明日の株式相場に向けて=ハイテク株反騰の狼煙は上がったか
20日の東京市場は前日比718円高の2万7680円と大幅に5日続伸。この日の上昇幅は今年に入り4番目で、6月10日以来、約1カ月半ぶりの2万7600円台乗せを達成と久々の急反騰に市場は沸いた。
この大幅高の背景にあるのは、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅が0.75%にとどまりそうだ、という安心感だ。市場に浮上していた1%利上げの懸念が後退した分、買い余地が膨らんだ。あすの日銀金融政策決定会合と欧州中央銀行(ECB)理事会が注目されるが、最大の焦点である26~27日のFOMCをこなせば、8月から9月初頭まで日米欧の中銀は決定会合の空白期間に入る。
この間、状況次第ではインフレ懸念をいったんは横に置いておくことも可能な時期となるわけだ。となると、インフレ懸念で最も売られたセクターである電機、半導体などのハイテク株は戻りを試す局面とみることもできそうだ。
足もとでは、長らく上値抵抗線として意識されてきた日経平均株価の2万7000円を一気に突破してきた。同時に200日移動平均線も抜いてきている。この日、チャート上では大陽線が形成され、上昇相場への転換も期待される。
日本の決算シーズン本番を告げる日本電産<6594>はきょうの引け後、第1四半期の決算を公表した。もちろん米国の決算も要注目で昨日のネットフリックス<NFLX>に続いて、今晩はテスラ<TSLA>の決算が予定されている。
この決算発表シーズンで業績の底堅さが示されれば、この夏は東京エレクトロン<8035>や村田製作所<6981>などのハイテク株復活の狼煙が上がることも期待できるかもしれない。