前週末の大幅上昇受けて一旦の利食い売り優勢/後場の投資戦略

市況
2022年11月14日 12時28分

日経平均 : 28047.58 (-215.99)

TOPIX  : 1964.90 (-12.86)

[後場の投資戦略]

本日の日経平均株価は、小幅ながら続伸してスタートした後マイナス圏に転落して軟調な展開が続いている。寄り付き段階では想定よりしっかりだったとはいえ、出資するFTXの破綻影響も警戒されているソフトバンクG<9984>なども指数の重石となるなか、下げ幅をやや広げる展開となった。そのほか、中国・香港市況は堅調に推移している一方で、米株先物はやや軟調な展開が続いている。

新興市場は堅調な展開が続いている。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は上昇してスタートした後じりじりと上げ幅を広げている。FRBの利上げペースが鈍化する期待が大きく高まったことで米長期金利が3.8%台まで低下しており、バリュエーション面での割高感が意識されやすい新興株にとって追い風となっている。また、本日東証プライム市場の主力株が冴えない展開となっており、幕間つなぎの物色が新興株に向かっている可能性もある。引き続き個別材料株への物色は旺盛で、前引け時点で東証マザーズ指数が1.83%高、東証グロース市場Core指数が2.59%高となっている。

さて、10日の消費者物価指数(CPI)発表後、米10年債利回りは3.8%台と4%を大幅に下回る水準に低下した。実際に、本日もインフレ減速・金融引き締め懸念後退を好感した動きが継続しており、グロース株優位の展開が続いている。ただ、米10月CPIのコア指数は前年比で+6.3%と高水準で、住居費は前月比+0.8%と9月から加速している。今後、コアCPIが前年比で+6.0%台をしぶとく維持する可能性もあり、中長期では警戒は怠れないとの意見もある。

ブルームバーグでは、「米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は14日、10月米CPIの上昇率が鈍化したことは良いニュースだが、一つのデータポイントに過ぎずFRBが利上げを停止するまでには「まだ道のりは長い」との認識を示している。」と報じられた。12月の連邦公開市場委員会(FOMC)がその後の会合で、政策担当者が利上げ幅を0.5ポイントに減速させることはあり得るとしながらも、利上げの停止に近づいているわけではないと注意を促したという。

さらに、ターミナルレートが5%を上回る可能性があるかとの質問に対し、5%を超えるかどうかはインフレ動向次第だとも述べている。FF金利誘導目標が2023年半ばに4.9%前後でピークに達するとの見通しをある程度織り込んでいるが、仮にターミナルレートが5%を上回る可能性がさらに示唆されると、織り込め切れていない株式市場にいとってはマイナス要因となるだろう。引き続き、FRBの利上げペースの動向には注視せざるを得ない。

今回のCPIの減速確認により短期的には上昇基調が続くと考えられる。中間選挙が実施される11月以降のS&P500指数の株価パフォーマンスは良好というアノマリーも相まって投資家心理が上向く可能性もあろう。ただ、世界的に様々なリスクが散見されるなか、暗号資産業界に衝撃を与えた暗号資産取引所FTXの破綻のように、株式市場でもいきなり市場が動揺する材料が飛び込んでくる可能性も0ではない。筆者は変わらず、年末にかけて一旦の反発があったとしても来年以降大きく下落する可能性があることを念頭に置いている。さて、後場の日経平均は、下げ止まるか。米株先物の動向を横目に、個別に材料が出た銘柄中心に物色が継続するか注目しておきたい。

《AK》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.