来週の株式相場に向けて=「円高の日本株買い」へパラダイムシフトか!?

市況
2022年11月11日 17時38分

11日の東京市場で日経平均株価は前日比817円高と急伸。一時、2万8300円台まで駆け上った。買いの主要因となったのは、もちろん米10月消費者物価指数(CPI)の上昇率が予想を下回り、インフレ懸念が後退したことだ。

米CPIを受け、NYダウが急伸し、これに連動する格好で日経平均株価も大幅高となった。注目されたのが、この日の売買代金が4兆円台に膨らんだことだ。オプションSQの要因もあるが、2万8000円の節目を超えたことで、ショートカバーが入ったとの見方もある。市場関係者からは「海外投資家が日本株買いに入っているのではないか」(アナリスト)との声が出ている。海外勢は10月以降、現物で5000億円強買い越しており、売りが目立った夏場とは異なる。この要因のひとつには、今秋の香港市場の急落に象徴される中国市場からの資金の逃避先に日本株が選ばれている可能性が指摘されている。

また、「これまでの常識とは異なり、“円高の日本株買い”という構図が成り立ち始めたのではないか」(市場関係者)という声も出始めている。今日は、米長期金利低下を背景に急激な円高・ドル安が進んだが、そんな状況をものともせずに株価は急伸した。米金利低下は、米国のグロース株上昇となり、それと連動する格好で日本のハイテク株も値を上げるという構図だ。いうまでもなく、円高はハイテク株の業績には逆風だが、そんな常識を尻目に株価は上昇する、というパラダイムシフトが起こりつつあるのかもしれない。

米中間選挙の結果はまだ不明だが、米CPIを含めとにかくビッグイベントは通過した。12月初旬まではイベントの端境期となる。この間、どこまで株価の上昇が続くのかが関心を集めている。レーザーテック<6920>や東京エレクトロン<8035>など半導体関連株に加え、住友金属鉱山<5713>や三菱マテリアル<5711>など非鉄株に注目する見方も出ている。 

来週は15日に米10月生産者物価(PPI)、16日に同小売売上高が発表される。16日にエヌビディア<NVDA>、17日にアプライド・マテリアルズ<AMAT>の決算が発表される。国内では14日にリクルートホールディングス<6098>や三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などが決算発表を予定している。決算シーズンは14日で一巡する。15日には7~9月期国内総生産(GDP)速報値が発表される。また、15日にはベースフード<2936>とPOPER<5134>がともに東証グロース市場に新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは2万7800~2万8700円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

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