間配当利回りは4.3%台、リョービは3.7%前後、キヤノンは3.1%近辺となっている。半期ベースのため、実際はこの半分の利回りを確保することになる。
■三菱UFJ <8306> 740.8円 +5 円 (+0.7%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>のメガバンク3社は売り買い交錯も頑強な値動き。米国ではFRBによる金融引き締め強化に対する思惑が根強いなか、足もとでは再び米長期金利が上昇傾向を示している。前日終値ベースで10年債利回りは3.2%台に乗せており、米国事業を展開するメガバンクにとって、運用利ザヤの拡大期待が株価にはポジティブ材料として働く。また、配当利回りが高いことも特長で、三菱UFJは4.3%強、三井住友FGは5.4%前後、みずほFGは5.2%強といずれも高水準で、下値ではインカムゲイン狙いの買いも誘導されやすい。
■壱番屋 <7630> 4,750円 -180 円 (-3.7%) 本日終値 東証プライム 下落率4位
壱番屋<7630>は大幅安。27日の取引終了後に23年2月期第1四半期(3~5月)の決算を発表し、純利益が前年同期比65.4%減の4億3400万円と大幅減益で着地したことが嫌気されたようだ。仕入れ価格の高騰や時短協力金などの補助金収入の減少、投資有価証券売却益を計上した前年からの反動減などが要因。客数の回復や不採算店の撤退のほか、米国事業の好調が寄与し、売上高は同2.0%増の112億8700万円と増収を確保した。なお、通期の増収増益見通しは据え置いている。
■三協フロンテア <9639> 3,970円 -120 円 (-2.9%) 本日終値
三協フロンテア<9639>は大幅安で年初来安値を更新。27日の取引終了後、発表が遅れていた22年3月期決算短信を発表。なかで23年3月期の連結業績予想について、売上高500億円(前期比6.3%減)、営業利益70億円(同28.8%減)、純利益44億円(同31.1%減)と減収減益を見込み、年間配当予想を前期比10円減の150円としたことが嫌気された。前期にオリンピックに伴うイベント施設や新型コロナウイルス感染症対策のための医療関連施設などの大型物件の売り上げが計上された反動が響く。また、鋼材などの原材料価格の大幅な値上がりが予想されることも利益率低下につながるとみている。なお、22年3月期決算は、売上高533億4600万円(前の期比10.7%増)、営業利益98億3300万円(同24.0%増)、純利益63億8200万円(同24.6%増)だった。
■あさひ <3333> 1,266円 -37 円 (-2.8%) 本日終値 東証プライム 下落率9位
あさひ<3333>が反落。27日の取引終了後に発表した第1四半期(2月21日~5月20日)単独決算が、売上高242億4600万円、営業利益34億4000万円、純利益23億4900万円となり、会計基準の変更に伴い前年同期との増減率の表記はないものの、実質営業減益となったことが嫌気された。一般車・電動アシスト自転車が堅調に推移したほか、修理やメンテナンスも増加し実質増収となった。ただ、仕入れコストが上昇したほか、サービス事業拡大に伴い人件費が増加したことなどが利益を圧迫した。なお、23年2月期通期業績予想は、売上高780億円、営業利益56億円、純利益37億円の従来見通しを据え置いている。
■ENECHANGE <4169> 1,366円 -30 円 (-2.2%) 本日終値
ENECHANGE<4169>が反落。同社は、消費者向け電力・ガス切り替えプラットフォームの運営やエネルギー事業者向けサービスを手掛ける。事業者向けではマーケティング支援やデータ解析サービスのほか、デマンドレスポンス(DR、電力需給を調整する仕組み)サービスなどを提供しており、ここ電力需給逼迫への警戒感が高まるなか同社株に向かう思惑物色の動きは強い。ただ、きょうは短期急騰の反動や東証による信用規制強化の発表もあり、目先売りに押される展開となっている。
■オウケイウェイヴ <3808> 128円 +26 円 (+25.5%) 本日終値
オウケイウェイヴ<3808>が続急伸。27日の取引終了後、22年6月期の連結業績予想について、売上高を4億5000万円から5億円(前期比77.2%減)へ、営業損益を12億3300万円の赤字から11億6000万円の赤字(前期5億1600万円の赤字)へ上方修正したことが好感された。エンタテインメント関連事業を手掛ける子会社アップライツとその子会社の伸びが好調なことに加えて、費用内訳を見直したことが寄与した。なお、最終損益は貸倒引当金繰入額を計上するため45億6000万円の赤字(同40億5100万円の黒字)を見込む。
■免疫生物研究所 <4570> 406円 +80 円 (+24.5%) ストップ高 本日終値
免疫生物研究所<4570>がストップ高。27日の取引終了後、シスメックス<6869>と検体検査分野向け試薬の原材料開発に関する業務提携で合意したと発表しており、これが好感された。今回の提携は、両社の診断薬開発技術の相互利用を進めることで、より独創的で高品質な製品を開発し全世界に向けて提供することが目的。これにより免疫生物研は、自社の抗体ライブラリをシスメックスのHISCL(全自動免疫測定装置)をはじめとする測定プラットフォーム向けに最適化し、診断薬原材料として供給することが可能になるほか、抗体開発技術を生かしてグローバル市場のさまざまな診断ニーズに対応した抗体を開発し、シスメックスへの供給を通じて診断薬市場向け事業を拡大するとしている。なお、同件による業績への影響は軽微としている。
■コーアツ工業 <1743> 3,700円 +700 円 (+23.3%) ストップ高 本日終値
コーアツ工業<1743>がストップ高。27日の取引終了後、9月30日を基準日として1株を3株に株式分割すると発表。また、株式分割にあわせて22年9月期の期末一括配当予想を50円から実質増額となる25円に修正しており、これらを好感した買いが流入した。
■マイクロ波化学 <9227> 900円 +150 円 (+20.0%) ストップ高 本日終値
マイクロ波化学<9227>がストップ高。この日の午前中、昭和電工<4004>とマイクロ波を用いて使用済みプラスチックから基礎化学原料を直接製造するケミカルリサイクル技術の共同開発を開始したと発表しており、これが好感された。今回の共同開発では、電子レンジでも使用されている電気加熱技術の一つであるマイクロ波加熱を利用。容器包装などに用いられた使用済みプラスチックにマイクロ波を照射して分解し、エチレンやプロピレンなどの基礎化学原料を製造する技術の開発に取り組むという。まずは基本技術の確立に向け、年末までにマイクロ波加熱分解物の生成条件検討、目的成分の収率向上に向けた触媒などの探索、分解条件や分解プロセスの最適化などに取り組む予定としている。なお、同件による業績への影響は軽微としている。
株探ニュース