為替週間見通し:下げ渋りか、米金融引き締め継続でドル売り抑制も

通貨
2022年8月13日 15時00分

【今週の概況】

■米インフレ鈍化でリスク選好的なドル買い縮小

今週のドル・円は反落。複数の米連邦準備制度理事会(FRB)当局者が金融引き締めに対するコミットメントを表明したものの、7月の米消費者物価指数(CPI)と米生産者物価指数(PPI)はいずれもインフレ鈍化の兆候を示唆しており、次回9月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合での0.75ポイント利上げ観測は後退。ドル・円は週初に135円58銭まで買われたが、インフレ鈍化の思惑でドル買い・円売りは縮小した。

12日のニューヨーク外為市場でドル・円は、一時133円89銭まで買われた。この日発表された8月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は7月実績の51.5から上昇し、同指数の5-10年期待インフレ率速報値も上昇したため、リスク選好的なドル買いが観測された。ドル・円は133円50銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:132円03銭-135円58銭。

【来週の見通し】

■下げ渋りか、米金融引き締め継続でドル売り抑制も

来週のドル・円は下げ渋りか。米インフレのピークアウトへの思惑から連邦準備制度理事会(FRB)による大幅追加利上げ観測は後退したが、他の主要中央銀行は金融引き締めのペースを緩める可能性があり、米国の金融引き締めの度合いは相対的に高まることになるため、ドルは売りづらい。8月10日に発表された米7月消費者物価指数(CPI)は、前年比+8.5%と予想の+8.8%を下回った。この結果を受け、次回9月に開催の連邦公開市場委員会(FOMC)では、利上げ幅を0.75ポイントから0.50ポイントに縮小するとの観測が広がっている。パウエルFRB議長はデータ次第と指摘しており、次回のFOMCまで7月小売売上高、7月コアPCE価格指数、8月ISM製造業景況指数、8月雇用統計などの経済指標を見極める展開となりそうだ。

FRBによる大幅利上げ期待の後退により、目先的にはドル売り・円買いがやや優勢となりそうだが、インフレ鈍化を明確に示唆するデータは十分揃っていないため、主要中銀の金融政策が手がかりとなり、ドルは下げづらい。米国株式が底堅い動きを維持した場合、リスク選好的な円売りが増える可能性があることもドル・円相場に対する支援材料となりそうだ。

【米・7月小売売上高】(17日発表予定)

17日発表の米7月小売売上高は前月比+0.2%と、6月の+1.0%から伸びは鈍化する見通し。個人消費の縮小が確認された場合、景気後退入りの懸念が再燃し、金利安・ドル安に振れやすい展開が予想される。

【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(17日公表予定)

米連邦準備制度理事会(FRB)は17日、7月26-27日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表する。次回9月会合で金融引き締めを緩める可能性が読み取れた場合、ドル売り要因となろう。

予想レンジ:132円00銭-135円00銭

《FA》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.