重要イベントの通過によって、売り一巡後は見直しの動きが意識されやすい/オープニングコメント
15日の日本株市場は、売り先行で始まった後は、次第に底堅さが意識される相場展開になりそうだ。14日の米国市場はNYダウが142ドル安だった。米連邦準備制度理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で、予想通り政策金利を0.50%引き上げ、これまで4会合連続で続いていた0.75%の利上げペースを縮小した。同時に来年の政策金利見通しが予想以上に引き上げられた。
FOMCの結果前には11月のインフレ指標の改善を受けて、タカ派色が弱まるとの期待から買われていたが、FOMCの結果を受けて一気に下落に転じた。ただし、パウエルFRB議長が声明で、一段と利上げペースを減速する可能性に言及すると下げ幅を縮小して終えていた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比190円安の27890円。円相場は1ドル135円40銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになりそうだ。ただし、来年の政策金利見通しの引き上げは想定されていたこともあり、前日の上昇部分は帳消しになりそうだが、日経平均は25日線や5日線辺りが下値支持線として意識されやすいだろう。日経225先物はナイトセッションで荒い値動きも見られたものの、大きな波乱の展開とはならなかったため、重要イベントの通過によって、売り一巡後は見直しの動きが意識されやすいだろう。
また、VIX指数は21台に低下しており、足元でショートを仕掛けていた向きの巻き戻しも意識されそうである。そのため、日経平均は28000円水準での底堅さが見られてくるようだと、アク抜けを想定したリバウンド狙いの動きも見せてきそうだ。物色の流れとしてはインデックス主導で下げた後は、指数インパクトの大きい値がさハイテク株などの底堅さを見極めたいところ。
個人主体の資金はIPO銘柄に集中しやすいと考えられる。昨日上場したスカイマーク<9204>は初値は1272円となり、直後に1241円まで押した後は比較的強い値動きを継続し、商いも活発だった。IPO銘柄への好調が続くようだと、利食いの資金がセカンダリーへ還流する可能性も高く、直近IPO銘柄なども含めた、個人主体の材料株物色は活発化しそうだ。
《AK》