【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─米国市場に復活の"狼煙"、半導体関連に狙いを定める!
「米国市場に復活の“狼煙”、半導体関連に狙いを定める!」
●米CPI減速が示唆する潮目の変化
「7.7」。ラッキーナンバーの「7」が2つ並んだ。
この数字は何か? もちろん、米国の経済指標に詳しい人はご存じだろう。米国の10月CPI(消費者物価指数)の前年同月比の伸び率だ。
11月10日に発表されたそれは、7.7%の上昇だった。市場予想の8.0%よりも低かった上に、前月の8.2%からも減速していた。
これは市場が待ち望んでいたこと。特に節目の8%を割り込んだことは大きく、今後も強力な株価支援材料となりそうだ。
それにダラス連銀のローガン総裁はCPIの鈍化を受けて「利上げペースを緩めることが近く適切になり得ると思う」と発言している。連銀関係者の中から、利上げ幅の縮小に前向きな発言が聞かれるのは珍しく、この点も株価支援材料となる。
そもそも米国市場、特にハイテク株が下落に転じ始めたのは、昨年のいま頃から年末にかけてだった。それからほぼ1年が過ぎて、そろそろタイミング的にも潮流が変わってもおかしくない時期でもある。
昨年、米国市場で最後の最後まで高値を保っていたアップル<AAPL>は今年に入って崩れ始め、途中戻す場面はあったものの結局11月9日まで軟調に推移していたのだが、10日は急反騰をみせた。
これは明らかに利上げ幅の縮小観測を好感した動きであり、米国市場復活の「狼煙」と見てよい。
●米国市場回復の土台は整いつつある
米国の中間選挙の結果はまだ出ていないが、次回の大統領選挙を考えると、バイデン政権は23年、24年と何がなんでも経済の好調を保たねばならない。それにはいつまでも金融の引き締めを続けるわけにいかない。来年は引き上げ幅を縮小せざるを得ないのは誰が考えても明らかだ。
この点からも米国市場回復の土台が整いつつあると見てよく、ここはハイテク、特に半導体関連株に注目だ。
それらはすでに浮上を開始していて、なかには勢いがあり過ぎて手を出しにくい銘柄もあるが、まずは東京応化工業 <4186> [東証P]だ。フォトレジストに強い会社で、11月10日引け後に決算を発表したが、好業績だったにも関わらず、11日の寄り付きから株価は大きく売り込まれた。しかし、その後回復に転じたことで、騰勢はキープしていると見てよく、引き続き有望だ。
私は鹿児島出身だが、故郷の隣町に拠点を置くのがマルマエ <6264> [東証P]。 半導体製造装置など向け精密加工部品に強い点から、これまた期待が持てる。
真空シールで世界首位であるとともに半導体製造装置用部品にも強いフェローテックホールディングス <6890> [東証S]も、目先株価は高いので小反落狙いで対応したい銘柄になる。
半導体パッケージに強く、特にインテル<INTC>と関係緊密な新光電気工業 <6967> [東証P]も、目先一服はあっても続伸する確率は高いと考えられる。
パワー半導体にも目を向けると、富士電機 <6504> [東証P]がある。このほか、半導体製造には超純水が不可欠なので、オルガノ <6368> [東証P]になる。
最後に半導体から離れて双日 <2768> [東証P]だ。冬の電力不足を考えると石炭火力発電に頼らざるを得ず、 石炭の扱い多いこの会社に注目したい。
2022年11月11日 記
株探ニュース