話題株ピックアップ【夕刊】(1):シンプレクス、イビデン、フロンテオ
■シンプレクス <4373> 2,390円 +362 円 (+17.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
シンプレクス・ホールディングス<4373>が大幅高。同社は27日取引終了後、23年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比5.6%減の33億5000万円となったが、従来予想の28億9000万円を上回ったことが好感されたようだ。売上収益は同8.0%増の168億6700万円(従来予想は162億9300万円)で着地。主力事業であるシステムインテグレーションの売り上げが好調だったほか、戦略/DXコンサルティングの新規案件の獲得などが寄与した。一方で、販管費や研究開発費は前年同期に比べ増加した。なお、通期業績予想については売上収益337億円(前期比10.2%増)、営業利益67億7700万円(同6.5%増)とする従来見通しを据え置いている。
■フタバ産業 <7241> 368円 +44 円 (+13.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
フタバ産業<7241>3日ぶりに急反発。カイ気配のまま上値抵抗ラインとなっていた25日移動平均線を上に抜けてきた。トヨタ系の自動車部品メーカーで骨格プレス部品を手掛け、自動車のマフラーでは国内トップシェアを有する。原料コストや燃料価格高騰の影響を受け収益環境は厳しいものの、円安の進行は追い風として意識されている。そうしたなか、同社は27日取引終了後に23年3月期最終利益の修正を発表、株式譲渡益を17億円計上することに伴い従来予想の44億円から60億円(前期比81%増)に大幅増額しており、これを手掛かり材料に買いが優勢となった。PER5倍前後でPBRが0.3倍台と株価指標面では割安感が際立っている。
■イビデン <4062> 5,090円 +560 円 (+12.4%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
イビデン<4062>は大幅続伸。27日の取引終了後に23年3月期業績予想の上方修正を発表。売上高を4260億円から4300億円(前期比7.2%増)へ、営業利益を670億円から730億円(同3.1%増)へ増額したことが好感された。上期に電子事業でサーバー向けの需要が順調に推移しており、これを踏まえて通期予想を見直した。あわせて、従来20円としていた中間配当について、記念配当10円を上乗せし30円とすることを発表した。これにより、年間配当は50円となる見込み。同時に発表した上期(4~9月)決算は、売上高が2135億7900万円(前年同期比9.1%増)、営業利益が414億400万円(同18.2%増)だった。
■大同特殊鋼 <5471> 3,960円 +315 円 (+8.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
大同特殊鋼<5471>は急伸。午前10時40分ごろ、23年3月期の連結業績予想について、営業利益を340億円から450億円(前期比21.7%増)へ、純利益250億円から340億円(同26.4%増)へ上方修正し、180円としていた年間配当予想を200円に引き上げると発表しており、これを好感した買いが入った。売上高は6000億円から5700億円(同7.6%増)へ下方修正したものの、想定していた原材料価格の高騰が落ち着きを見せていることや、自由鍛造品などの輸出製品が好調に推移していることが要因としている。同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高2818億5700万円(前年同期比10.4%増)、営業利益232億2500万円(同21.2%増)、純利益182億9400万円(同42.5%増)だった。
■FRONTEO <2158> 883円 +66 円 (+8.1%) 本日終値
FRONTEO<2158>は全般地合い悪に逆行、一時10%を超える上昇で900円台に一気に乗せる場面があった。同社は人工知能(AI)を活用したリーガルテック事業を主力に、AIソリューションを横軸展開してライフサイエンス部門なども深耕している。そうしたなか、27日取引終了後に独自開発AIエンジン「Concept Encoder」のコア技術について、米国特許商標局より特許査定通知を取得したことを発表した。同技術の特許性が認められたのは日本に続き2国目となる。これを材料視する買いが集中した。
■新光電気工業 <6967> 3,625円 +220 円 (+6.5%) 本日終値
27日に決算を発表。「上期経常が73%増益で着地・7-9月期も56%増益」が好感された。
新光電気工業 <6967> [東証P] が10月27日大引け後(15:00)に決算を発表。23年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比73.2%増の546億円に拡大し、通期計画の970億円に対する進捗率は56.3%に達し、5年平均の51.3%も上回った。
■大建工業 <7905> 1,989円 +119 円 (+6.4%) 本日終値
大建工業<7905>が急反発。同社は27日取引終了後、23年3月期通期の連結業績予想修正を発表。営業利益の見通しを従来の125億円から130億円(前期比25.1%減)に引き上げたことなどが好感されたようだ。売上高予想も従来の2210億円から2340億円(同4.8%増)に上方修正。足もとで米国での木材製品の市況価格が想定よりも高い水準で推移しており、下半期もこうした傾向が続くとみている。また、期末配当計画を従来の50円から60円に引き上げることもあわせて発表。これにより、中間配当50円とあわせた年間配当は110円(従来計画は100円)となる。
■山洋電気 <6516> 5,270円 +260 円 (+5.2%) 本日終値
山洋電気<6516>は急伸、目先底入れ反転から一気に戻り足を強めている。同社は小型精密モーターや情報機器向け冷却ファン、電源などを手掛けるが足もとの業績は会社側想定を上回って好調に推移している。27日取引終了後、23年3月期業績予想の修正を発表、売上高は従来予想の1080億円から1205億円(前期比19%増)、営業利益は127億円から142億円(同29%増)にそれぞれ増額した。売上高、営業利益ともに過去最高を大幅更新する見通しにある。好業績を背景に株主還元も強化、年間配当は従来計画の120円に10円上乗せし130円(前期実績は115円)とすることも併せて発表しており、これを評価する買いを呼び込んだ。
■オリエンタルランド <4661> 20,050円 +980 円 (+5.1%) 本日終値
オリエンタルランド<4661>が反発。27日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を4079億2200万円から4421億2800万円(前期比60.3%増)へ、営業利益を502億5100万円から800億8800万円(同10.4倍)へ、最終利益を352億4400万円から559億1700万円(同6.9倍)へ上方修正し、あわせて中間・期末各15円の年30円を予定していた配当予想を中間・期末各18円の36円に引き上げたことが好感された。上期においてレギュラー商品の増加や食品の増加などで商品販売が好調に推移し、ゲスト1人当たり売上高が計画を上回ったことが寄与する。下期も引き続き商品販売収入の好調が見込まれるほか、レジャー需要の回復を背景に入園者数も従来予想を上回るとみており、業績を押し上げる。なお、第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高2040億4300万円(前年同期比2.1倍)、営業利益379億9300万円(前年同期193億8000万円の赤字)、最終利益264億5900万円(同141億9100万円の赤字)だった。同時に、東京ディズニーシー大規模拡張プロジェクトで開発を行っている8番目のテーマポート「ファンタジースプリングス」について、開業時期を23年度から24年春へ、投資額を約2500億円から3200億円へ変更した。新型コロナウイルス感染症の影響に伴う入国制限や物流の遅延、海外での製作作業の遅れにより工期が延長したことが要因としている。
■日野自動車 <7205> 625円 +30 円 (+5.0%) 本日終値
日野自動車<7205>が大幅高。27日の取引終了後に従来未定としていた23年3月期業績予想を発表し、営業利益を前期比82.3%減の60億円とした。大幅減益の見通しとなったものの、市場の赤字予想に反して黒字となったことから買い安心感が広がったようだ。売上高見通しは同4.8%増の1兆5300億円。エンジン認証の不正問題を巡り、現時点で出荷が認められている車種について入手可能な情報に基づき算定した。同不正問題に起因する一部の認証関連損失の算定が困難なことから、経常利益以下の損益については引き続き未定とした。また、未定としていた中間配当を無配とし、期末配当を未定で据え置くことも発表した。同時に発表した上期(4~9月)決算は、売上高が前年同期比6.4%増の7333億5900万円、営業利益が同47.8%減の166億1500万円だった。半導体不足による車両生産の遅れやコロナ禍の長期化に伴う観光需要の落ち込みにより、トラックやバスの国内販売が減少した。エンジン認証不正問題の影響による販売減もあった。一方、海外販売は好調だった。
株探ニュース