富田隆弥の【CHART CLUB】 「チャートは上放れを示唆、11月相場に上昇期待」

市況
2022年10月29日 10時00分

◆もたついていた日経平均株価だが、26日は181円高と3日続伸し、上値を2万7578円に伸ばして、ポイントであった10月6日高値の2万7399円を抜いた。これで日足チャートは「三角保ち合いの上放れ」を示唆した。

◆ただ、未だ75日移動平均線(27日時点2万7542円)や52週移動平均線(同2万7517円)、13週線(同2万7635円)を上抜いておらず、「好転」の確認には至っていない。しかし、10月3日安値の2万5621円は、1月5日につけた高値2万9388円から基本数値の9カ月目、また3月25日高値の2万8338円から6カ月目の期日に当たる。日足チャートが「上放れ」を示唆したことは、10月3日安値が当面の下値になった可能性を示す。

◆そして、75日線や13週線を抜いて「好転」を確認すれば、日経平均株価は11~12月に上昇基調を強めることも想定される。今年の3月や7月、昨年の9月に3000円幅の急上昇を演じたが、いずれもチャートは期日や変化日が重なった安値から切り返しており、今回も同様の展開になる可能性がある。

◆カギを握る米国市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げピッチの縮小観測を背景に、NYダウが21日にチャートを好転させ、10年債利回りも25日から低下に転じている。最大の懸念材料の一つである「金利上昇圧力」が後退したことで、為替の「ドル独歩高」にもピークアウト感が漂う。その意味で11月1日~2日のFOMCが注目される。

◆NYダウの上昇は、日本株の「好転」につながる可能性が高い。東証マザーズ指数(27日時点747ポイント)の日足チャートは、200日線(同723ポイント)を上抜き、三角保ち合いも上放れて一足お先に「好転」信号を灯している。個別株物色の矛先が出遅れていたハイテク・グロース関連株に向かうことを示唆するものだ。

◆もちろん、泥沼化の様相を呈しているロシア・ウクライナ紛争や、景気後退懸念、金融システム不安など、世界のマーケットはまだ多くの懸念材料を抱えている。これらの先行きには注意を怠れないが、当面はNYダウや日経平均株価の流れに従って、もたつく局面があれば押し目買いで対応したい。

(10月27日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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