株価指数先物 【週間展望】 ―米重要イベントを通過、2万7000円水準でボトム探る展開に

市況
2022年12月18日 17時00分

「米重要イベントを通過、2万7000円水準でボトム探る展開に」

今週の日経225先物は、ショートが強まりやすいなか、ボトムを探る動きに向かいそうだ。

米連邦準備制度理事会(FRB)は先週の連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げ幅を4会合連続で続いた0.75%から0.50%へと減速させたほか、2023年時点の政策金利見通しを引き上げ、金融引き締めの長期化方針を示した。これらは予想されていたことでもあり、FOMC通過後のアク抜けが期待されたが、株式市場ではリバウンド狙いのロングは限られる一方で、改めてショートの動きが強まった。米NY連銀のウィリアムズ総裁がFRBは来年に予想以上に政策金利を引き上げる可能性があるとの見解を示したことも重荷となり、16日の米国市場では主要な株価指数が下落した。

16日のシカゴ日経平均先物は、日中大阪比190円安の2万7280円だった。16日の日経225先物は日中取引で一時2万7420円まで売られ、終値は490円安の2万7470円と大幅に下落し、支持線として意識されていた75日移動平均線(2万7390円)に迫る場面が見られた。ナイトセッションは日中比190円安の2万7280円であり、一時2万7120円まで下げ幅を広げた。そのため、週初は節目の2万7000円を試す動きを見せてくる可能性があり、同水準でボトムを形成できるかを見極めたいところである。

テクニカル面では、ボリンジャーバンドのバンドが収斂してきており、ナイトセッションで-3σまで下落してきた。一目均衡表では雲下限が2万7000円辺りで横ばいで推移しているほか、52週線も位置しているため、いったんはボトム形成が期待される水準でもある。

足もとではFOMCの結果発表を控えるなかでリバランスに伴うショートカバーが継続し、2万7500円水準から14日には2万8620円まで買われたが、週末の下落でこの上昇分を帳消しにした。さらにナイトセッションで下落幅を広げたものの、ここからはボトムを探る水準に入ったとみられる。

また、16日の米国では株価指数先物取引、株価指数オプション取引、個別株オプション取引、株式先物取引の4つの取引期限満了日が重なる「クアドプルウィッチング」だった。重要イベントのFOMCに加えて需給イベントも通過したことで、ポジション調整は一巡することも考えられる。ただし、イベント通過で改めて積極的にポジションを積み上げてくる動きも考えづらい。

海外勢がクリスマス休暇入りで商いが細るなか、短期筋の売買が中心になるため仕掛け的な動きもあろうが、バイアスが強まる局面では、その後のリバウンドを狙ったスキャルピング中心のトレードに向かわせそうだ。戻りの鈍さが意識される場面ではショートカバーの動きを強めてくる展開には注意したい。なお、米国11月個人消費支出(PCE)、米国12月ミシガン大学消費者態度指数確報値の発表を控え、週末はリバランスに伴う動きが強まりやすいだろう。

VIX指数は22.62に低下した。FOMCの結果前には25.84まで上昇するなど、オプションのプットに資金が集中する格好でショートを仕掛ける動きが見られた。ただし、FOMC通過後は一気に22.50辺りまで低下し、その後は25日線を挟んだボトム圏での推移を継続していた。16日の米国市場の下落局面でも低下を見せていることもあり、改めてショートを仕掛けてくる動きも限られそうだ。

先週のNT倍率は先物中心限月で14.13倍に低下し、一時14.08倍まで下げる場面が見られた。12月1日のリバウンド局面で空けた窓(14.08~14.18倍)を一気に埋め、NTの巻き戻しも一巡した感がある。日経225先物が2万7000円水準を試す局面では、11月28日につけた13.97倍が意識されてくる可能性はあろう。ただし、ボトム接近でリバランスを見せてくる可能性もあり、14.00倍辺りに近づく場面では、リバランスに伴うNTロングによるスプレッド狙いも意識しておきたい。

12月第1週(12月5日-9日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりに買い越し、買い越し額は3492億円(前週は8081億円の売り越し)だった。なお、現物は797億円の売り越し(同101億円の売り越し)と2週連続の売り越しであり、先物は4289億円の買い越し(同7979億円の売り越し)と2週ぶりに買い越している。個人は現物と先物の合算で351億円の売り越しで、2週ぶりに売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で6434億円の売り越しとなり、4週連続の売り越しだった。

経済スケジュールでは、19日に米国12月NAHB住宅市場指数、20日に日銀金融政策決定会合(2日目、会合後に政策金利発表)、米国11月住宅着工件数、21日に米国7-9月期経常収支、米国12月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、22日に10月景気動向指数改定値、米国7-9月期国内総生産(GDP)確定値、米国11月景気先行指数、23日に11月全国消費者物価指数(CPI)、米国11月耐久財受注、米国11月個人消費支出、米国11月新築住宅販売件数の発表などが予定されている。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値

01月限 日経225 28266.57  TOPIX  1988.69

02月限 日経225 27835.60  TOPIX  1965.67

03月限 日経225 25457.94  TOPIX  1808.03

04月限 日経225 27122.37  TOPIX  1904.02

05月限 日経225 25951.24  TOPIX  1838.12

06月限 日経225 28122.81  TOPIX  1955.38

07月限 日経225 26659.58  TOPIX  1890.16

08月限 日経225 28525.62  TOPIX  1963.05

09月限 日経225 28253.40  TOPIX  1957.76

10月限 日経225 26666.31  TOPIX  1885.58

11月限 日経225 28225.86  TOPIX  1978.52

12月限 日経225 27576.37  TOPIX  1945.27

◆日経225先物(日足)

始値   高値   安値   清算値  前日比

23/03 12月16日  27940  27940  27420  27470  -490

23/03 12月15日  28060  28110  27820  27960  -120

23/03 12月14日  27900  28260  27880  28080  +190

23/03 12月13日  27760  28040  27730  27890  +120

23/03 12月12日  27850  27930  27640  27770  -80

◇TOPIX先物(日足)

始値   高値   安値   清算値  前日比

23/03 12月16日  1966.0  1966.5  1942.5  1944.0  -23.0

23/03 12月15日  1970.0  1975.0  1956.0  1967.0  -3.5

23/03 12月14日  1963.0  1981.5  1961.0  1970.5  +8.0

23/03 12月13日  1951.5  1972.5  1949.0  1962.5  +11.0

23/03 12月12日  1957.5  1964.0  1946.0  1951.5  -6.5

●シカゴ日経平均 円建て

清算値  前日比

12月16日(3月限)  27280  -190

12月15日(3月限)  27605  -355

12月14日(3月限)  27890  -190

12月13日(3月限)  27970  +80

12月12日(3月限)  27995  +225

※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)

  売り   前週末比   買い    前週末比

12月09日    3322億円 +1529億円  5095億円  -324億円

12月02日    1793億円  -99億円  5420億円  -321億円

11月25日    1892億円  -484億円  5742億円  +861億円

11月18日    2376億円 -2418億円  4880億円  +279億円

11月11日    4795億円  -429億円  4601億円  -608億円

11月04日    5225億円  +421億円  5209億円  -983億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)

売り      前日比  買い       前日比

12月14日  1億0890万株   -2411万株  1億5926万株   +141万株

12月13日  1億3301万株   -1073万株  1億5784万株   +291万株

12月12日  1億4375万株   +3050万株  1億5493万株   -972万株

12月09日  1億1324万株   -1380万株  1億6466万株   -2274万株

12月08日  1億2705万株   +6995万株  1億8740万株   +1137万株

12月07日    5709万株   +1318万株  1億7603万株   +619万株

12月06日    4391万株   +274万株  1億6983万株   -763万株

12月05日    4117万株   -486万株  1億7747万株   -1192万株

12月02日    4603万株   +699万株  1億8939万株   -2529万株

12月01日    3904万株   +760万株  2億1469万株   -913万株

11月30日    3143万株   -805万株  2億2382万株   +1990万株

11月29日    3949万株   -713万株  2億0392万株   +335万株

■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)

【2022年】

1月14日  701億円

1月25日  701億円

2月14日  701億円

3月07日  701億円

4月07日  701億円

5月19日  701億円

6月13日  701億円

6月17日  701億円

12月2日  701億円

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