明日の株式相場に向けて=存在感発揮の日銀、地銀株ついに日の目浴びるか
20日の東京株式市場は、前場と後場で様相が文字通り一変した。前場の日経平均株価は前日比77円高、出来高も薄く様子見姿勢のなかやや退屈な相場だった。しかし、日銀金融政策決定会合の結果発表では「長期金利の変動幅を従来のプラスマイナス0.25%程度から同0.5%程度に拡大する」ことが示された。今回の日銀会合は現状維持とみられていただけに、政策変更はサプライズと受け止められた。
ある市場関係者は「今年のビッグイベントは14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表でほぼ終わったとみていた」という。忘れられていた日銀が存在感を示した格好だが、それだけに市場の反応は大きかった。
金利上昇は日米金利差縮小で円高要因となる。このため、東京エレクトロン<8035>など半導体関連株やトヨタ自動車<7203>など自動車株といった輸出関連の主力株は軒並み安となった。その一方、買われたのは三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンク株、九州フィナンシャルグループ<7180>など地銀 株、第一生命ホールディングス<8750>など生損保株だ。
金融セクターは長年、物色人気の圏外に追いやられていた。しかし、思い起こされるのは、万年割安だった商社株が原油高などエネルギー価格の上昇で一気に人気セクターとなったことだ。特に、地銀は国内金融政策が素直に反映され好影響が期待されるほか、連結PBR0.2~0.3倍の割安株がごろごろある。地銀など金融株が、年末・年始相場で日の目を浴びる素地は整ったようだ。
今晩は米11月住宅着工件数が発表される。米国ではフェデックス<FDX>とナイキ<NKE>の決算発表が予定されている。明日は、日本では11月訪日外客数が発表される。グロース市場にサンクゼール<2937>、アイズ<5242>、note<5243>が新規上場する。