話題株ピックアップ【夕刊】(2):ファナック、積水化、東エレク
■メイテック <9744> 2,489円 +95 円 (+4.0%) 本日終値
メイテック<9744>が後場に入って切り返し、年初来高値を更新した。同社はきょう午前11時30分ごろに、23年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比45.9%増の37億2500万円となり、上半期計画68億円に対する進捗率は54.8%となった。売上高は同13.6%増の286億3200万円で着地。提案営業で受注獲得を強化し、稼働人員数の増加と稼働率の向上を両立したことが寄与した。なお、上半期及び通期の業績予想は従来計画を据え置いている。
■ファナック <6954> 22,645円 +800 円 (+3.7%) 本日終値
ファナック<6954>が続伸。同社は27日取引終了後、決算発表を行うとともに23年3月期連結業績の増額修正を発表したことが好感された。売上高は8255億円から8257億円(前期比12.6%増)に見直したほか、営業利益は1973億円から1984億円(同8.3%増)に修正した。FA部門では、工作機械需要が堅調でCNCシステムの販売が伸びているほか、ロボット部門も電気自動車(EV)やIT関連向けが堅調に推移している。なお、第1四半期の売上高は2115億6300万円、営業利益は497億5700万円だった。
■RSテクノ <3445> 6,420円 +200 円 (+3.2%) 本日終値
RS Technologies<3445>がカイ気配スタートで水準を切り上げている。27日の取引終了後に22年12月期業績予想の上方修正を発表しており、これを好感した買いが入ったようだ。売上高を374億円から450億円(前期比30.0%増)へ、営業利益を76億円から105億円(同52.7%増)へそれぞれ引き上げた。当初の想定を上回る需要が見込まれることや、為替影響などが業績に寄与する見通し。
■積水化学工業 <4204> 1,924円 +45 円 (+2.4%) 本日終値
積水化学工業<4204>は4日ぶりに反発。午後1時30分ごろ、23年3月期の連結業績予想について、売上高を1兆2416億円から1兆2607億円(前期比8.9%増)へ、純利益を665億円から700億円(同88.8%増)へ上方修正したことが好感された。売値の改善や高付加価値品の拡販、コストダウンなどの進捗が見込まれることが要因としている。なお、同時に発表した第1四半期(4~6月)業績は、売上高2822億7100万円(前年同期比13.5%増)、純利益145億7800万円(同16.3%増)だった。
■沖縄セルラー電話 <9436> 5,450円 +90 円 (+1.7%) 本日終値
沖縄セルラー電話<9436>が3日続伸。27日の取引終了後に株式分割を実施すると発表。9月30日を基準日として1株を2株に分割するとしており、これが好感されたようだ。同時に発表した23年3月期第1四半期(4~6月)の決算は、営業収益が前年同期比3.6%増の185億3300万円、営業利益が同0.8%減の45億9400万円だった。auでんきの伸びが牽引し増収となった一方、auでんき関連のコスト増により利益は減少した。
■カネカ <4118> 3,630円 +35 円 (+1.0%) 本日終値
カネカ<4118>が小幅続伸。大和証券は26日、同社株のレーティングを新規「2(アウトパフォーム)」でカバレッジを開始した。目標株価は4400円に設定した。同社は塩化ビニル樹脂(PVC)や樹脂添加剤、電子機器用部材など幅広い事業を手掛けるファインケミカルメーカー。PVCなど樹脂の耐熱性を高める添加剤であるモディファイヤー(MOD)やシーリング材原料の変成シリコーン(MS)、フレキシブルプリント基板材料であるポリイミドフィルムでは世界的高シェアを誇る。また、バイオ医薬品CDMO事業の育成や生分解性ポリマー「Green Planet」の立ち上げに注力している。同証券では23年3月期の連結営業利益を470億円(会社計画480億円)、25年3月期は600億円と予想。MODやMSなどの世界的高シェア事業に加え、Green Planetやバイオ医薬品CDMO事業といったバイオ関連事業が今後の成長を牽引するとみている。
■東京エレクトロン <8035> 46,070円 +170 円 (+0.4%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>が大幅高に買われたのをはじめ、レーザーテック<6920>など半導体製造装置関連株が上値追い基調を強めている。前日の米国株市場ではFOMCの結果発表後にハイテク株中心に買いが入り主要株価指数が大幅高となったが、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は4.8%の大幅高で、今年最大の上げとなったナスダック総合株価指数の上昇率を更に大きく上回った。これを受けて、東京市場でも同関連株への買い戻しに弾みがついている。
■弁護士ドットコム <6027> 3,750円 -510 円 (-12.0%) 本日終値
弁護士ドットコム<6027>が続急落。27日の取引終了後に発表した23年3月期第1四半期(4~6月)の経常利益(非連結)は前年同期比36.8%減の1億3800万円となり、これが嫌気された。売上高は前年同期比27.4%増の19億5900万円と大幅増収を達成した。契約マネジメントプラットフォーム「クラウドサイン」を中心に大きく伸びた。一方、積極的な人材採用やクラウドサインにおけるテレビCM実施などで販管費が増加したことが利益を圧迫した。
■太平洋工業 <7250> 1,022円 -97 円 (-8.7%) 本日終値 東証プライム 下落率トップ
太平洋工業<7250>が大幅続落。27日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、営業利益を125億円から105億円(前期比2.4%減)へ、純利益を100億円から95億円(同3.1%減)へ下方修正し、増益予想から一転して減益予想としたことが嫌気された。売上高は1780億円(同8.2%増)の従来見通しを据え置いたものの、主要顧客の自動車生産で上期にコロナ感染対策や部材不足などで一時的な稼働停止が発生したことに加えて、エネルギーや原材料価格の高騰などが利益を圧迫する。第1四半期決算は、売上高444億6800万円(前年同期比7.1%増)、営業利益16億6200万円(同50.6%減)、純利益29億900万円(同0.7%増)だった。
■小糸製作所 <7276> 4,325円 -400 円 (-8.5%) 本日終値 東証プライム 下落率2位
小糸製作所<7276>が大幅続落。27日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、営業利益を670億円から590億円(前期比10.4%増)へ、最終利益を460億円から350億円(同8.7%減)へ下方修正したことが嫌気された。売上高は8710億円から8740億円(同14.9%増)へ上方修正したものの、原材料費や物流費・光熱費などの高騰に加えて、第1四半期(4~6月)に投資有価証券評価損を計上したことなどが利益を押し下げるとしている。なお、第1四半期決算は、売上高1934億4300万円(前年同期比5.2%増)、営業利益63億7900万円(同58.9%減)、最終損益10億5700万円の赤字(前年同期106億5400万円の黒字)だった。
株探ニュース