佐藤正和氏【週明け反発、2万6000円台回復で次の局面は】(2) <相場観特集>

特集
2022年7月4日 19時45分

―米国株市場を支配する弱気ムードは果たして払拭できるか―

ここ下値模索の動きを強めていた日経平均株価だが、週明け4日の東京株式市場は、前週末の米株高を受けて反発に転じ、2万6000円台を回復した。しかし、手探り状態の戻り相場で上値も重い。米国株市場の動向を横にらみに当面は不安定な値動きが続きそうだ。今後の相場展望について、ブーケ・ド・フルーレット代表の馬渕治好氏に話を聞いた。また、ここ不安定な為替市場についても、外為オンライン・シニアアナリストの佐藤正和氏に今後の見通しを聞いた。

●「金融政策の差」意識のドル高・円安続く

佐藤正和氏(外為オンライン シニアアナリスト)

1日発表の米6月ISM製造業景況指数はさえず、米経済は4~6月期もマイナス成長が見込まれリセッション入りも予想される状況。米長期金利も低下基調にある。ただ、ドル円相場は依然として底堅く、相場は「金利離れ」の様相もみせている。市場が米国のリセッションを織り込み始めるのは、秋口以降ではないか、とみている。

相場は、夏場にかけ各中央銀行の「金融政策の方向性の違い」を織り込む動きを続けそうだ。日銀は今月の金融政策決定会合でも超低金利政策を継続させるだろう。その一方、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、インフレ抑制に向けて引き締めを優先する姿勢をみせている。日米中銀の政策の差が依然としてドル高・円安の要因となるだろう。

米6月雇用統計や米6月消費者物価指数(CPI)などを確かめる必要があるが、現時点では7月26~27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.75%の利上げが有力だとみている。9月は0.5%の利上げを想定している。11月の米中間選挙を控えるなか、インフレ抑制に向けFRBは積極的な利上げを進めるだろう。欧州中央銀行(ECB)の今月の利上げは0.25%がコンセンサスだが、0.5%となる可能性もありそうだ。

こうしたなか、今後1ヵ月程度のドル円相場は1ドル=134円00~140円00銭を見込む。相場のトレンドは横ばいから上向きで、状況次第で140円を意識する展開もあると思う。

ユーロドル相場の想定レンジは1ユーロ=1.01~1.06ドル。ユーロ円は1ユーロ=135円00~143円00銭前後。欧州は景気悪化が見込まれる一方、ドイツなどのインフレ圧力も強く、米国に比べても金融政策の舵取りは難しいだろう。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(さとう・まさかず)

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。通算20年以上、為替の世界に携わっている。

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