14日の米国市場ダイジェスト:NYダウは142ドル安、FOMCは想定以上のタカ派姿勢を維持
■NY株式:NYダウは142ドル安、FOMCは想定以上のタカ派姿勢を維持
米国株式市場は反落。ダウ平均は142.29ドル安の33966.35ドル、ナスダックは85.93ポイント安の11170.89で取引を終了した。米連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ減速決定期待に買われ、寄り付き後、上昇。11月のインフレ指標の改善を受けて、タカ派色が弱まるとの期待も手伝い、堅調に推移した。午後に入り、FRBがFOMCで想定通り利上げ減速を発表も、パウエル議長はインフレを封じ込めるための利上げの道のりは長いと繰り返したため来年の利下げ観測が後退。FRBスタッフ予測も想定以上にタカ派的な内容となり、一気に下落に転じた。議長が同時に、今後、一段と利上げペースを減速する可能性に言及すると下げ幅を縮小し終了。セクター別では、家庭・パーソナル用品が上昇した一方で、自動車・自動車部品が下落した。
航空会社のデルタ(DAL)は旅行ブームが終了しておらず2023年の利益がほぼ2倍に膨らむと楽観的な見方を示し買われた。フィンテックのSOFIテクノロジー(SOFI)はノト最高経営責任者(CEO)による5百万ドル規模の自社株買いが当局への届け出で明らかになり上昇。高級住宅建設会社のレナー(LEN)はアナリストの投資判断引上げ、同業のパルトグループ(PHM)は投資判断・目標株価引き上げでそれぞれ上昇した。一方、電気自動車メーカー、テスラ(TSLA)はアナリストの目標株価引き下げで下落。カジノリゾート施設運営のシーザーズ・エンターテインメント(CZR)もアナリストの投資判断引き下げで下落した。
パウエルFRB議長はFOMC後の会見の質疑応答で、今後の利上げペースは指標次第と述べた。
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■NY為替:米利上げペース減速もFRBは想定以上のタカ派姿勢維持
14日のニューヨーク外為市場でドル・円は、134円60銭から135円99銭まで上昇し、135円47銭で引けた。連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通り、政策金利(フェデラルファンドFF金利の誘導目標)を50BP引き上げ減速を決定。声明では「利上げ継続が適切となる可能性が強い」と追加利上げを示唆した。見通しでは19人のメンバーのうち17人が23年の金利を5%以上と予想、中間予想が5.1%と市場の想定を上回る水準となったことが明らかになると利上げ観測が再燃し長期金利上昇に伴うドル買いが加速。その後、パウエルFRB議長がタカ派色維持する姿勢を再確認すると同時に、指標次第では2月FOMCで利上げ幅をさらに縮小する可能性を示唆すると金利が再び低下に転じドル買いも後退。
ユーロ・ドルは、1.0622ドルまで下落後、1.0695ドルまで上昇し1.0682ドルで引けた。ユーロ・円は143円53銭から144円77銭まで上昇。ポンド・ドルは、1.2345ドルから1.2446ドルのレンジで上下に振れた。ドル・スイスは、0.9280フランから0.9215フランまで下落した。
■NY原油:続伸で77.28ドル、一時77.75ドルまで買われる
NY原油先物1月限は続伸(NYMEX原油1月限終値:77.28 ↑1.89)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物1月限は、前営業日比+1.89ドルの77.28ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは74.90ドル-77.75ドル。アジア市場で74.90ドルまで下げたが、ドル安を意識して77.75ドルまで買われた。米国の追加利上げが発表されたことから、一時77ドルを下回ったが、需給緩和の思惑は後退しており、通常取引終了後の時間外取引では主に77ドル台で底堅く推移した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 32.28ドル -0.47ドル(-1.44%)
モルガン・スタンレー(MS) 90.50ドル -2.21ドル(-2.38%)
ゴールドマン・サックス(GS)360.38ドル -8.31ドル(-2.25%)
インテル(INTC) 28.26ドル -0.47ドル(-1.64%)
アップル(AAPL) 143.21ドル -2.26ドル(-1.55%)
アルファベット(GOOG) 95.31ドル -0.54ドル(-0.56%)
メタ(META) 121.59ドル +1.44ドル(+1.20%)
キャタピラー(CAT) 234.48ドル -1.01ドル(-0.43%)
アルコア(AA) 45.50ドル -0.67ドル(-1.45%)
ウォルマート(WMT) 146.67ドル -0.82ドル(-0.56%)
《ST》