話題株ピックアップ【夕刊】(2):サムティ、日立、日野自

注目
2022年11月21日 15時16分

■サムティ <3244>  2,404円  +40 円 (+1.7%)  本日終値

サムティ<3244>が年初来高値を更新。朝方から株価が堅調に推移してきたなか、午後2時、不動産経済研究所が首都圏と近畿圏における10月のマンション市場動向を発表した。新築分譲マンションの販売戸数は首都圏が前年同月比34.7%増の2768戸と、3カ月ぶりに増加。近畿圏は同45.5%増の2120戸となり、3カ月連続で前年同月を上回った。首都圏の分譲マンション販売動向に改善の兆しがあるとの受け止めが広がるなかにあって、関西を地盤に首都圏で投資用マンションの販売などを手掛ける同社に対して、今後の事業への好影響を見込んだ投資家による買いが入ったようだ。不動産関連では住友不動産<8830>が後場一段高。三井不動産<8801>も堅調に推移している。

■日立製作所 <6501>  7,297円  +52 円 (+0.7%)  本日終値

日立製作所<6501>が14日につけた年初来高値を更新した。17日以降、海外での鉄道関連の受注について相次いで発表している。今後の業績の押し上げ要因となると期待した買いが株価の支えとなったようだ。同社は17日、鉄道システム事業のグループ会社である日立レールが、フィリピン政府運輸省から通勤鉄道向けに、デジタル信号を含む鉄道システム及び軌道工事に関する契約パッケージを受注したと発表した。契約金額は約1140億円という。更に、18日にはカナダの地下鉄オンタリオ線を巡り、車両や鉄道システム、運行・保守を共同受注したと発表。契約金額は約9500億円に上る。このプロジェクトでは30年間の運行・保守も行うとしている。

■日野自動車 <7205>  632円  +4 円 (+0.6%)  本日終値

日野自動車<7205>が続伸。同社は18日、エンジン認証不正問題に関連して型式指定取消処分の対象機種・車種のうち、「A09Cエンジン」搭載の大型トラック「日野プロフィア」の再申請を行ったと発表しており、これが好材料視された。不正問題での処分後、同社が型式指定を再申請するのは初めてで、型式指定が認められれば出荷につながるため、同社業績にプラスに働くとの見方から買われたようだ。

■東京エレクトロン <8035>  44,750円  +160 円 (+0.4%)  本日終値

東京エレクトロン<8035>やレーザーテック<6920>、SCREENホールディングス<7735>など半導体関連株がしっかり。18日の米国市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が続伸した。17日夕方に決算を発表したアプライド・マテリアルズ<AMAT>の株価が上昇したことなどが寄与した。ただ、レーザーテックなどの主力株は足もとでは高値圏での値の荒い展開が続いており、上値では売りに押されるなど強弱観が対立する動きとなっている。

■SOMPO <8630>  5,631円  -491 円 (-8.0%)  本日終値  東証プライム 下落率2位

SOMPOホールディングス<8630>が急落。前週末18日取引終了後、23年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績見通しを引き下げた。最終利益の見通しは1600億円から800億円(前期比64.4%減)に下方修正した。損保各社に対しては、株主還元策に対する思惑から先回り買いが入っていたが、同社から自社株買いや配当予想の増額修正などの開示がなかったこともあって、失望売りが膨らんだようだ。自然災害や新型コロナウイルス感染症の拡大、自動車の交通量回復などに伴い、発生保険金が想定を上回る見込みとなった。海外保険事業ではトルコの連結子会社が、国際会計基準における「超インフレ経済下における財務報告」の適用を受けたことに伴い、損失を計上することとなった。4~9月期の連結決算は、最終損益が200億3000万円の赤字(前年同期は1307億3500万円の黒字)だった。

■東芝テック <6588>  3,695円  -75 円 (-2.0%)  本日終値

東芝テック<6588>は年初来安値更新。同社はPOSシステムの最大手。11月10日に23年3月期通期業績予想の修正を発表し、最終損益を従来予想の黒字(80億円)から一転25億円の赤字に引き下げた。為替影響によるコスト増をはじめ、特許係争事案に関する特別損失の計上が要因。あわせて配当予想の減額も発表しており、これ以降同社株には業績の悪化を嫌気した売りが続いている。きょうは9月28日につけた3680円を下回り、2021年1月以来約1年10カ月ぶりの安値圏に沈んだ。

■電通グループ <4324>  4,435円  -85 円 (-1.9%)  本日終値

電通グループ<4324>が軟調。東京五輪・パラリンピック関連の事業の入札を巡り、談合の疑いがあることが判明したと伝わっており、これが同社株の重荷となったようだ。談合の疑いがあるのは、東京五輪の競技のテスト大会に関する業務で、電通グループを含む広告会社などが落札したと報じられている。汚職事件を捜査するうえで、贈賄罪で幹部らが起訴された一部の企業側から、談合が行われたという説明が東京地検特捜部にあったという。

■MS&AD <8725>  3,963円  -59 円 (-1.5%)  本日終値

MS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725>は3日ぶり反落。前週末18日取引終了後、23年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を下方修正し、嫌気された。最終損益は2400億円から1400億円(前期比46.7%減)に下方修正した。関東地域における雹(ひょう)災や台風14号などの自然災害、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う保険金・給付金の支払いが当初の想定を上回る見通しとなった。一方、同社はこれまで185円と計画していた年間配当予想を200円(前期比20円増配)に増額修正した。また、5780万株(消却前の発行済み株式総数の9.7%)について、11月30日に消却することも発表している。

■KDDI <9433>  4,098円  -18 円 (-0.4%)  本日終値

KDDI<9433>が小動き。前週末18日、ソラコム(東京都世田谷区)が東京証券取引所へ株式上場申請を行ったと発表した。だが、これを手掛かり材料として買い向かう動きは乏しく、株価の反応も限定的となった。ソラコムはIoTプラットフォーム「SORACOM」の提供などを手掛けている。エネルギーや製造、コンシューマー製品、ヘルスケア、農業など様々な業界の2万超の顧客により、500万回線を超えるデバイスをつなぐ通信として利用されている。2017年8月にKDDIグループに参画した。なお、上場には日本取引所自主規制法人による上場審査を経て、東証から上場承認を得る必要がある。

■HOUSEI <5035>  897円  +150 円 (+20.1%) ストップ高   本日終値

HOUSEI<5035>はストップ高。前週末18日取引終了後、中国向け越境ECプラットフォーム「24ABC」について、サービスを拡充すると発表。これを材料視した買いが入ったようだ。従来のサービスは中国本土向けに特化しており、決済方法は中国人が一般的に利用する決済方法が主体だった。今回、リニューアルをするにあたり、VISAやMasterCardなどのクレジットカードが利用できるようになるほか、言語も簡体中国語に加え、繁体中国語、日本語、英語にも対応が可能となったという。

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