今週の【早わかり株式市況】続落、FOMC通過後に一時2万7000円割り込む
■今週の相場ポイント
1.日経平均は2週連続で下落、週末に一時2万7000円台を割り込む場面も
2.3連休明けは米株高を受け買い優勢、ただ上値は重く後半は急速に伸び悩む
3.週央は売り圧力が顕在化、FOMCとパウエル議長の会見を控え買い手控え
4.FOMCでは0.75%の利上げ決定、今後も大幅な引き締め策継続を示唆
5.FOMC後の米株急落も、日銀決定会合での大規模緩和策維持が株価下支え
■週間 市場概況
今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比413円(1.5%)安の2万7153円と2週連続で下落した。
今週は週初の19日が敬老の日、週末の23日が秋分の日といずれも祝日に伴う休場となったことで、立会日は3日間だった。そうしたなか、米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の金融政策決定会合などをはじめ、世界の中央銀行の政策金利発表が相次ぐ中銀ウィークだったこともあり、思惑が錯綜する不安定な地合いが続いた。
3連休明けとなった20日(火)は前日の米国株市場でNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに上昇したことを受け、主力株中心に買い優勢の展開となった。日経平均は先物主導で一時2万7900円台まで水準を切り上げた。しかし、空売りの買い戻しが一巡すると上値を買い進む動きは限定的となり、急速に伸び悩んで結局上げ幅は120円あまりにとどまった。21日(水)は大幅反落。前日の欧米株市場が全面安に売り込まれ、東京市場でもリスク回避目的の売りがかさむ展開に。FOMCの結果発表とパウエルFRB議長の記者会見を日本時間翌日の未明に控え、押し目に買い向かう動きも限定的だった。この日の値下がり銘柄数は1500近くに達し、プライム市場全体の8割強を占めた。そして22日(木)も下値模索の動きが続いた。注目のFOMCでは米連邦準備制度理事会(FRB)が3会合連続となる0.75%の利上げを決定し、今後も大幅な利上げを継続する姿勢をパウエル議長が示したことが、投資家のセンチメントを弱気に傾けた。日本市場も米株安を引き継いで売り優勢の地合いとなり、日経平均は一時2万7000円台を割り込む場面も。ただ、日銀の金融政策決定会合では大規模な金融緩和策の維持を決めたことでやや安心感が広がり、外国為替市場で円安が進んだことも追い風に後場は下げ渋った。
■来週のポイント
来週も引き続き米国市場を横目に神経質な展開が予想されており、そのなか個別株中心の物色となりそうだ。28日は9月配当の権利付き最終日となり、配当権利取り狙いの売買が活発化しそうだ。日経平均は2万7000円より下の水準は割安と考えられるが、米国株次第でもあり注意が必要だろう。
重要イベントとしては、国内では30日朝に発表される8月の完全失業率と有効求人倍率、および鉱工業生産が注目される。海外では27日に発表される米国8月の新築住宅販売件数、米国9月のコンファレンス・ボード消費者信頼感指数、30日に発表される中国9月の製造業PMI、米国8月の個人所得と個人消費支出に注視が必要だろう。
■日々の動き(9月20日~9月22日)
【↑】 9月20日(火)―― 反発、米株高を受け買い先行も上値は重い
日経平均 27688.42( +120.77) 売買高10億3441万株 売買代金 2兆5566億円
【↓】 9月21日(水)―― 反落、FOMCの結果を控えリスク回避の売り優勢
日経平均 27313.13( -375.29) 売買高10億6875万株 売買代金 2兆4719億円
【↓】 9月22日(木)―― 続落、FOMC後の米株安で売り優勢も後場下げ渋る
日経平均 27153.83( -159.30) 売買高11億4475万株 売買代金 2兆6518億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、27業種が値下がり
(2)下落率トップとなったHOYA <7741> など精密機器を始めダイキン <6367> など機械、ソニーG <6758> など電機といった輸出株が全面安
(3)リクルート <6098> などサービス、三井不 <8801> など不動産、大成建 <1801> など建設といった内需株の一角が売られた
(4)金融株はジャフコG <8595> など証券、オリックス <8591> などその他金融が軟調
(5)素材株はまちまち。信越化 <4063> など化学が安いが大和工 <5444> など鉄鋼は上昇率トップ
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(1) インバウンド
2(2) 円安メリット
3(7) 旅行
4(4) メタバース
5(3) パワー半導体
※カッコは前週の順位
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