話題株ピックアップ【夕刊】(1):大阪チタ、三菱自、住友商

注目
2022年11月4日 15時15分

■大阪チタ <5726>  4,545円  +695 円 (+18.1%) 一時ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率トップ

大阪チタニウムテクノロジーズ<5726>が連日で年初来高値を更新。一時、ストップ高となる水準に接近する場面があった。2日取引終了後、23年3月期第2四半期累計(4~9月)の単独決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直し、最終損益の見通しを16億円の黒字から29億円の黒字(前期は31億1200万円の赤字)に上方修正した。4~9月期の単独決算は、売上高と営業・経常・最終利益が計画を上振れて着地したほか、年間配当予想も増額。これらを評価した買いが先行した後、売り方の買い戻しが加速し、株高に弾みがついたようだ。通期の売上高は410億円から430億円(前期比50.6%増)に予想を引き上げた。4~9月期は航空機需要の回復がチタン事業の追い風となったほか、高機能材料事業では半導体関連で高純度チタンなどの販売が増加。円安効果も利益を押し上げた。4~9月期の業績の進捗状況や、新たに見直した為替前提を通期の業績予想に織り込んだ。また、これまで5円を計画していた中間配当は10円に決定。期末配当予想は10円で据え置いた。前期は中間、期末とも無配だった。

■三菱自動車工業 <7211>  616円  +94 円 (+18.0%)  本日終値  東証プライム 上昇率2位

三菱自動車工業<7211>はカイ気配スタートで急騰。2日取引終了後、23年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を上方修正し、これを好感した買いが集まった。売上高は2兆3500億円から2兆5300億円(前期比24.1%増)、最終利益は900億円から1400億円(同89.1%増)に見通しを引き上げた。売価や販売費の改善、円安などの効果などを業績予想に反映させた。通期の業績予想の前提となる為替レートは1ドル=134円(従来は125円)、1ユーロ=137円(同135円)と、それぞれ円安方向に見直した。一方、グローバルの販売台数見通しは90万8000台と、これまでの計画から3万台引き下げた。

■ネットワンシステムズ <7518>  3,245円  +367 円 (+12.8%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位

ネットワンシステムズ<7518>が大幅高で、年初来高値を更新した。同社は2日取引終了後、23年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比84.1%増の83億1900万円となり、従来予想の82億円から上振れたことが好感されたようだ。売上高は同19.1%増の927億6500万円で着地。自動車メーカーの投資回復や半導体メーカーの投資拡大などが追い風となったほか、遅延していた機器が徐々に入荷したことが好業績につながった。なお、通期業績予想については売上高2100億円(前期比11.4%増)、営業利益220億円(同31.0%増)とする従来見通しを据え置いている。

■コニカミノルタ <4902>  504円  +41 円 (+8.9%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位

コニカミノルタ<4902>は大幅高で4日続伸。2日の取引終了後に4~9月期決算を発表し、営業損益は51億3800万円の赤字(前年同期15億6300万円の赤字)となった。前年同期から赤字幅が拡大したものの、四半期ベースでみると直近7~9月期は5四半期ぶりに黒字に転換しており、足もとの業績改善を評価した買いが集まったようだ。売上高は前年同期比19.2%増の5307億4300万円で着地した。複合機やデジタル印刷機などを手掛ける主力のデジタルワークプレイス事業とプロフェッショナルプリント事業で、中国ゼロコロナ政策による制限の解除後に販売が回復したことが寄与した。販管費の抑制や収益性改善に向けた取り組みも奏功した。通期の増収・営業黒字転換見通しは据え置いている。

■エービーシー・マート <2670>  7,160円  +390 円 (+5.8%)  本日終値

エービーシー・マート<2670>は大幅続伸し年初来高値を更新した。2日の取引終了後に発表した10月度概況で、既存店売上高が前年同月比20.2%増となり、8カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。祝日が1日多い曜日並びで、天候が良好だったこともあり東京・大阪など主要都市の客数が大きく増加したことが寄与し、客数が同8.6%増、客単価が同10.7%増となった。商品別では、デジタル広告の販促が奏功し厚底スニーカーの販売が伸長したほか、気温の低下により秋物のアパレルやレザーシューズも良好。なお、全店売上高は同21.7%増だった。

■荏原実業 <6328>  2,275円  +121 円 (+5.6%)  本日終値

2日に発表した「4.07%を上限に自社株買いを実施」が買い材料。

発行済み株式数(自社株を除く)の4.07%にあたる50万株(金額で10億円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は11月4日から23年10月31日まで。また、11月30日付で50万株の自社株を消却する。

■三菱重工業 <7011>  5,369円  +227 円 (+4.4%)  本日終値

三菱重工業<7011>が反発し、5日移動平均線をサポートラインに上値指向を継続。また、石川製作所<6208>、豊和工業<6203>、細谷火工<4274>、東京計器<7721>といった防衛関連株に位置付けられる銘柄が、全般悪地合いの間隙を縫って上昇基調を強めている。北朝鮮が足もとで軍事的な挑発を激化させており、日本海に向けて立て続けに複数の弾道ミサイルを発射した。そのうち1発はICBM(大陸間弾道ミサイル)であることを米政府が断定したことで、にわかに地政学リスクの高まりが意識されている。直近では、北朝鮮が3日深夜に韓国との軍事境界線付近から日本海に向け約80発の砲撃を行ったことを韓国軍が確認したと発表し、改めて緊張が走った。東京市場でも有事リスクに対する思惑が関連株を刺激している。

■住友商事 <8053>  2,077.5円  +84.5 円 (+4.2%)  本日終値

住友商事<8053>が後場に強含み。午後2時、23年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の最終利益と配当予想の上方修正を発表し好感された。資源ビジネス・非資源ビジネスがいずれも堅調に推移したことを背景に、最終利益予想を3700億円から5500億円(前期比18.6%増)に見直した。減益の予想から一転して増益を計画する。また45円を計画していた中間配当は57円50銭(前期の中間は45円)で決定。期末配当予想もこれまでの45円から57円50銭(前期の期末は65円)に増額修正した。

■H2Oリテイ <8242>  1,327円  +38 円 (+3.0%)  本日終値

エイチ・ツー・オー リテイリング<8242>は年初来高値を更新した。2日取引終了後、23年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直した。売上高の見通しは6600億円から6400億円(前期比23.4%増)に引き下げた一方、最終利益の見通しは80億円から110億円(同11.4%増)に上方修正した。最終利益は減益予想から一転して増益の見込みとなったことが買い安心感につながったようだ。コロナ禍の内食需要拡大の反動や、物価上昇による消費者心理の落ち込みなどを背景に、4~9月期の売上高は計画を下回って着地した。一方、百貨店事業の宣伝費の抑制や食品事業でのコスト削減の取り組みが奏功し、同期間の営業損益と経常損益は赤字の計画から一転、黒字転換を果たした。4~9月期の実績と足もとの業績動向などを通期の業績予想に織り込んだ。

■SRAホールディングス <3817>  3,225円  +80 円 (+2.5%)  本日終値

SRAホールディングス<3817>は25日移動平均線を足場にカイ気配スタートで急速に切り返す展開。金融業界や製造業向けで高実績を持つシステム開発会社で、一括受託を特長とする。一昨日2日取引終了後、23年3月期上期(22年4~9月)業績予想の修正を発表、売上高は従来予想の200億円から209億4900万円(前年同期比10%増)に、営業利益は21億5000万円から27億8200万円(同16.5%増)にそれぞれ増額した。通期見通しは修正していないものの、上振れ期待が高まるなか上値を期待した買いを呼び込んだ。高収益ビジネスモデルへの経営構造改革が進展しており、収益体質も引き締まっている。

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