株価指数先物【寄り前コメント】 FOMC結果を受けて売り先行も、イベント通過によるショート筋の巻き戻しが入りやすい

市況
2022年12月15日 8時23分

大阪3月限ナイトセッション

日経225先物 27890 -190 (+0.67%)

TOPIX先物 1960.0 -10.5 (-0.53%)

シカゴ日経平均先物 27890 -190

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

14日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利上げを決定した。予想通り前回まで4会合連続で続けてきた0.75%から利上げペースを減速させた。同時に示した来年の政策金利見通しでは、9月時点の4.6%から5.1%に引き上げられ、市場が想定する4.9%前後を上回った。パウエルFRB議長は声明で、次回FOMC会合での利上げ幅は今後入手するデータ次第との認識を示しており、利上げペースについては0.50%継続と0.25%への減速の可能性を残すとともに、インフレを封じ込めるための利上げの道のりは長いと繰り返した。

足もとでの市場予想を下回る米消費者物価指数(CPI)などもあって、タカ派色が弱まるとの期待からFOMCの結果発表前には買いが先行していたが、NYダウは発表後に下落に転じ、一時400ドル近く下げ幅を広げる場面もあった。S&P500業種別指数は家庭用品・パーソナル用品、医薬品・バイオテクノロジー、運輸が上昇した一方で、自動車・同部品、各種金融、半導体・同製造装置が下落。

シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、日中大阪比190円安の2万7890円で終えた。日経225先物(3月限)のナイトセッションは日中比20円安の2万8060円で始まり、その後は2万7990円~2万8050円辺りのレンジ推移を継続。2万8110円とレンジを上放れる場面も見られたものの、FOMCの結果を受けて一気に2万7820円まで急落。その後2万8070円まで買い戻された後に、再び売りに押されるなど荒い値動きとなり、2万7890円で取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになりそうだ。ナイトセッションで一時2万8110円まで上昇する場面も見られたが、前日の上昇部分を帳消しにした程度であり、大きな波乱展開は避けられている。5日、25日移動平均線辺りで下げ渋る動きだったことから、売り一巡後は底堅さが意識されてくる可能性もありそうだ。短期的なショートによって下押す場面では、ボリンジャーバンドの-1σが位置する2万7680円辺りがサポートとなろう。

ひとまず重要イベントが通過したことにより、オプション権利行使価格の2万7875円辺りでの底堅さは意識されやすく、2万7875円~2万8125円辺りでのレンジを想定しておきたい。VIX指数は21.14に低下しており、イベント通過によるショート筋の巻き戻しも入りやすいと考えられる。そのため、売り一巡後のリバウンドを想定した、押し目狙いのロングスタンスに向かわせそうだ。

なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.25倍に上昇した。本日はリバランスの動きから低下する可能性はあるものの、足もとでは25日線と75日線(14.18倍~14.24倍辺り)とによるレンジ推移が継続しているため、狭いレンジ内でのスプレッド狙いとなろう。

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