話題株ピックアップ【夕刊】(2):村田製、デンソー、旅行関連
■イーディーピー <7794> 26,000円 -860 円 (-3.2%) 本日終値
イーディーピー<7794>は続落。東京証券取引所が28日の取引終了後、信用取引による新規の売り付け及び買い付けにかかる委託保証金率を29日売買分から50%以上(うち現金20%以上)とする臨時措置を実施すると発表しており、信用規制による取引負担増で個人投資家からの資金流入が細るとの懸念から売られたようだ。また、日本証券金融も同日売買分から、貸借取引自己取引分及び非清算参加者ごとの清算取次貸借取引自己取引分の貸借担保金率を50%(同20%)にすると発表した。
■村田製作所 <6981> 7,448円 -123 円 (-1.6%) 本日終値
村田製作所<6981>、太陽誘電<6976>、ローム<6963>など電子部品メーカー大手が軒並み安となった。中国のゼロコロナ政策に反発する動きが同国内で広がっている。米アップル<AAPL>のiPhoneを組み立てる中国の工場で混乱が生じ生産に支障をきたしていることが明らかとなり、ブルームバーグ通信はアップルの今年のiPhone上位機種の生産台数が600万台減る可能性が高いと報道、これを受けてアップルの有力サプライヤーである日本の電子部品メーカーは収益への影響を懸念され売りを浴びている。
■デンソー <6902> 7,562円 -122 円 (-1.6%) 本日終値
デンソー<6902>は3日続落。自動車大手が中国の一部の合弁工場で、新型コロナウイルス感染拡大を受けた生産調整に入ったと伝わっている。中国での完成車向けの自動車部品の出荷が想定を下回るリスクが意識され、サプライヤー各社の株価に下押し圧力が掛かっているようだ。シート大手のタチエス<7239>やテイ・エス テック<7313>が軟調。自動車用ばね部品のニッパツ<5991>や内装部品を手掛ける東海理化電機製作所<6995>が売られ、クラッチのエフ・シー・シー<7296>、燃料噴射装置などのミクニ<7247>、曙ブレーキ工業<7238>が安い。複数のメディアによると、従業員が出社できない状況にあることから、ホンダ<7267>は中国の武漢工場の稼働を28日以降、取りやめているという。トヨタ自動車<7203>も、中国の一部工場で生産調整と報じられている。
■東京エレクトロン <8035> 44,810円 -490 円 (-1.1%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>やレーザーテック<6920>など半導体製造装置関連が安い。前日の米国株市場ではリスク回避の売りが優勢となり、半導体関連株もマイクロン・テクノロジー<MU>が4.6%安と大きく値を下げたほか、インテル<INTC>やエヌビディア<NVDA>、アプライド・マテリアルズ<AMAT>といった主力どころが軒並み売りに押される展開となった。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も続落しており、東京市場でもここ全体相場の牽引役となってきた半導体関連株への利益確定売り圧力が表面化している。ただ、レーザーテックなどと比較して戻りが遅れていた東エレクは、直近にきて25日・75日移動平均線のゴールデンクロスを示現するなど中期トレンド転換を示唆しており、下値では押し目狙いの買いも観測される。
■マネックスグループ <8698> 442円 -4 円 (-0.9%) 本日終値
マネックスグループ<8698>が軟調。仮想通貨(暗号資産)を担保とした融資を手掛ける米ブロックファイが28日、連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請したと伝わった。ビットコイン相場に下落圧力が掛かるなかにあって、株式市場では、暗号資産交換事業を手掛ける企業を持つマネックスGなど仮想通貨関連株が軒並み安となっている。SBIホールディングス<8473>やgumi<3903>も安く、GMOフィナンシャルホールディングス<7177>がさえない。ブロックファイは仮想通貨交換大手のFTXトレーディングから金融支援を受けていたが、同社の経営破綻に伴って、経営が立ち行かなくなったとみられている。
■新東 <5380> 2,880円 +500 円 (+21.0%) ストップ高 本日終値
新東<5380>はストップ高。28日の取引終了後、12月31日を基準日(実質的には12月30日)として1株を2株に株式分割すると発表したことが好感された。投資単位あたりの金額を引き下げ、投資のしやすい環境を整えることで投資家層の拡大と株式の流動性を高めることが目的という。効力発生日は23年1月1日。
■旅工房 <6548> 477円 +53 円 (+12.5%) 本日終値
旅工房<6548>が後場急伸。エイチ・アイ・エス<9603>も上げ幅拡大。中国当局が日本時間29日午後4時から、新型コロナウイルスの防疫措置に関する記者会見を開くと一部で伝わったことを受け、ゼロコロナ政策の修正とともに日中両国間の渡航が活発化するとの思惑が広がったようだ。旅行関連株ではベルトラ<7048>、オープンドア<3926>などが一段高となっている。日本でのインバウンド消費が活発化するとの見方から、三越伊勢丹ホールディングス<3099>、高島屋<8233>、J.フロント リテイリング<3086>など百貨店株にも買いが集まった。
■助川電気工業 <7711> 1,393円 +137 円 (+10.9%) 本日終値
助川電気工業<7711>は全般地合い悪のなか異色の強調展開で4連騰。半導体製造装置向け温度センサーを手掛けており、ここ半導体主力株の買い戻しが一巡する一方、同関連の中小型株に物色の流れが広がっており、同社はその一角として出遅れ感から投資資金が攻勢を掛けている。また、28日に経済産業省が、岸田政権が掲げる「原発の最大限活用」の実践に向け計画案を開示、廃炉が決まった原発の建て替えを具体化させることを明記したことが伝えられた。熱制御技術に強い研究開発型メーカーで原子力関連機器などでも高い実績を有する同社は同関連株としても改めて存在感を高めている。冬場の電力不足の問題が取り沙汰されるなか、原発再稼働への論議も今後高まりそうで、同社の株価も刺激される場面が増えそうだ。
■リボミック <4591> 237円 +18 円 (+8.2%) 本日終値
リボミック<4591>が急伸。28日取引終了後、軟骨無形成症治療薬「RBM-007」の国内前期第2相試験に向けた観察試験について、第1例目の症例登録が行われたと発表。これをポジティブ視した投資家の買いが集まったようだ。症例登録が行われたのは東京医科歯科大学病院。観察試験に引き続き、前期第2相臨床試験と長期投与試験を進めていくとしている。
■Aiming <3911> 418円 +28 円 (+7.2%) 本日終値
Aiming<3911>が切り返し急。スマートフォンゲームの配信を手掛け、業績面では足もと苦戦しているものの、新作投入効果から23年12月期業績回復への期待が大きい。同社は28日取引終了後、ユーチューバーの制作サポート事業を手掛けるUUUM<3990>の子会社であるLiTMUS、講談社とスマートフォン向けゲーム「かみながしじま ~輪廻の巫女~」を共同開発中であることを開示、また、同新作ゲームの制作発表会を12月1日にメディア向けには会場で、一般ユーザーにはライブ配信で開催することも併せて発表、これを材料視する形で投資資金が流入した。
株探ニュース