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米国株
2022年10月29日 19時30分
特集

「半導体大相場」へ復活の号砲! 覇道を行く「中小型特選6銘柄」 <株探トップ特集>

―株式需給バランスの変化を見逃すな、半導体関連の買い場は逆風下で訪れる―

半導体関連株に復活の兆しが見え始めた。ひところの半導体需給逼迫の流れは、スマートフォンやパソコンの売れ行きにブレーキがかかっていることでかなり緩和され、在庫確保のためのダブルオーダー(重複発注)の反動などもあって、半導体メモリーには余剰感も指摘されるようになった。しかし、少し長い目で見れば半導体市場は今後も構造的に拡大基調を続けていくことは間違いない。人工知能(AI)を交えたデジタル化時代の進展は半導体市場の成長をそのまま担保する。足もとでは安全保障の観点から世界中で半導体設備を増設しようという動きがみられ、そうした政治的な後押しも今はまだ緒に就いた段階である。関連企業には改めて活躍の舞台が整いつつある。

●利上げ減速期待で半導体関連が蘇る

28日の東京市場は日経平均株価が続落。前日の米国株市場では決算絡みで大手IT企業が売られ、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が再び下値模索の動きを強めたこともあり、東京市場もリスクオフの流れを引き継いだ。

しかし、今の相場は足腰が強い。朝方に日経平均は360円を超える下げでフシ目の2万7000円大台を割り込む場面もあったが、その後は持ち直し2万7100円台で着地した。10月3日ザラ場の2万5600円どころをターニングポイントに、上げ下げを繰り返しながらも下値を切り上げている状況だ。上値抵抗ラインとなっている75日移動平均線をどこでクリアするかが今後の課題で、ここを突破すれば年末高相場への号砲が鳴る。

米国では相次ぐGAFAM(アルファベット<GOOGL>・アップル<AAPL>・メタ・プラットフォームズ<META>・アマゾン・ドット・コム<AMZN>・マイクロソフト<MSFT>)の決算発表で、悩めるITの巨人たちの実態が明らかとなり、株式市場でもそれぞれが売りの洗礼を浴びた。ところが、全体相場はナスダック指数こそ影響を受けてはいるが、NYダウが上昇基調をキープするなど、およそGAFAMショックの欠片(かけら)もみられない。その背景にあるのは、頭打ちとなっている米長期金利の動向で、27日には10年債利回りが4%台を下回った。米連邦準備制度理事会(FRB)が12月以降に金融引き締め姿勢を緩和するとの思惑が長期金利の動向に映し出されており、これが景気敏感株や一部のハイテク株の拠りどころとなっている。

そして、ハイテク株でもあり景気敏感株でもある半導体関連株は、この流れに乗っている。米国では半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が直近2営業日は続落となったが、その前の25日まで7連騰を記録、チャート的にも5日・25日移動平均線が底値圏でゴールデンクロスを示現しておりトレンドの変化を示唆している。

実態に目を向ければ、世界半導体出荷額は7月になってついに32ヵ月ぶりに前年同月比でマイナスに転じたことを世界半導体市場統計(WSTS)が公表している。しかし、このマイナス局面をマーケットはかなり以前から織り込んでいた。実勢経済に対し半年前倒しで動くという株式市場の特性を考慮すれば、ここは逆に買い場を暗示しているといってもよい。市場では世界最大級のヘッジファンドで半導体セクターへの空売りを明示していたブリッジウォーターが「買い戻しに動き始めたのではないか」という声も聞かれる。

●TSMC誘致と「ビヨンド2ナノ」への挑戦

日本国内に視点を移せば、台湾の半導体製造大手TSMC<TSM>が熊本県で半導体工場を建設中だが、これにはソニーグループ <6758> [東証P]やデンソー <6902> [東証P]なども参画し、更に経済産業省が巨額の資金支援を行うことで話題となった。総投資額約1兆2000億円だが、このうち経産省が最大4700億円あまりを援助するという。生産開始時期は2024年末の予定だが、同工場の従業員数は1700人程度というから、その規模の大きさが窺い知れる。

TSMCが日本に持ち込む技術は先端技術ではない(生産するのはレガシー半導体)ということで、国内半導体産業の活性化につながらないとする声もあったが、現在の国際水平分業における地政学的リスクを回避する第一歩と考えれば、TSMCを国内誘致する意義は大きい。当然ながら日本は先端半導体分野への参入に躊躇しているわけではなく、米国と協業で積極的に足を踏み入れる方向にあり、「ビヨンド2ナノ」と称される回路線幅2ナノメートルより進んだ先端半導体の技術確立を目指している。

●動き変わった主力株、ニュースターも登場

東京市場では半導体製造装置 関連でグローバル・ニッチ・トップの象徴でもあるレーザーテック <6920> [東証P]がここにきて高水準の売買代金をこなし底値圏から急速に離脱したほか、同社株と併せて二枚看板となっている業界最大手の東京エレクトロン <8035> [東証P]も底離れの兆しをみせている。DRAM用テスターで世界首位のアドバンテスト <6857> [東証P]は27日に4-9月期の最終利益が前年同期比2倍となったことを発表、28日は全般地合い悪に抗して上げ足を強めた。

更に、特定の顧客や製品にあわせたSoC(システム・オン・チップ)の設計・開発を行う半導体関連の新星、鳴り物入りで東証プライム市場への上場を果たしたソシオネクスト <6526> [東証P]にもスポットライトが当たっている。セカンダリーで存分にその存在感を見せつけ株価水準を大きく切り上げており、今後もマーケットの視線を集めそうだ。

ビッグデータの普及加速を背景にAI・IoT社会が進展し、自動車はエレクトロニクス革命で情報端末と化す時代。それはもはや我々の日常のすぐ先にある。そしてメタバースという巨大な仮想空間の創出によりリアルとバーチャル空間の境界線すら希薄化しつつある。こうしたデジタル革命を縁の下で支えるインフラがまさに「半導体」であり、今後もその成長性が色褪せることは考えにくい。

今回は株式市場で復権の兆しを見せ始めた半導体関連の中から、強烈な個性で株価を変貌させる中小型株を厳選、本命株・穴株を合わせ6銘柄エントリーした。

●ダイヤモンドの輝き放つ半導体関連6選

◎santec <6777> [東証S]

波長可変レーザーをはじめとする光測定器や、光パワーモニター、光フィルター、光可変減衰器といった光関連部品をグローバル展開し、独自製品技術を駆使して高水準の需要を獲得している。高速通信網の普及に伴う通信トラフィック増大は同社の収益機会拡大に直結している。また、光学断層測定器は半導体シリコンウエハーの製造過程で重要な役割を担う商品であり、世界的な半導体設備投資ニーズを捉え受注は増勢一途にある。業績はここ10年近くにわたり売上高、営業利益いずれも目を見張る成長を続けており、23年3月期は売上高が前期比35%増の120億円、営業利益は同28%増の21億円を見込む。なお、今期売上高予想については大幅に過去最高更新となる。株価は9月12日に3050円の年初来高値をつけた後に調整したが、2000円台後半で売り物をこなし、直近は5日・25日移動平均線のゴールデンクロスを経て戻り足を強めてきた。早晩、年初来高値更新が有力。時価は上場した2001年以来約21年ぶりの高値水準で、実質青空圏を走る展開へ。

◎アドテック プラズマ テクノロジー <6668> [東証S]

ロジックやメモリーのほかパワー半導体 など、半導体向けを主力にプラズマ用高周波電源装置に特化したメーカーで、ニッチ性の高い分野で業界トップシェアを誇っている。高周波電源装置は最新CPUを搭載し、高耐久性なども特長としており、エッチング装置をはじめ半導体製造装置向けで旺盛な需要を囲い込むことに成功している。抜群の収益成長力を誇り、22年8月期は営業利益が前の期比2.5倍の27億3500万円と急拡大をみせ過去最高を大幅に更新した。そして23年8月期も同利益は前期比13%増の31億円予想と2ケタ以上の成長を継続し連続ピーク利益更新の見通しだ。同社は半導体分野のグローバル・ニッチ企業としてレーザーテック <6920> [東証P]を想起させる成長キャパシティーが魅力となる。株価は8月中旬以降、需給的な売り圧力で25日移動平均線を上値抵抗ラインに下値を模索してきた。しかし、この成長力にしてPER5倍台の時価はあまりに評価不足といってよく、近く反撃の狼煙が上がりそうだ。

◎シキノハイテック <6614> [東証S]

自動車業界向けを中心に半導体テスターの開発や、LSI設計・開発を手掛ける。パワー半導体の設計で優位性を有するほか、カメラモジュール及び画像処理システムの開発・製造で高い実力を持つ。マイナンバーカードの健康保険証の普及局面で特需が見込まれることもポイント。それは医療機関の受付で使われる読み取り装置用カメラモジュールの納入が進んでいることで、収益貢献が期待されている。また、同社は直近鳴り物入りで上場したソシオネクスト <6526> [東証P]と協業で、電力線通信技術HD-PLCの第4世代規格に準拠した通信モジュールを試作し今後は同製品の実用化と量産を目指す構え。業績面では、22年3月期営業利益は前の期比95%増とほぼ倍増、続く23年3月期も前期比4%増の4億1000万円と増益基調を維持する見通しだ。株価は目先動意も、今年6月下旬以降1750~2000円のゾーンでのもみ合いが続いており、依然として仕込み場と判断される。

◎ミタチ産業 <3321> [東証S]

電子デバイスを取り扱う商社だが、そのなかで半導体が売上高の4割強を占めており、遊技機器向けのほか車載用などで需要開拓が進んでいる。最近はパチンコ・パチスロ機の販売台数が増勢にあることや、産業機器向けに半導体需要が旺盛で収益環境に吹く追い風は強い。また、運輸会社向けアルコールチェック機器も取り扱う。業者向けアルコール検知器を用いたアルコールチェック義務化については、世界的な半導体不足で検知器の製造が追いつかないことを理由に延期されたが、早晩需要が発生する公算大。22年6-8月期は営業利益が前年同期比2.6倍の10億4200万円と急拡大、23年5月期通期見通しも従来見通しの14億円から前期比横ばいの20億円予想に増額されたが、進捗率を考慮すればなお保守的で、一段の上振れ期待を内包する。PER5倍前後でPBR0.6倍弱と株価指標面での割安感が際立っており、依然として水準訂正余地が大きい。

◎タカトリ <6338> [東証S]

半導体向けなどを軸に精密切断加工を行うマルチワイヤーソーを主力展開する。また、各種マウンター(表面実装装置)なども製造している。同社の技術力には定評があり、パワー半導体向けSiC材料切断加工装置では一頭地を抜く存在。同商品はグローバルで高評価を得ており、受注獲得が相次ぐなかフル生産状態にある。売上高も増勢一途で、22年9月期は営業利益が従来予想の5億3000万円から13億5100万円(前の期比3.5倍)に大幅増額修正を行った。中期的にも、トップラインとともに利益成長局面が続く公算が大きい。株価は足もとで急速人気化し、テクニカル的には5日・25日移動平均線のゴールデンクロス示現後に上昇加速。日足一目均衡表でも前方の雲に突入することなく急勾配の上値追い態勢に入っており、大相場の可能性を漂わせる。9月14日につけた3675円を奪回し上場来高値圏に突入しているが、当面は押し目形成場面を狙っていきたい。

◎ザインエレクトロニクス <6769> [東証S]

産業機器用を中心に特定用途向け半導体を自社ブランドで独自開発するファブレス半導体メーカーでトップラインの大幅な伸びを背景に利益成長にも期待が持てる。画像処理技術に長じ、アナログとデジタル双方における深い知見をLSIの企画・設計に生かし実績を重ねている。22年12月期営業利益は前期比12%増の5億4400万円と2ケタ伸長が予想されるが、今上期(1-6月)の同利益は前年同期比2.7倍の3億4800万円と高水準の伸びを示しており収益上振れへの思惑も強い。ドローン関連分野を深耕するほか、「空飛ぶクルマ」などエア・モビリティ領域におけるソリューション開発でも業界を先駆している。株価は7月20日に1350円の高値をつけた後、次第安の展開で水準を切り下げてきたが10月に入ってようやく売り物が枯れ900円絡みで底値を確認。時価1000円を割り込んだ水準は中期スタンスで仕込み場となりそうだ。

株探ニュース

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