話題株ピックアップ【夕刊】(1):スマレジ、アイル、ソフトバンクG
■スマレジ <4431> 1,728円 +180 円 (+11.6%) 本日終値
スマレジ<4431>は急伸。7日にクラウドサービスの価格改定を発表した。これを材料視した買いが集まったようだ。スマレジのプレミアムプランの場合、1店舗(事業所)あたりの月額料金を税抜で4000円から5000円に引き上げる。価格改定日は2023年1月1日。サービスの拡充・改善の実施に向け運営体制の強化を目的に改定に踏み切る。業績予想の修正が必要と判断される場合には速やかに開示するとしている。
■アイル <3854> 2,094円 +124 円 (+6.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
アイル<3854>は大幅高で年初来高値更新。7日の取引終了後に23年7月期第1四半期(8~10月)の決算を発表。営業利益が前年同期比2.2倍の7億2800万円と大幅増益で着地しており、これが好感されて買われている。売上高も同22.9%増の35億9800万円と増加した。ストック型ビジネス商材の販売実績が大きく伸長したことが業績を押し上げた。なお、通期見通しは据え置いている。
■ジャフコ グループ <8595> 2,426円 +96 円 (+4.1%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
ジャフコ グループ<8595>が続伸。この日の取引開始前、11月25日に公表した公開買い付けによる自己株取得について、実施しないと発表した。公開買い付けの前提条件である売買高加重平均価格(VWAP)の要件をクリアできなかったため。ただ同社は今後も株主還元の方針については検討していくとしており、新たな方針を期待した買いが株価の支えとなったようだ。同社は公開買い付けの前提条件として、11月30日から12月7日までの東証プライム市場におけるVWAPが2525円以上2828円以下になることを挙げていた。7日に確定したVWAPは約2362円とレンジの下限未満となった。ジャフコGは、旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスなどとの間で、シティらが今回の公開買い付けに応募する契約を締結していた。シティなどの意向を確認したところ、応募を行う意向はないとの回答だったという。シティなどの保有するジャフコG株の取り扱いについては、今後も継続して協議を行う方針。今後の株主還元の方針などについても引き続き検討し、決定次第、発表するとした。
■カチタス <8919> 3,175円 +110 円 (+3.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率9位
カチタス<8919>が3日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は7日、同社株のレーティングを「ホールド」から「バイ」に引き上げた。目標株価は3400円から3900円に見直した。株価は9月13日の3760円を高値に下落しているが、予想PER面からの割安感が強まったことから、レーティングを引き上げた。拠点拡大や人員増強によるシェア拡大を通じて中期的に年率2ケタの営業利益成長を継続できると評価している。第2四半期(7~9月)の中古住宅販売は引き続き好調。日本でも物価上昇や金利上昇による住宅取得意欲の後退が警戒されるが、同社が扱う住宅物件には割安感があり、景気後退局面でも需要は底堅く推移する、とみている。
■ソフトバンクグループ <9984> 6,095円 +128 円 (+2.2%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>は朝安後、切り返す展開。孫正義社長の株式持ち分に関する一部報道を受け、MBO(経営陣が参加する買収)を巡る思惑が広がり、買いが集まったようだ。報道では、これまでの積極的な自社株買いの結果として、孫社長と同氏の関係会社、親族系企業を含めた持ち分は3分の1を超えたと指摘。MBOがより現実に近づく可能性を示唆していると伝えている。
■第一三共 <4568> 4,416円 +76 円 (+1.8%) 本日終値
第一三共<4568>が堅調。8日、抗がん剤「エンハーツ」に関し、同社と英アストラゼネカがHER2陽性の再発・転移性乳がん患者への二次治療及び三次治療を対象としたグローバル第3相臨床試験のデータを米サンアントニオ乳がんシンポジウムで公表したと発表した。このなかで、同剤はT-DM1(トラスツズマブ エムタンシン)と比較して、統計学的に有意に死亡リスクを36%改善したと報告した。「エンハーツ」の今後の成長を期待した買いが集まったようだ。
■リゾートトラスト <4681> 2,429円 +41 円 (+1.7%) 本日終値
リゾートトラスト<4681>が3日続伸。SMBC日興証券が7日、リゾートトラの投資評価「1」を継続したうえで、目標株価をこれまでの2700円から2900円に引き上げた。23年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結業績について、同証券は会員制ホテルの稼働率がコロナ禍前を上回るなど、良好な内容だったと指摘。販売価格の見直しが実現すれば、さらなる収益性の改善が期待できるとの見方を示している。
■日本郵船 <9101> 3,035円 +43.5 円 (+1.5%) 本日終値
軟調な地合いにもかかわらず、日本郵船<9101>がしっかり。中国で新型コロナウイルス感染抑止のための規制緩和の動きが相次いでいる。中国経済に対する悲観が和らぐなかにあって、中国との貿易量の回復が海運会社の業績を下支えするとの期待も出ているようだ。世界的なリセッション懸念が広がり、米長期金利が低下するなかにあって、バリュー(割安)株への資金配分の動きも一部でみられ、PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回る同社株の支えとなっている。投資配当利回り面での妙味も引き続き意識されている。
■泉州電業 <9824> 2,919円 +32 円 (+1.1%) 本日終値
泉州電業<9824>が高い。午後2時、22年10月期の連結決算の発表にあわせ、23年10月期の業績予想を開示した。最終利益は前期比3.5%増の55億円となる見通しを示した。自社株買いの実施も公表しており、これらを好感した買いが集まった。今期の売上高は同4.0%増の1182億円となる見通し。機器用・通信用電線や電力用ケーブルなど各商品で増収を見込む。自社株買いは、取得総数20万株(自己株式を除く発行済み株式総数の1.12%)、取得総額6億円を上限とし、12月9日から23年4月30日の間、東京証券取引所における市場買付けで取得する。また、年間配当は80円を計画。11月1日付の株式分割の影響を踏まえると、実質的に前期比20円の増配を予定する。更に、同社は新たな中期経営計画も発表した。収益の長期安定化と持続的成長を継続し、25年10月期の連結売上高を1250億円(22年10月期は1136億円)、経常利益を85億円(同78億円)、ROE(自己資本利益率)を10.0%以上(同12.0%)とする計画を掲げた。
■ビルファンド <8951> 617,000円 +1,000 円 (+0.2%) 本日終値
日本ビルファンド投資法人<8951>は底堅い動き。オフィスビル仲介大手の三鬼商事(東京都中央区)が公表した11月の東京都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷区)の平均空室率は、前月比0.06ポイント低下の6.38%となった。これを手掛かりに押し目買いが入ったようだ。オフィス系の不動産投資信託(REIT)ではこのほか、ケネディクス・オフィス投資法人<8972>が小じっかり。いちごオフィスリート投資法人<8975>も下げ幅を縮める場面があった。都心5区では竣工1年未満の新築ビルの一部で成約が進んだことなどを背景に、空室面積が小幅に減少したという。もっとも空室率は供給過剰の目安と位置付けられる5%を上回る状態が続いているほか、平均賃料は28カ月連続で下落したこともあって、オフィス系REITについては上値を追う姿勢は限られている。
株探ニュース